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【コラム】あたまがよくステキなひとたちに『おかしなこと』が起こっている #027


■魅力的な人の裏面


このところ・・・このところというのは2、3ヶ月のことだけど頭が良い・・・というより飛び抜けて実務処理能力が高く、優秀な人何人かと話す機会が何度もあった。優秀というといかにもエリートイメージがあるかもしれないけどそうではなく、なんというか、人間性が非常に良い人たちで、一面から見ると「素直」とも言えるし、別の面から見ると「人間的魅力がしっかりと溢れている」ともいえる。
漏れているのではなく、しっかり滲み出ている。隠しきれない。当然心の底の方に黒い影が見当たることはない。

話を聞いていると「いい人生ですねぇ」「特に何も言うことありません」となる。最初の最初は特にそうなる。明らかな不整合はもちろん、本人が気がついていない構造の不具合もない。何重にもチェックするが問題がない。
だけど、なんだけども、
本人の中には「この良い」が「良くないのではないか?」という一抹の疑問がある。こういう場合、大抵その疑問の方が正しい

そもそも能力値が高くて、かつ素直だと、そのまま目の前のことに真摯に取り組む。そして重宝されるほどに優秀だったり、人間味があるので関係もスムーズに運ぶ。嫌な人などあまり目にしたことがなく、人間関係に困ったことも、お金に困ったこともない。
小さなやりがいは無数にあるし、大きなやりがいもたまにある。達成した時は普通に嬉しい。
その「善き物事」の根本は、能力値が高く素直なので(×)人から求められるところにある。

そして何をやろうがどのような物事であろうが上手くいく

つまりこれが、【もともと持っている自分の求めや望みを月日をかけて熟成させいよいよ表に出していく】という機会を奪ってしまう。
ウイスキーを作るはずだったのが、ビール作りがうまいので次々と素晴らしいビールを作っている間(短期)に、いつまでもウイスキーを寝かせる作業に取り掛かることができなかったのだ。

これは良いものが良いものを奪うお手本のようなケースだ。
素晴らしい自分や活躍する自分、頭のいい自分、ステキかつ素直な自分が総じて本来自分が求める自分の機会を奪ってしまう

これはアウトサイドインとインサイドアウトにも関係しているので、こちらも併せてどうぞ。


■良いもので自分を閉塞させるメカニズム


ハナシ逸れるけど、俺は「脅し」が横行している世の中のスタンダードに激しい不満がある。このことはまた別に記事を書くかもしれないけど、つまり、問題とかマイナスに注目する視点や習慣が世の中の99%を占めていて【そのために】チャンスやプラスが良いことだと勘違いされていることに問題の多くがあることに誰も気がついていない。
良いことこそ問題の宝庫だと言っていい。

の理屈を書くとそれだけでコラム5本は書けるのでこれもまた。

言いたいことは、我々が良いと思っていることのほとんどはさほど良くはなく、しかもほとんどの場合で求めてすらいないということだ。
「いやいや求めてますけど」
「明らかに自分の内側から出た求めです」
😎いや違うよ。というか全然違うし、アタマやられてるよ。

なんだけど、事実としては大否定するが、それが間違いだとは言い切れないところに問題の本質がある。
善き人が陥る典型的なパターン→なんなら自然の法則と言ってもいいんじゃないかと思う。低質の人が陥るパターンはみなさんも結構知っていると思う。判を押したように似通っている。とは別の似通ったパターンがある。
それが良いもので自分を閉塞させるメカニズムだ。


■セルフ・インテリジェンス


こういうケースを目の前にすると、俺は「このままで良い」と「変化する」の二択を出す。低質のマイナスパターンとは違って本当にこのままで良いという選択もあると思うからだ。
ただその場合は「何か違う」というモヤモヤを抱えていくことになる。ただ、何を選んでもどう生きてもモヤモヤというのはある。どのモヤモヤを抱えるのか?ということだ。なので死ぬまで疑問を感じながらやってください、となる。
変化するとなると、これまでの自分と決別し南極に置き去りにされるという恐怖心が出たりする。案外そこまでではないのだけども、初めて自分の太い軸をベースに切り替える時は全員そうなる。それでもやるなら覚悟を決めないといけない。
つまりどっちを選んでも何か「納得のいかないこと」は残る。

こういうのは構造心理学では「ゆらぎ」と言っていて、正しい対処や向き合い方もある。方法は書ききれないので、前提というか考え方は「バージョン2の自分を作る」そして今後「バージョン3」も「バージョン4」も作っていく。
自分を変える。これまでを否定して決別する・・・・のではなく、新しいバージョンを作る。新しく作っても古いバージョンも使える。使えるバージョンはあればあるほど、自分を自由に振る舞わせ、バリエーションのある活躍や落ち着きを可能にする。
一生の間に二生、三生、四生を入れていくという考え方もいいかもしれない。濃厚豚骨スープだな。

強みを売り出した10年以上以前から、人は自分を低く見積もることがわかっている。なぜそうするかの理由はこれも書ききれないほどあるが、とにかく「異常に」低く見積もる。
何も考えなければ、または、人と上手に接していることが、この事実に目を向けさせない。多くの人はそのまま死んでいくし、そういうものだと思っている。
だけど、運悪く?自分の可能性って「あれ?低すぎる見積もりしてない?」とか気づいてしまう人は、「で、どうする?」の選択を迫られる。実際最近話している優秀な人は、優秀だからこそ気がつき、無視できない立場に自分で立つ。

結果どっちを選んでも良いことに変わりないが、変化を選ぶとまずやることはほとんどの人で決まっている。
優秀であるにも関わらず、彼らは自分自身のことを正しく理解していない。人格の素晴らしさが5%ぐらいで発揮されていたりする。自分の在り方や振る舞いがどのような効果を発揮するかも良くわかっていない。
セルフ・インテリジェンスに疎く、だからこそ磨く必要がある。

強み発掘のような地味で簡単なものから、ひとつひとつ自分の性質、判断の基準、物事の選別基準、影響力のフィードバック、現実化できるものできないもの、人格の方向性の得意不得意、それぞれのキャパのどこに位置しているか、隠された能力、知覚の指向性という難しいものまで明らかにする。
で、使いこなす。

2年ほど毎月3回話している(最初は毎日話していた)人がいて、その方はセルフ・インテリジェンスをずっと磨いてきた。10年も前と比較すると全くの別人と言ってもいいほど変化したんじゃないかと思う。俺が知っている4年ぐらいの間でも、確固とした本質は何も変わっていないが、その理解とか扱いとか、次の自分をどうするかということがすごく変わったと思っている。
ただ単に個性を活かすとか、個性的なオリジナルを上手く使う程度の話ではない。そういうものを含む自分自身の総合体系を全部使うことができるといなことだ。パンチを拳だけで繰り出すのではなく、両足の地面の支えから全身の筋肉の回転運動とひねり、それらの連動から繰り出されるスーパーノヴァ・・・




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