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第6話Part16

 何の音沙汰も無い通信機を見つめ、シャグランは高速で脳を動かしていく。

「リーラがそのようなミスをするとも思えぬ。プリキュアに何かされたのか? それとも……」

だが、彼の思考はそこで意図的に止まった。プリキュア達が揃ったことで、こちらの情勢が危うくなっている。他人の心配をしている暇は無い。

「今考えても無駄か。もう良い。我一人で始末する。スキホーダイ、攻撃を続けろ!」
「そうはさせません! 皆さん、行きましょう!」
「おっけー! 皆の力をひとつに! 」

シャグランの指示で、スキホーダイは一際大きな咆哮をあげると、こちらに向かって突進してくる。それを待ち構え、フルールは天高く手を突き上げた。

「世界を包む5つの希望!」
『プリキュア! エスポワールフラッシュ! 』

プリキュア達から飛び出した虹色の光が、スキホーダイめがけて進んでいく。なすがまま光に包まれたスキホーダイは、ガックリと肩を落としてその姿を消してゆく。

【ワタシ、モウ……ウゴケマセヌ……】
「くっ……次こそは仕留めてみせる。プリキュア……!」

呟くと、シャグランは眉を潜め瞬時に宙へ溶けていった。残された少女達は、手早く変身を解くと互いに駆け寄っていく。

「今日も無事、スキホーダイを倒せたね!」
「あすな達、最高のチームですよね!」

合わせた手から響いた音は、晴れた夕空の中に心地よく伝わっていった。