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個人の力をどう集約するかという課題

組織を飛び出して、フリーランスや自営業者になったり、起業する人が増えているように感じられます。

個人が自由に自らの可能性を試せる(伸ばせる)意味では、よい世の中になったと思います。

しかし、個人の力は知れていて、組織の力には及びません。仮にコンピュータを使って大きな仕事をしていたとしても、組織はさらに高度なツールを使用してビジネスを展開します。
昔の個人よりパフォーマンスは上がっているでしょうが、やはり組織には勝てません。

国力 = 組織の力

日本の国力が落ちているというような印象はあります。
ビジネスを展開する力や、技術力が落ちてきているということも言えるかもしれません。
個人で成功している人は昔より増えているのかもしれませんが、その個々の成功者の力が、どのように国力に影響するものなのか、あまり想像ができません。
成功者同士で連携して、何かを生み出したりするのなら、何百人もの成功者が連携すれば、一つの大きなムーブメントを起こせるかもしれませんが、そのような話は聞いたことがありません。
仮にあったとしても、そのリーダーは誰なのか? 結局は組織の形にならないと大きなことはできないのではないでしょうか。

フリーランス = 労働者

本来、自営業者というのは会社みたいなもので、どんなに小さくても独立した事業体なのです。
よって、企業(法人)とは対等な関係であるはずなのですが、実際には企業の方が上です。
フリーランスというのは、顧客が企業の場合が多いのです。組織という存在があって初めてフリーランスが成立するという感じです。
顧客が個人ばかりなら、おそらく普通に自営業者ですし、企業と同じ立ち位置でいられるはずです。

最近、フリーランスは労働者だという考え方が生まれてきました。実質的に組織の一員なのです。

農業に個人の力はどう生かされる?

かつて「三ちゃん農業」という言葉がありましたが、従来の農業は個人が担い手となり、組合のような組織がそれを統括していたと思います。

近年では、後継者不足の問題から第三者が農業を受け継ぐスタイルが一般化してきているそうです。
それで、ITに強い若者が後継者となって農業を近代化するという流れも一部にはあるようですね。

現在の日本の農業は、大量生産ではなく高品質によって差別化する方向に走っていると思います。そのなかでITを活かして高度な管理を行い、ハイレベルな作物を栽培するという一つの流れがあるような気がします。

もう一つの流れとして、10年以上前に、企業が農業に参入できるようになりました。大規模農業への第一歩です。

やはりITを駆使して、大規模な農業を少ない労力で実現しようという取り組みなのでしょうか。

農業も、個人の力だけでやっている限りは、一定レベル以上の成果は上がらないと思いますし、個々の力を集約して大きな力に変えなければ、国力を担うほどのプロジェクトにはならないだろうと考えます。

今後、食糧難の時代になった場合には、ハイクオリティよりも大量供給が求められるようになるのではないでしょうか?
そうした場合、やはり企業の農業への参入が進んでいないと、十分な食糧供給ができないのではないでしょうか?

大きなムーブメントを起こして産業の柱を作ること

日本は、技術立国・工業国として過去は邁進してきました。
でも今後はそれだけでは難しいと思います。
新しい立国の担い手は、どういう分野なのか。
政府はどういう方針を持っているのでしょうか?あまり説明された覚えはありませんね。

一つには、農業があると思います。
また、広義のソフトウェア、つまりコンテンツやサービスなども柱にはなり得ると思います。
多くの部分はコンピュータで構成できるのでしょうが、やはりマンパワーは必要ですし、そうあって欲しいと思います。

個人は、一人ひとりがそれぞれの方向を向いて動くより、ある一定の方向を目指した方が、ムーブメントを起こせるはずです。
さらに言えば、組織を再発見して、組織のなかに新たな可能性を見出すことも、意義はあるかもしれません。
とにかく、なにか目立った「塊」がいくつも存在するような産業構造になってくれることを期待したいです。

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