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20年間とりこになっていたファッションのお仕事を辞めたはなし。

結局片思いだったのかも

話はさかのぼる。
今年の4月に、娘が小学生になった。
結婚してからも激務だったし、何となく子供を持つというリアリティを感じられないまま高齢出産期に入り、激務のまま子供を持った。タイムリミットだぞ!って自分を鼓舞する感じだったと思う。
妊娠中は激しいつわり。深夜に店舗のイベント設営しつつ、合間にトイレにかけこみ虹色のものを吐き出していた(きれいな表現を心がけています)。

とはいえ、出産は楽しみで、そもそも好奇心だけに突き動かされる人生なので、まだみぬ世界へのワクワクで出産ギリギリまで働くパワーがわいてきた。

出産後はあたりまえに大変だった。
言葉に表現しつくせないような「つらみ」と「しあわせみ」(日本語変です)に悶えながら日々を過ごし、娘が6か月の時に仕事復帰した。

いろいろありまして、(書きたくもないような)乳飲み子を抱えて転職活動することになり、前職のセレクトアパレルに広報として入社し、そこでも仕事と育児の毎日はありきたりに大変だった。

最初に就職した大手アパレルから通算すると約20年ファッションにかかわる仕事を数社で経験させてもらったのだ。
そして、ある日とつぜん、「もう、いいかな」って思った。
ほんとに「スルっと」何か取りつかれていたものが落ちたように。

理由をいろいろ考えた。
娘が小学生になる、というきっかけもあった。育児に猛進していたところから、自分の残り半分の人生の生き方を考えるようになったからだ。
もうひとつは、ファッションは私にとって「片思いの相手」だった。ということだった。

最終日に素敵なお花いただきました

ファッションピープルになりきれないわたし

ファッションの世界の中心で愛を叫んでいたわけではなく、キャリアの半分くらいは赤い某大手グローバルアパレルのマーケにいた。

ちょうど海外展開を本格的に進めるタイミングで、CI変更のプロジェクトにも関わらせてもらったり、インナー部門の販促やプロモーションもやらせれもらい、それはそれは濃密で激務で寝不足の毎日だった。(楽しかったよ)

そこでやっていた事は私にとってキャリアの核になるような大きな学びの毎日だったのだけど、ファッションの仕事の芯を食った学びだったかどうか、というと少し違ったと思う。

戦略的に商品を企画し、プロモーションし、億単位の枚数売る。
たまたま扱っているものが服なだけで、手法は消費財やメーカーに近かったと思う。特にインナーを担当していたし。

とにかく刺激的な毎日だったのだけど、その時期は私にとって大きい影響力があったようだ。

その後転職した2社は「ファッションモンスター」だらけだった。とにかくめちゃくちゃおしゃれな人たちが高度なコーディネートを駆使して大挙して出社してきていた。

めんくらったよね。

私、ファッション好きを自負してたけど、芯食ってなかったわ。

その世界、センスの塊みたいな人たちがプロダクトアウトして、熱狂させて買ってもらう。その世界線にマーケはいらなかった。(負け惜しみではない)

ということで、すごく時間がかかったけど、自分ができる事をやりたいな、って思ったのが大きかったかも。
時間がかかったのは、私がそのファッションに熱狂する側だったから。
魅力的で、奥深い、素晴らしいカルチャーだった。

「ファッションがない人生なんて全然面白くないよな」

新職場のお庭

40過ぎてワクワクが止まらない件

そんなときにたまたま現職である八芳園のお話をいただいた。
創業80年、老舗企業の第二創業期ともいえるタイミング。
責任重大だが、経験を活かせそうだと感じたし、自分が生きてきた日本や地域に貢献したい、という思いが少なからずあったので、その意味でも運命的なものを感じた。

正直娘が小学校入学して落ち着いたら転職活動しようかな、なんて思っていたので、まだ本格的に動く前にお話しをいただいて、面接を受けるうちにそのビジョナルな企業姿勢にほれ込んだ。

結果として1社しか受けていない状況で心を決めて、入社してはや1か月。
私の選択は間違っていなかったと思わせてもらっている。
もちろん過渡期なのでいろいろ課題はあるものの、早速ブランディングという得意分野(自負)を任せてもらえてワクワクが止まらない中年爆誕してます。

白金台八芳園のお庭

仕事の合間に素晴らしい日本庭園を眺めることができるなんて、マイナスイオン?オキシトシン??母乳???出そうです。

最終出社の日のオフィス

ファッションに学んだ事は本当に大きい。
美意識とか、デザインの重要性を知る事ができた。
ファッションはコミュニケーションでもある。そして、生活必需品と考えると生きることそのものだ。

片思いもそれはそれで素敵だったけど、今度は両想いでありますように

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