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お菓子の裏側

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あらゆるジャンルのフランス菓子を食べて、作って、教えて、取材してかれこれ30年。それでも、まだまだ迷路に舞い込んでは、美味しいお菓子とは何ぞや?を追求する日々。しかし、ある日その… もっと読む
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2021年3月の記事一覧

もう一つの復活祭のお菓子

もう一つの復活祭のお菓子

今年の復活祭は、4月4日の日曜日。復活祭のお菓子といえば卵型のチョコが主流ですが、アルザスやロレーヌ地方では、アニョー・パスカルと呼ばれる仔羊型のお菓子を作ります。アルザスではもうひとつ、サフラン入りのセモリナ粉のタルトも。でもこのお菓子は今ではもう見かけることはないですが、アルザスのお菓子の本には載っています。正しくは、Tarte à la semoule au safrin au Kocher

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昨日よりは今日、今日より明日美味しいお菓子を!

昨日よりは今日、今日より明日美味しいお菓子を!

昨日は、いいお話沢山聞けました。日本洋菓子協会連合会主催のzoomデモに出演した3名のシェフ(アステリスク和泉、アンヴデット森、パティスリービガロー石井)たちによる私服オンライントークショーでした。

中でも印象的だったのは、日々のお菓子作りの中でどうやってモチベーションを保っているか、という質問に、
昨日よりは今日、今日より明日より美味しいお菓子を作ることを目指して仕事をしているという答えでした

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パンデピスは毒盛りに格好の食べ物だった!?

パンデピスは毒盛りに格好の食べ物だった!?

カトリーヌ・ド・メディシスは、イタリアからマカロン持ってきてくれたいい人?いやいや、彼女は実は毒盛りで有名な人だったのです~。なんとパン・デピスに毒を隠していたんですよ~。恐!

昨日作ったバナナケーキじゃないですけど、お菓子作りも日々更新。今日の更新は、パン・デピスの思い込み修正であります~。作り方じゃなくて、その素材について。パン・デピスって中世から作られていたので、イメージとしては小麦粉を使

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衝撃的だったあの味を目指して20年後に私がすること

衝撃的だったあの味を目指して20年後に私がすること

それは衝撃的な一口でした。30年前、三ツ星だった(今もだけど)パリのランブロワジー(あのグランメゾン東京第一回の放映でキムタクが修業したいと尋ねたレストラン)で研修していたときのこと、当時はパリのお菓子といったら気合入った何層ものムースが流行っていて、とにかくパーツが多かった。そんな中、このレストランのデセールは、基本的に本当にシンプル。ソースもない。その中のガレット・ブレッサンヌと呼ばれていたお

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