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血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走成績の相関関係①

ソウルにて行われた研究にて、検査されたのは21頭のサラブレッド種競走馬。
バックグラウンドとして、共通化するため、1人のトレーナーの元、維持・訓練された。

結果として、先ず、トレーニングされた馬は平均的な馬よ
も、高いヘモグロビン濃度, 赤血球数, ヘマトクリット,  ALP, AST, GGT活性を認めた。

血液学的検査と競走成績の相関関係を分析した結果、
赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットの間に競走の優劣は認めなかった。
ただし、上位のグループ、つまりクラスが高いグループと下位のグループでヘモグロビン、ヘマトクリット値に統計学的に有意な差が見られ、低値な方が上位グループに属していた。

血液生化学検査において、ASTだけが競走当たりの賞金と正の相関関係を持っていた。
良い競走成績や上位のグループに属する馬はAST活性が高った。

競走馬のヘモグロビン濃度は、訓練強度に比例して増加することが明らかになっている。
また、馬の運動中にはカテコールアミンの影響により、ヘマトクリットを上昇させる。
馬の赤血球の50%は、脾臓に蓄積されており、赤血球数はコンディションにより、大きく変化する。

ヘモグロビン濃度は、身体能力の向上指標として確認することもできるが、訓練後の脾臓の収縮と脱水の程度によって影響を受けるため、これらの値の解釈には注意が必要である。

また、赤血球数も採血中興奮などで、脾臓の収縮から増加する可能性もあるため、注意が必要である。

生化学検査項目である、ASTやCKはトレーニング後に筋肉が損傷することにより上昇する筋肉由来酵素である。
レース前の生化学検査では、平均よりもAST活性が高い。
以前の研究によると、ASTは1500mの競走訓練後に35%上昇し、激しいギャロップの後50%上昇するとされる。

また、過度にトレーニングされた競走馬は、AST活性を大きく増加させたと報告した。

ALPとGGTは肝臓と胆管の酵素である。
ALPの増加は肝臓の損傷を示し、GGTはトレーニング後、競走馬は増加する事が分かった。

また、他の研究によると過度にトレーニングされた競走馬は、GGT活性が高いことがわかった。

競走馬の身体能力とGGTの増加は、関連性があると報告されており、GGTが高い場合はパフォーマンスの低い競走馬である事が分かった。
具体的に2100IU/LのGGT活性をもつ競走馬のうち、いくつかは競走能力が大きく低下した。

トレーニングを課している競走馬は、基本的にALPとGGTの活性は高いということは事実であるが、極端に高い馬は認められなかった。
したがって、ALPとGGT活性の差は競走パフォーマンスに有意な差は認めなかった。

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