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■大河ドラマ『光る君へ』第31話を深掘りしたい人のための参考本

えりたです。
今日は大河ドラマ『光る君へ』第31話「月の下で」をより深く楽しめる本のご紹介です。

第31話では、まひろっちがとうとう『源氏物語』の執筆に取り掛かりました。また、公任さまがいろいろ拗らせて引き籠もってしまったり、一条天皇が活字大好きを爆発させたりと、現代にも見られるような人々の生き様がエモく深く描かれています。

そんな第31話の感想はコチラです。

ではでは、本のご紹介へ行ってみましょう♪


■想像の果てにあるものを

上にも書きましたが、第31話の最大の見どころといえば、やはり『源氏物語』がまひろのもとに降ってきたあの場面でしょう。というわけで、この機会に『源氏物語』に触れて見るのも趣深いのではないでしょうか。

■あなたの「光る君」はだれですか―紫式部『源氏物語』

■紫式部 著/角川書店編
■角川ソフィア文庫
■平成13年11月初版
■960円+tax

『源氏物語』は全部で54帖ありますから、長いです。実は、私自身、通しで全部読んだのは大学院時代だったりします(大学の卒論は全部読まずに書いたのです💦)。

このビギナーズ・クラシックス版では、各巻の名場面をピックアップしていますから、『源氏物語』に最初に触れるのにとても取っつきやすいです。また、現代語訳から入りますから、場面の様子がすんなりと胸に入るのもよいと思います。

そうはいうものの、やはり「古文」ということで敬遠される方もいらっしゃるでしょう。

そんなときには、こちらがおススメです。「100分de名著」シリーズにある『源氏物語』です。


■言葉一つで無限に広がる読書体験を―『100分de名著 紫式部 源氏物語』

■三田村雅子 著
■NHK出版
■2015年12月刊行
■1000円+tax

※本書は「NHK100分de名著」において、2014年4月と7月に放送された「紫式部 源氏物語」のテキストを底本として一部加筆・修正し、新たにブックス特別章「歌で読み解く源氏物語」、読書案内などを収録したものです。

こちらは、三田村雅子先生による『源氏物語』の入門書です。何が描かれているのか、どのように成立したものなのかなどを深くわかりやすく解説されています。

まずはこちらを読んでみてから、ビギナーズ・クラシックス版に行くのも良いと思います。


■歴史に名を残すということ

大河ドラマ『光る君へ』で、1000年の昔からそっとタイムスリップしてきたような佇まいをお見せになる、藤原公任さま。彼は時代の波に翻弄されながら、それでも自らの生きる道を独自のセンスで切り開いていきました。

そんな公任さまについて、深く知るならこちらがおすすめです。

■歴史は勝者が描く―『藤原公任 天下無双の歌人』

■小町谷照彦 著
■角川ソフィア文庫
■1240円+tax
■2023年10月

※本書は、1985年6月に集英社から刊行された『王朝の歌人(7)藤原公任』を改題し、文庫化したものです。

本書は、天下無双の歌人と呼ばれた藤原公任さまの生涯や事蹟を、その和歌と共に丁寧に解説しています。あの憂いのなかに何が込められているのか、ここからどのような道が待っているのか。どちらかというと、かなしみの色が濃いようにも思いますが……

公任さまは、その遺されたものに比して、現代の私たちにとってはなかなか馴染みのない方でもあります。でも、せっかく「ドラマ」という形で出会えましたから、どんな風に生きられたのか、私たちにどうつながるのかを知るのも良いのではないでしょうか。


■天皇という存在の大きさ

私の書く大河ドラマの感想記事の特徴の一つに、「ものっそい勢いで「皇統」について語っている」ことが挙げられましょう。

私自身、『大鏡』という歴史物語を研究していました。その時、皇統の系図が大好き過ぎて、古記録などもひっくり返して楽しんでいたのです。その影響が今にも続き、嬉々として語っているのだと自分では思っています。

さて、そんな「天皇」のこと。平安時代は、思いの外たくさんの天皇の名前が出てくる時代ではあります。が、その事蹟は教科書の1~2行で説明されてしまうことも多いのです。

ですが、せっかくドラマで現代とは異なる「天皇」という存在を感じられる状況がありますから、この機会にさまざまな「天皇」の生涯に触れるのも楽しいのではないでしょうか。

そこでオススメなのがコチラの本です。


■400年の歴史を支え続けた32人の天皇たち―『平安時代天皇列伝 桓武天皇から安徳天皇まで』

■樋口健太郎、栗山圭子編
■戎光祥出版
■2800円+tax
■2023年11月

こちらの本は、平安京遷都を行なった桓武天皇から、壇ノ浦へ身を沈めた安徳天皇まで、平安時代に即位した32名の天皇の姿を語ります。

もちろん、紙幅に限りがありますから、全部を解説できるわけではありません。ですが、私たちが教科書でさらりと流した「名前」のなかにみっちりとした時間が詰まっていることがぐいぐいと感じられます。


先日、一条天皇役の塩野瑛久さんがクランクアップを迎えられたそうですから、撮影は居貞親王―三条天皇の御代に移っていることでしょう。おそらく、ドラマでは後一条天皇か後朱雀天皇あたりまでを描くと思います。

その場面が来る前に、ほんのりそのあたりの空気を知っておくのも楽しいと思います。


■まとめ

今回は4冊の本をご紹介いたしました。

予告編を見ると、第32話では彰子さまとまひろっち(藤式部)の邂逅もあるようです。いろいろ楽しみが尽きないですよね。

まだまだ暑さは全力で私たちを蒸しに来ていますが、暦の上ではすでに立秋を過ぎました。耳を澄ませると、秋の虫が鳴いているのも聞こえます。

暑さに慣れないままではいますが、きちんと季節は移ろっているようです。そんな中、秋に向かって本を読むのもよいのではないでしょうか。そのときのご参考に、この記事がお役に立てば幸いです。


■おすすめマガジン

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