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記事一覧

カイザーソウルのリハビリプロトコル

普段もそうですが、いつも馬毎にプロトコル短期的から中期的なリハビリプロトコル。 長期的にも、リハビリプロトコルを作成し、実行していきます。 今回のカイザーソウルは…

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血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走能力の相関関係①

血液検査で測る、競走能力について。 競走能力をクラス別に分け、ハイクラスのグループとロークラスのグループで比較した結果、 ハイクラスの馬の血液検査では、 赤血球数…

血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走成績の相関関係①

ソウルにて行われた研究にて、検査されたのは21頭のサラブレッド種競走馬。 バックグラウンドとして、共通化するため、1人のトレーナーの元、維持・訓練された。 結果とし…

サラブレッド馬の競走成績と競走前の血液検査との相関関係②

つづきです。 血清生化学検査の項目である。 ・アスパラギン酸アミノ転移酵素=AST ・クレアチニンキナーゼ=CK ・乳酸デヒドロゲナーゼ=LDH これは筋肉損傷の際に上昇す…

サラブレッド馬の競走成績と競走前の血液検査との相関関係①

はじめに、 2018年にソウル大学でとても面白い研究論文が発表されています。そうした情報を共有します。 トレーニングの疲労度の指標ともなるし、能力の一部も測れると考え…

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肩甲骨と上腕骨と肘関節の位置、角度について

写真引用: https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ウマ 肩甲骨と上腕骨、そして肘に繋がる位置関係は着目している。 肩甲骨の角度が適切な45度そして、短かくない上腕骨の構成は…

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馬の評価についてコンフォーメーション

✔︎馬の重心がどこにあるのかを意識する。 キ甲の付け根から線を垂直に下ろし、それが馬体の真ん中からどのように位置するのか。 後方が好ましい。 ✔︎管骨の長さは、長…

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尾の力強さについて

尾の力強さについて、その周りの太さはあるに越したことはない。 尾は尾椎であり、そこから仙骨へと繋がっている。 仙骨は仙腸関節となり腸骨と繋がっている。 後駆の筋肉…

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脚元の外向、内向について

体重の軽い馬では、外向の馬は特に気にならない。 時間経過と共に、真っ直ぐに(内向傾向に). 競走馬はなりやすい→内蹄床を潰しやすい。 小さい頃は多少外向ぐらいで、構わ…

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馬の重心について。

馬の重心は肘より、やや遅側にある。 後駆重心の馬を選ぶのであれば、元々重心が後ろに位置する馬を選ぶべきだと考える。 見方はキ甲をみると、分かりやすい。 キ甲の位置…

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馬を評価する際に見るポイント

✔︎飛節はしっかりとした形状が好ましい。 飛節は骨格上、踵に位置する。 力をブレずに伝えるには、ある一定の大きさがある方が好ましい。 このブレは、俗に言う「緩い」…

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noteについて、どんな利用をしていこうかと。
何より皆様にとって得になることを、率直に書いていければと考えています。

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カイザーソウルのリハビリプロトコル

カイザーソウルのリハビリプロトコル

普段もそうですが、いつも馬毎にプロトコル短期的から中期的なリハビリプロトコル。
長期的にも、リハビリプロトコルを作成し、実行していきます。
今回のカイザーソウルは、左前肢球節に骨の変形を伴う球節炎=関節炎を認め、治療していることから、以下のプロトコルを作成し、牧場にて実行します。

カイザーソウル
リハビリプロトコル
1週目〜WM運動15-30分
2週目〜WM運動60分
3週目〜週2〜3回のトレッ

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血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走能力の相関関係①

血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走能力の相関関係①

血液検査で測る、競走能力について。
競走能力をクラス別に分け、ハイクラスのグループとロークラスのグループで比較した結果、
ハイクラスの馬の血液検査では、

赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値が著しく低い事が分かった。
またこれは、ヒトにおいても同様の結果であった。

馬の場合は、赤血球を脾臓に50%蓄える性質があるため、ヒトと同様にはできない。

しかしながら、
赤血球数、ヘモグロビン、ヘマ

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血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走成績の相関関係①

血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走成績の相関関係①

ソウルにて行われた研究にて、検査されたのは21頭のサラブレッド種競走馬。
バックグラウンドとして、共通化するため、1人のトレーナーの元、維持・訓練された。

結果として、先ず、トレーニングされた馬は平均的な馬よ
も、高いヘモグロビン濃度, 赤血球数, ヘマトクリット, ALP, AST, GGT活性を認めた。

血液学的検査と競走成績の相関関係を分析した結果、
赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリ

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サラブレッド馬の競走成績と競走前の血液検査との相関関係②

