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第6話Part13

 あすなとリーラが避難している頃、りんねとまりあは、まつり達と合流しスキホーダイの元へと辿り着いていた。

【スキホーダイ! ゼーンブコワシチャウヨ~!】
「相変わらず品のない話し方をするな。まあ良いだろう。早く片付けてしまえ」

 スキホーダイと共にいたのは、ソンブルでもモーヴェでも無い、古い西洋風の服を身にまとった紳士的な青年だった。彼の姿に僅かに驚きつつも、まつり達は素早くパクトを取り出した。

「待ちなさい!」
「そうはさせないわよ!」
「私たちが来たからには、皆を傷つけるなんて、絶対に許さない! 」

『プリキュア、エスポワールマジック!希望と平和をこの胸に! 羽ばたけ! エスポワール🌟プリキュア! 』

 お馴染みの掛け声と共に、華やかなコスチュームを身に纏った四人のプリキュアが現れる。

「覚悟しなさい!! プリキュア・フレームアロー! 」
【アチィ!! ワタシ モエテルヨオオ!?!?】

 先手を切ったソレイユの攻撃は、スキホーダイに命中した。ダメージを受け慌てふためくスキホーダイを俯瞰しながら、青年は興味深そうに腕を組む。

「なかなかの威力だな。お前たちがプリキュアとやらか」
「あなたは……」
「初めて見る敵? でも、どこかで会ったことがあるような……」

 フルールは必死で頭の中の記憶を探る。彼の容姿には、どこか見覚えがあった。学校の中で不意にすれ違っているような、そんな不確かな既視感が。だが、それが一体誰なのかは思い出せず、妙なもどかしさだけが残った。
 青年は、そんなフルールを見下ろし、可笑しそうに口の端をあげると、悠々と胸に手を当てて、深々とお辞儀をした。

「そうだよ。我はずっと陰から貴殿らを見ていた。我が名はシャグラン。カプリシューズの創立者、デザストル様から生み出された機械人形(アンドロイド)」
「デザストル……」

 シャグランも、デザストルも、初めて聞く名前だ。カプリシューズの内面に踏み込んでいく感覚を覚え、フルールは畏怖の思いでその名を口にした。