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■大河ドラマ『光る君へ』第6話を深掘りしたい人のための参考本

えりたです。
大河ドラマ『光る君へ』第6話も波瀾万丈でしたね!

ききょう(のちの清少納言)さんめっちゃ私たちのききょうさんなご様子で登場されるし、公任さまは脱いだらすごいし、花山天皇はまっぱで駆け抜けていくし(をい)。

@大河ドラマ館にて撮影

そんなこんなで、主人公2人にまったく興味を示さない第6話の感想はコチラです。主に、道隆さまと公任さまに萌え散らかしています。

また、ききょうさん演じるファーストサマーウイカさんご登壇の、スペシャルトークショーの様子はこちらの記事にまとめました。

さて、そんなききょう=清少納言さまが書かれたのは、ご存知『枕草子』です。平安時代の女流文学の代表のひとつですし、日本の三大随筆の一つ目に数えられるすばらしい作品です。

もちろん、第6話の段階ではまだ彼女は清原元輔の娘「ききょう」ですし、定子さまは入内されていません。そもそも、定子さまの入内先である一条天皇(現東宮 懐仁親王)はおそらくまだ6歳くらいですしね…

ですが、第6話の最後では花山天皇最愛の寵姫である忯子さまが亡くなりました。これは、寛和の変―花山天皇の出家へのカウントダウンが始まったことを意味します。

とすれば、ききょうさんが私たちの清少納言さまになるのも時間の問題ですし、そうなれば『枕草子』まであと一歩です。うかうかしていると、あっという間に三郎が「望月の~」と詠ってしまいます。

そこで!おすすめなのが角川ソフィア文庫ビギナーズ・クラシックスシリーズの『枕草子』なのです。

■角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
■平成13年7月刊
■680円+tax

こちらの本は『枕草子』のすべてではないのですが、なかでも絶対に押さえておきたいトピックや、逸話が余さず入っています。

また、現代語訳や注釈、図版も充実しているので、古文は苦手…と思う方でも手軽に読んでいただけるのです。しかも、680円(税別)! あの『枕草子』がそんな手ごろなお値段で手に入る世の中って…超すてきって思うのです。

『枕草子』について、また、このビギナーズ・クラシックスシリーズについてはこちらの記事に詳しく書きました。

それでも古文はちょっと…という方は、こちらの本から入ってみるのも良いかもしれません。

■『枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い』
■山本淳子 著
■朝日選書957/朝日新聞出版
■2017年4月
■1500円+tax

『枕草子』に込められた底意を、古記録を踏台に丁寧に読み解いていった本書。 清少納言さまの、定子さまへの深くアツい想いがひしひしと伝わります。

推しは尊く、言祝ぐ幸せまでもくださる。心折れようとも、推しが「其処」で笑っていてくれるなら、それが最上の幸せなのだと…そんなことを言葉にできないところで心に叩きこんでくる良書です。

『枕草子』を読んだあとでも読む前でもどちらでもいいと思います。清少納言好きの方に絶対に読んでほしい。きっともっと彼女のことが大好きになりますし、ウイカ少納言さまの定子さまへの想いにさらに強く深く共感できるようになると思うのです。

「定子さま、ほんとすばらしい。最高なんだもん、定子さまが」

ファーストサマーウイカさんがスペシャルトークショーでおっしゃった言葉です。そんなウイカ少納言さまの想いも、1000年前を生きた清少納言さまの想いもこの本にはずずいっと込められています。

・ ・ ・

さて、今回ご紹介するもう一冊は『白楽天』です。

第6話では、F4が漢詩の会で詩を詠みました。それぞれの詩に白楽天の影響があって、この時代の人々の心根を知るにはやはり白楽天の詩は避けられないと強く思い知ったのです。

■角川ソフィア文庫/ビギナーズ・クラシックス 中国の古典
■下定雅弘 編
■2010年12月
■800円+tax

現在残っている白楽天の言葉って、全部漢詩ですから、古文よりも馴染みが薄いように感じるかも知れません。ですが、本書は「そんな人にこそ読んでほしい」という思いにあふれた作りになっています。

選りすぐりの53首の漢詩ひとつずつを丁寧に解説し、噛みくだいて現代語訳してありますから、どのページを読んでも、とても親しみやすく感じられますし、詠まれている内容に思わずほっこりできることでしょう。

また、これを読むことで、私たちの公任さまはじめ、平安時代を生きた人たちの考え方、感じ方の根底にあるものの一端に触れることができるようにも思うのです。

この本についてはこちらの記事に詳しく書きました。

・ ・ ・

気が付けば、あっという間に明日は第7話の放送です。私はもともとテレビドラマを見ることが、あまり得意ではありません。ですが、この『光る君へ』は毎週かなり楽しみにして、見続けられています。

しかも、歴史の物語ですから、この先何が起こるのか、ほんのり知っているはずなのに、超どきどきするし、泣いたり笑ったりできる。それって、とてもすさまじく奇跡的なことだと思いますし、そんな物語に出会えたことを本当に幸せだと感じるのです。

今回ご紹介したのも、そんな楽しさや幸せをさらに広げてくれる本たちです。本屋さんでお見掛けになりましたら、ぜひお手に取ってみてくださいね。

んじゃ、また。


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