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2週間で身につけたことは、2週間で忘れる

2週間かけて、あることを学びました。
その後何もせずに2週間が経てば、学んだことは完全に忘れ去られるのではないでしょうか。


───これって、トリビアになりませんか?



大学時代、知人が簿記3級を受験しようとしていた。
就活に備えて履歴書の空白を埋めたいからという、何とも残念な動機で受験を決めていた。


彼が試験勉強を始めたのは、なんと試験本番の2週間前だった。

「2週間やれば受かるって聞いたからwww」とヘラヘラしている。


たしかに「2週間で受かる!ナントカ検定」みたいな参考書を書店で見かけることはある。

だがな、本当に2週間で受けるやつがいるか!
というか試験の申込をした時点で勉強始めろよ!!

と、色々とツッコみたくて仕方なかった。



その知人の合否はちゃんと確認していないが、数ヶ月後、自分も彼と同じ簿記3級を受験することにした。
受験の動機は彼と同じで履歴書の穴うめゴニョゴニョなのだが……

参考書を見ても腑に落ちないことがあったため、彼に質問をしてみた。

僕「ここの仕訳って何でこうなるんだかわかる?」
知人「え、そんなのあったっけ??」


おいおい忘れとるやないかい!
何が「そんなのあったっけ?」や!!

やっぱり付け焼き刃のお勉強じゃアカンなということを実感した。



しかし、自分は彼のことを笑えない事態になった。

時は経ち20代後半になった頃、転職のために公務員試験を受けることにした。

仕事の合間を縫って、1年近くかけて勉強してきた。

にもかかわらず、採用が決定してしばらくしたら、勉強したことを徐々に忘れていった。



翌年の4月、採用先で働き始めた頃には何もかも完全に忘れ去った。

ミクロ経済学? 知らない子ですね。



本当に、自分の脳ミソがお粗末で大変恥ずかしい。

だが、仕事で使うかどうか定かでない知識を無理やり詰め込ませる採用体制にも問題があるのでは?

……なんてのはただの開き直りか。すんません。


そこでふと、さっきの簿記の件を思い出す。

彼も(そして自分も)履歴書に載せるためという、いたく不純な動機で受験していた。

就職のため、転職のためだけじゃ、学んだことも定着しない。

興味があることでないと知識も浸透しないし、興味を持とうとしないと意味がない。


そして、目標を達成してからもちゃんと継続しないと、何もかも忘れる。

その場限りではダメなのだ。


もちろん、物事を忘れる度合いにも個人差がある。
だとしても、繰り返して定着させないと、大なり小なり記憶が薄れていくもの。


リスキリングだの何だのそんな言葉も出てきましたが、それを意識しなきゃ意味がないんですよね。

ここに書くまでもない当たり前のことなのですが、肝に銘じておきたいです。