見出し画像

英語が喋れなければルー語を喋ればいいじゃない!

「英語全然できないのに外国人の接客をしなきゃならなくなった! どうしよう!!」
といった方にこそ読んでほしい。

上からは「話せるようになるまで頑張ってください」と言われるだろうが、外国語なんて一朝一夕で習得できるわけがない。
それでも接客は避けられない。

話せるようになるまでのツナギの期間はどうすればいいの?


タイトル通り、英語が話せないなら、ルー大柴スタイルで行けば良い。

つまり日本語と自分の知っている範囲の英語をまぜこぜにして喋る、俗にいうルー語で何とかなるものだ。

ただ、それを伝えたいだけの話です。


新卒で入社した会社では、簡単な接客を行っていた。

ある日、外国籍らしき方が店に来たとき、先輩が自分を呼んだ。
「お前英語しゃべれるよな? あのお客さんの相手お願いしていいか?!」

良いですけど、自分、英語が話せると申告した記憶はないんですがねぇ。

「え、だってお前履歴書にトーイック800いくらとか書いてたよな?」
と話す先輩。


おい人の履歴書勝手に見んなや!
先輩ながらデリカシーのないやっちゃなぁ。

それはさておき自分、英語なんて喋れません。
読み書きできるが喋れない、典型的な日本人だぞコノヤロー。



先輩は外国人とひと括りにしてしまっているが、実際うちに来るお客様はノンネイティブの方がほとんど。

たどたどしーい英語で話し掛けてみたが、お互いノンネイティブなのもあり会話が成り立たなかった。

英語を話そうと必死になればなるほど空回りして、どっと疲れてしまった。





数年後、地方公務員に転職したときも、ときどき英語での対応が求められた。

ある日、上司が自分に声を掛けた。
「あなた確かトフル?だっけ、持ってたわよね? 英語話せるわよね?」

あれ、デジャブ?

いやTOEFLじゃなくてTOEICなんすけど、もう訂正する気力もないや。


「今ね、窓口に来ている方が日本語わからないみたいで。ちょっと出てくれる?」

そんなこんなで窓口に立つ。

指定難病の申請をしに来たようだ。

英語で説明、どうやっていけばいいんだ?
臨床調査個人票、支給認定基準世帯員……
厄介なことに、日本人にさえ説明しにくい用語のオンパレード。
パンフレットも行政独特の言い回し。

前職よりきついな。

これを全部英語に変換するのは無理だわ!


試行錯誤した結果、日本語と英語をまぜながら話していくスタイルを確立した。

申請書をペンで指差しながら

ここにライトユアネーム、こっちにハズバンドネーム! そう!
ハズバンドのバースデー、わかる?
あ、フォンナンバーもおしえて! 


接遇も何もあったもんじゃねぇ喋り方だが、こっちが伝えようとすれば相手にも応えていただけた。

日本語が一ミリもわからない方だとこのルー大柴スタイルも厳しいが、ごく簡単な日本語がわかる方は大体これで通じた。



先述の先輩や上司のように、外国人が来ただけで身構えてしまい、すぐ通訳を求めてしまう人は意外と多い。

やればできるのに、実にもったいないと思う。


とはいえ、義務教育で習うくらいの最低限の英単語は知っておいたほうが良い。

先輩に「英語で夫ってなんて言うんだっけ?」と聞かれたことがある。
husbandを言わずに夫という概念を相手に説明するのは大変だろう。


それと、いきなり英語をダイレクトに日本語にしようとすると心が折れてしまうが、
【日本語→やさしい日本語→英語】の2段階通訳を行っていくと案外うまくいく。

中学生の頃、タイトルは失念したが、英語で日記を書くための本を読んだ。
そこでは、

「今日はゴルフのコンペに行った。スコアはいまいちだった」ではなく
「今日はゴルフをした。うまくできなかった」という文章にする。
内容は大体同じだが、後者のほうが英語で書けそうな気がするだろう。

といった記述がされていた。


いきなり英語に訳すのではなく、書きたいことを簡単な日本語に置き換えると、ぐっと難易度が下がると気づいた。


相手に申請書を書いてもらうとき、マニュアルの言葉通り
「性別欄の該当箇所に丸をつけてください」
と伝えるとなると、訳すのも難しそうだ。

だが、
「あなたは男の人ですか? 女の人ですか? 男の人ならここに丸をかいてください」
という言葉に置き換えると、相手にしてもらうことは同じだが、伝えやすくなる。


実際は話しかけながら
「あなたは男の人ですね? じゃあここにサークル! 丸して!」
 (指先で丸を描くジェスチャーを添えて)と、相手に示していけば十分だ。

※昨今では相手の性別が周囲の人にわからないように配慮する必要はある。あくまで例として捉えていただきたい。



やさしい日本語への置き換えについては、NHKのNEWS  WEB EASY というサイトを見ると勉強になる。

簡単な日本語で、ニュースの最も重要な点だけがうまく伝えられている。


もちろん、ホテルマンなど高レベルな接遇も求められる職種だと、なかなかルー語でぶつかれというのは厳しいかもしれない。

それ以外の業種では、一人一人が臆せずコミュニケーションを取っていくべきだと思う。



ヒットして砕けろ! トゥギャザーしようぜ!

この記事が参加している募集