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【読書】スタンフォード式人生設計指南書/「Designing Your Life」から

ただ何となく、直感や感覚で決めてしまいがちな進路や職業。それでもいいけど、もっとロジカルに進むべき道をはじき出す方法があることを教えてくれる一冊。

記事要約

  • Ted talksでも取り上げられたエンジニアチックなデザイン思考を取り入れたスタンフォード式人生設計の指南書。役立つツールが満載。

  • 幸せとは正しい選択をする事ではなく、より良い選択をする事。過去を後悔しがちな自分に取って、心に響く力強いメッセージが多数あり。

  • 今後の生き方に悩む若者や、人生を振り返りつつ今後のキャリアや人生を考えたい中高年にお勧めしたい一冊。


1.本の紹介

TED Talksのバーネット教授による講演を視聴した事が切っ掛けで、購入してみた本。タイトルは「Designing Your Life - how you build a well-lived, joyful life」(2016年刊行、Alfred A. Knopf社)。

著者は、スタンフォード大学教授のビル・バーネット(Bill Burnett)と同大学講師兼マネジメントコンサルのデーブ・イヴァンズ(Dave Evans)。著者らがスタンフォード大学で実施している教育プログラム「Designing your life 公式ワークショップ」が元ネタとなっており、邦訳あり(「スタンフォード式 人生デザイン講座」早川書房、2022年刊行)。

2.本の概要

理系チックなデザイン思考を取り入れた斬新な人生設計の指南書。人生とは?幸せとは?といった類の本は、特定の経験に基づいた主観的内容となりがち。しかしこの本は、より論理的かつシステマチックに進むべき方角や進路を弾き出す革新的かつ斬新な方法論を提供している。

ざっくりとまとめるならば下記の通り:

  1. 現在地確認:  健康/仕事/趣味/愛情の観点から自己評価し問題発見

  2. コンパス作り:  自分の仕事観や人生観の見直し

  3. 道・方向性把握: 日々の仕事の各タスクを書き出し、それらに対する自分の没頭&熱量の度合いを把握

  4. プロトタイピング:  上述③から考え得るキャリアパスを3つ作成、各々プロトタイプ(作成したキャリアパスに基づき、関連する人にlife design インタビュー、情報入手&擬似体験し、そのパス妥当性検証)

  5. より良い意思決定: 情報を集め選択肢を増やし、そこからショートリストを作り、最後は理詰めでだけでなく自分の感情/フィーリングを大切にしながら判断。

さらにいくつか興味深いコンセプトは以下のとおり:

  • Gravity problem: まさに地球の重力のごとく、いかんともしがたいほぼ解決不可能な類いの問題、無視する/受け入れるに限る(例: 才能あるが売れない詩人の給料が安いなど)。

  • Reframing: 問題に行き詰まったときに、一度ステップバックして問題を違う観点から考え直す試み。自分の思い込み(dysfunctional belief)を取り除く事で、問題解決の糸口が見えてくる。

  • Happiness: 幸せに関するデザイン思考的な解釈。以下いくつか抜粋:

Happiness is letting go of what you don't need.

P. 174

The secret to happiness in life design isn't making the right choice; it's learning to choose well.

P. 157

3.感想

①前に進み続ける力: 

幸せとは、過去の選択をagonize/後悔せず、もう終わったこととして自分の中で処理/消化し、前に進み続ける事が大事と言う本書のメッセージは心に響くものがある。

私の場合、歳を取ったためか、過去の選択を後悔することが多々ある。あの時前の会社をやめずもう少し粘っておけば良かったかも、中高で交換留学しておけば良かった等、数えたらキリがない。

だからこそ、一度決めたことに疑問を持たず、先に進み続ける力が大事なのかもと思った。

②20代の自分/君に

また、本書は、20代前半の自分に贈りたい一冊でもある。あの頃私は、国際公務員に成りたいという夢があったが、何をしたらいいのかわからなかった。当時は情報も少なく、手探りでした。だからさんざん寄り道をしてしまい、国際機関で職を手に入れた頃にはもう37歳(詳細は下記リンク)。

この本の言う通り、しっかりとキャリアパスを組み立てより良い判断を下していたら、もっと幸福なキャリアがあったにでは?と思ってしまう自分がいる。本書によれば、まさにこういう思考をやめることが幸せになる鍵らしいですが笑。

最後に一言

若いときに読んでおけば良かったと思う著作の一つではあるけれども、中高年であってもこれからのキャリアを考える上で参考になる指南書となる気がする。

あと最近読んだこちらの本と合わせ読むと効果的。

本記事は、あくまで私がポイントだなと思った部分のみ書き出しまとめているだけです。この概要記事がきっかけとなり、この本に興味を持っていただけたら幸いです。


あわせて記事もご覧いただけたら幸いに思います。


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