サラブレッド馬の競走成績と競走前の血液検査との相関関係②

つづきです。
血清生化学検査の項目である。
・アスパラギン酸アミノ転移酵素=AST
・クレアチニンキナーゼ=CK
・乳酸デヒドロゲナーゼ=LDH
これは筋肉損傷の際に上昇する一般的な酵素である。
また、この酵素群はギャロップ=襲歩の際に増加する事が分かった。

また、筋肉損傷時にはCKおよび、AST筋肉由来の活動が増加すると分かっている。
CKの半減期=消失する時期は非常に短いため、運動後、6時間

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サラブレッド馬の競走成績と競走前の血液検査との相関関係①

はじめに、
2018年にソウル大学でとても面白い研究論文が発表されています。そうした情報を共有します。
トレーニングの疲労度の指標ともなるし、能力の一部も測れると考えています。
私自身トレーニングを行なっていく中で、自馬の血液検査を定期的に行っており、疲労度をモニタリングしています。
客観的にモニタリングを行うことで、オーバーワークを避ける事ができ、またトレーニングにおける「超回復効果」も期待でき

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肩甲骨と上腕骨と肘関節の位置、角度について

肩甲骨と上腕骨と肘関節の位置、角度について

写真引用: https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ウマ
肩甲骨と上腕骨、そして肘に繋がる位置関係は着目している。
肩甲骨の角度が適切な45度そして、短かくない上腕骨の構成は肝要。
特に上腕骨から肘関節へと繋がるラインには上腕三頭筋があり、肘関節の伸展を担っている。

そして、肘関節は競走馬。
かなり酷使している箇所であり、重要な関節と認識され始めている。

肘関節は、の構

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馬の評価についてコンフォーメーション

馬の評価についてコンフォーメーション

✔︎馬の重心がどこにあるのかを意識する。
キ甲の付け根から線を垂直に下ろし、それが馬体の真ん中からどのように位置するのか。
後方が好ましい。

✔︎管骨の長さは、長すぎない方が好ましい。

✔︎腹部直下の筋肉=腹直筋はしっかりとしている方が好ましい

✔︎繋が長い馬は、スピードが出にくい。事実故障するリスクが高い。また繋の角度馬45度が好ましい。

✔︎湾膝の馬は故障するリスクが高い。また凸になっ

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尾の力強さについて

尾の力強さについて

尾の力強さについて、その周りの太さはあるに越したことはない。
尾は尾椎であり、そこから仙骨へと繋がっている。
仙骨は仙腸関節となり腸骨と繋がっている。

後駆の筋肉=トモの強さを具体することに、尾の力強さ。
尾の根元の太さは、力強いほうが好ましい。

スプリンターであれば、速筋群が多く構成されているため見た目の筋肉量は多い。
従って尾の周囲を構成する肉量も多いはずである。

脚元の外向、内向について

脚元の外向、内向について

体重の軽い馬では、外向の馬は特に気にならない。
時間経過と共に、真っ直ぐに(内向傾向に).
競走馬はなりやすい→内蹄床を潰しやすい。
小さい頃は多少外向ぐらいで、構わない。
ソエや骨瘤は、その影響によってなりやすいのだが、本来トレーナーや我々はそうした馬のコンフォーメーション上の適性から、適した育成プログラムを提供する必要があると考える。

ただ、凹膝は警戒したい。
どうしても、腕節からそれ以下に

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馬の重心について。

馬の重心について。

馬の重心は肘より、やや遅側にある。
後駆重心の馬を選ぶのであれば、元々重心が後ろに位置する馬を選ぶべきだと考える。
見方はキ甲をみると、分かりやすい。
キ甲の位置に線を引いて、頭とその線が近ければ前輪駆動。
頭とキ甲の線の距離が遠ければ、後輪駆動。

個人的には、後輪駆動の子を選びたいものです。
首が長くなると、物理的には全体のバランスは後ろに来るのだが、頭頸部を起こさないと。

そこには、前肢の

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馬を評価する際に見るポイント

馬を評価する際に見るポイント

✔︎飛節はしっかりとした形状が好ましい。
飛節は骨格上、踵に位置する。
力をブレずに伝えるには、ある一定の大きさがある方が好ましい。

このブレは、俗に言う「緩い」という、言葉の表現にもつながる。

個人的には、ここのブレは嫌うが成長と共に固まる傾向にもある。
その際には、前もって筋肉の質を見ておく。

noteについて、どんな利用をしていこうかと。
何より皆様にとって得になることを、率直に書いていければと考えています。