エスポワール🌟プリキュア
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時は少し遡り、プリキュア達がスキホーダイを倒してすぐの頃。レザンと情報を共有している端末から連絡を受けとったポムは、その内容に顔を輝かせた。 「今日もプリキュアは大活躍! ポム! 頑張った皆に、ケーキを買って帰るポム~!」 意気揚々と行きつけの洋菓子屋の扉を開いたポムは、そこで隣にいた青年に話しかけられた。 「失礼。お嬢さん」 「ポムのことポム?」 ふと顔をあげたポムは、そこで初めて青年の顔を見た。背が高い故に多少の威圧感はあるものの、清潔感のある人の良さそうな笑み
不思議な時間だった。そう思いながら、みづきはあすなに向き直る。 「私には、あなたが何をしていたのか分からないわ。でも、その顔を見るに、良い結果になったみたいね」 「みづきちゃん……! 大好き!」 突如強い衝撃と重さを体に感じ、リーラは僅かによろめく。そして、体勢を立て直した後、実に可笑しそうに彼女を受け止めたのだった。 「ちょっと、急に抱きつくのはやめなさいよ。服に皺ができちゃうじゃない。……ふふ、仕方ない子ね」 最後の言葉は、あすなに、と言うよりは、自分自身に向け
空に夜の影が落ちる頃、あすなは一人校舎の中へと駆けていった。彼女の視線の先には、こちらを向いて佇んでいるみづきの姿がある。 「みづきちゃん! 無事で良かった!」 「あなたもね、あすな」 「うん。……さっきは、ありがとう。ごめんね、一人にしちゃって」 少しだけ気まずそうに目を逸らすあすなに、みづきは小さく息を吐いて肩を竦めた。 「気にしてないわよ。だって、私が行きなさいって言ったんだもの」 そう、みづきは、リーラは、あすなを逃がした。そのまま留めておくことが出来たのに
️ ここは三階の空き教室。窓の外から戦いの様子を眺めていたラージュは、つまらなそうに大きなため息をついた。 「やられるとかだっさ。次はmeに譲ってもらうからね、シャグラン」 窓にもたれかかりながらぶつくさと文句を言っていると、廊下の向こうから軽やかな足音が聞こえてきた。音の主は、少しばかり焦った様子で駆けていたが、ラージュの姿を見つけるや否や、ほっと息を吐いた。 「先輩! 無事でしたか!」 「うん、meはヘーキ。急に怪物出てきてチョーびびったけど。youも無傷で良かった
何の音沙汰も無い通信機を見つめ、シャグランは高速で脳を動かしていく。 「リーラがそのようなミスをするとも思えぬ。プリキュアに何かされたのか? それとも……」 だが、彼の思考はそこで意図的に止まった。プリキュア達が揃ったことで、こちらの情勢が危うくなっている。他人の心配をしている暇は無い。 「今考えても無駄か。もう良い。我一人で始末する。スキホーダイ、攻撃を続けろ!」 「そうはさせません! 皆さん、行きましょう!」 「おっけー! 皆の力をひとつに! 」 シャグランの指
「うそ、復活した……!?」 「わざと弱いスキホーダイと戦わせていたのね。まるで実験台にされているみたい」 ヴェールが怯えた瞳で怪物を見つめる隣で、ラメールは悔しげに唇を噛み締めた。 「このスキホーダイ、一体どこまで強くなるんだろう」 果てしない戦いを想像して、自然と足が引けていくフルール。ソレイユは、そんな彼女を鼓舞するように大きく一歩踏み出した。 「考えている暇はありませんわ。どんどん倒しましょう! はぁーっ!」 【ホワッチャア!!アクションー!!!】 攻撃を加え
「そいつが全ての元凶ってわけね」 フルールに同調するように、ラメールもシャグランを見据えてそう口にした。 「はぁ、我が主のことを気安く呼ぶな。愚者達よ」 【ワタシ フッカツ カラノ、スキホーダイ パーンチ!】 シャグランが煩わしそうに指を振ると、伸びていたスキホーダイが瞬時に立ち上がる。反射的に誰よりも早く反応したヴェールは、咄嗟に前へと躍り出た。 「皆、危ない! プリキュア・ヒーリングドーム! 」 「ヴェール、助かったわ。ありがとう」 ヴェールの出した盾の中、一同
あすなとリーラが避難している頃、りんねとまりあは、まつり達と合流しスキホーダイの元へと辿り着いていた。 【スキホーダイ! ゼーンブコワシチャウヨ~!】 「相変わらず品のない話し方をするな。まあ良いだろう。早く片付けてしまえ」 スキホーダイと共にいたのは、ソンブルでもモーヴェでも無い、古い西洋風の服を身にまとった紳士的な青年だった。彼の姿に僅かに驚きつつも、まつり達は素早くパクトを取り出した。 「待ちなさい!」 「そうはさせないわよ!」 「私たちが来たからには、皆を傷
「え……?」 この状況で、どうして笑っていられるのか。動揺するリーラに向かって、あすなは更に目を細めた。 「みづきちゃんにはあすながついてますから! みづきちゃん、一緒に校舎の中に戻ろう!」 「それなら安心ですわね。りんね、行きましょう」 「ええ!」 力強いあすなの声に安心したのか、リーラが再び引き止める間もなく、りんねとまりあはスキホーダイの方へと向かってしまった。 (こいつ、余計なことを……!) リーラは悔しげに拳を握り締める。だが、あすなはそんな彼女に気づく様
【スキホーダイ! 】 「きゃあ! 何あれ!」 大地を揺るがす振動と共に現れたのは、光る目と闇の身体を持った怪物。身構えるまりあ達とは対照的に、みづきは怯えたようにその場に座り込んでしまった。 「あれは、スキホーダイ……! あすな、りんね、気をつけて、カプリシューズがどこかに潜んでいますわ」 「急いで変身しましょう。みづきさん。少しだけここで待っていてくれる? 必ず戻るわ」 みづきをその場に残し、慌てて駆けていこうとする二人。しかし、場の状況が全く理解出来ていないであろ
同時刻、中庭にて。りんね、まりあ、あすな、みづきの四人は、生徒会の雑務を終えて帰路につこうとしているところだった。 「生徒会ってやっぱり大変ね。私にできることがあれば、これからも手伝うから、いつでも頼ってね、まりあちゃん」 「ええ。お世話になりますわ。あなた達も、手伝ってくださってありがとう、あすな、みづきさん」 「お礼には及びません! 一度やって見たかったんですよね~、生徒会の仕事!」 「私も、全然苦じゃなかったわよ」 労うまりあに、得意げに返す二人の後輩を見て、りん
「わ! 先輩、急に引っ張らないでください! ごめんまつり、また後でね! 」 「う、うん。またね」 追加で言葉をかけるまもなく、レザンはほむらによって教室から姿を消した。後に一人残されたまつりは、しんとした部屋の中、氷のように冷たい机に突っ伏した。 「友達……友達、かぁ。友達って言われて、嬉しいはずなのに、何でこんなに胸が苦しいんだろう」 自分の本当の心が、分かるようで分からない。胸のざわめきと薄氷を踏むような感覚に、まつりは思わずぎゅっと目を閉じたのだった。 ────
みづきが転校してきてから数日後。2年A組の教室で、レザンは残念そうにため息をついた。 「へえ、転校生の女の子か。僕も会ってみたかったな。いつも間が悪くて参ったよ」 「この前は先輩に呼び出されてたもんね。えーと、ほむら先輩だっけ?」 まつりは首をかしげ、カールしたポニーテールが印象的な、明るい先輩の名前を思い出す。どうやら当たっていたようで、レザンは小さく頷いた。 「うん。今度、演劇部と吹奏楽部でミュージカルをやるんだけど、その打ち合わせに呼ばれてね。でもあの人、何も無
長く縮れた前髪のせいで、男性の表情はほぼ見えないが、それでも彼が自信に満ち溢れていることは手に取るように分かった。 「従来は、一時的に魔力の籠ったペンダントを身につけさせていましたが、それでは効率が悪い。こちらの新たな器具は、使用者の体内に埋め込むことで、魔力保持者と同等の力を発揮することができます」 鼻高々に発明品の効能を話す男性を見やり、デザストルはよく出来ましたと言わんばかりに深く相槌を打つ。脳裏に、自分を慕ってくれる金髪の女の顔が思い浮かんだ。 「あぁ、実に素晴
とある町の路地裏。前時代に取り残されたかのような古びた道に、その扉はあった。扉の目の前に佇んでいた長身の男は、今にも瓦礫と化してしまいそうなドアノブをゆっくりと右に回していく。 そうして開かれた扉の内部は、驚く程に清潔で、外からは想像もつかないほどに洗練されていた。塵一つ落ちていない新品の床を、男の足が優雅に踏みつけていく。やがて男は、怪しげな薬品が立ち並ぶひとつの部屋へと辿り着いた。 「いらっしゃいませ、デザストル様」 「こちらが研究の成果です、デザストル様」 男─
「その割には毎日休まず出席しているようだが……」 「うるさいなぁ。早く歩けっつーの」 二人の声がどんどん遠くなっていく。仄暗い廊下の先に消えていく足音に耳を済ませながら、リーラはぎゅっと唇をかみ締めた。 「そんなに強い勢いで叩かれては故障してしまうのだよ」 「youが口ごたえしなきゃいいだけじゃね」 言い争ってはいるものの、二人の足並みが狂うことはなく、やがてそのまま音は消えてしまった。 「何よ、仲良さそうに。私への当てつけ?あぁ、イライラするわ。せっかく自由にお外に