Equine Vet Owners

元大手牧場の獣医師が運営する新しい馬主クラブ。 怪我を持っている競走馬を、もう一度競馬…

Equine Vet Owners

元大手牧場の獣医師が運営する新しい馬主クラブ。 怪我を持っている競走馬を、もう一度競馬に使えるように再生します。共有オーナーを募集。 ▶地方競馬オーナーズ ▶競走馬再生 https://www.equinevet.info/

マガジン

  • 馬一般

  • 馬の論文

    馬の論文について、解説しています。

  • 馬のコンフォーメーション

    馬のコンフォーメーションを考慮し、物理的にリスクの低い馬の見方を、学んでいきましょう。

最近の記事

カイザーソウルのリハビリプロトコル

普段もそうですが、いつも馬毎にプロトコル短期的から中期的なリハビリプロトコル。 長期的にも、リハビリプロトコルを作成し、実行していきます。 今回のカイザーソウルは、左前肢球節に骨の変形を伴う球節炎=関節炎を認め、治療していることから、以下のプロトコルを作成し、牧場にて実行します。 カイザーソウル リハビリプロトコル 1週目〜WM運動15-30分 2週目〜WM運動60分 3週目〜週2〜3回のトレッドミル運動開始、ダグまで。 4週目〜トレッドミル運動にて、1F24-20まで。週

    • 血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走能力の相関関係①

      血液検査で測る、競走能力について。 競走能力をクラス別に分け、ハイクラスのグループとロークラスのグループで比較した結果、 ハイクラスの馬の血液検査では、 赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値が著しく低い事が分かった。 またこれは、ヒトにおいても同様の結果であった。 馬の場合は、赤血球を脾臓に50%蓄える性質があるため、ヒトと同様にはできない。 しかしながら、 赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットが高く、 ALP、AST、GGTが高い場合には疲労が蓄積されていたと考

      • 血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走成績の相関関係①

        ソウルにて行われた研究にて、検査されたのは21頭のサラブレッド種競走馬。 バックグラウンドとして、共通化するため、1人のトレーナーの元、維持・訓練された。 結果として、先ず、トレーニングされた馬は平均的な馬よ も、高いヘモグロビン濃度, 赤血球数, ヘマトクリット, ALP, AST, GGT活性を認めた。 血液学的検査と競走成績の相関関係を分析した結果、 赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットの間に競走の優劣は認めなかった。 ただし、上位のグループ、つまりクラスが高い

        • サラブレッド馬の競走成績と競走前の血液検査との相関関係②

          つづきです。 血清生化学検査の項目である。 ・アスパラギン酸アミノ転移酵素=AST ・クレアチニンキナーゼ=CK ・乳酸デヒドロゲナーゼ=LDH これは筋肉損傷の際に上昇する一般的な酵素である。 また、この酵素群はギャロップ=襲歩の際に増加する事が分かった。 また、筋肉損傷時にはCKおよび、AST筋肉由来の活動が増加すると分かっている。 CKの半減期=消失する時期は非常に短いため、運動後、6時間以内に採血、血液検査を行う必要がある。 一方でASTの活動は運動後、数日上昇し

        カイザーソウルのリハビリプロトコル

        • 血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走能力の相関関係①

        • 血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走成績の相関関係①

        • サラブレッド馬の競走成績と競走前の血液検査との相関関係②

        マガジン

        • 馬一般
          1本
        • 馬の論文
          3本
        • 馬のコンフォーメーション
          3本

        記事

          サラブレッド馬の競走成績と競走前の血液検査との相関関係①

          はじめに、 2018年にソウル大学でとても面白い研究論文が発表されています。そうした情報を共有します。 トレーニングの疲労度の指標ともなるし、能力の一部も測れると考えています。 私自身トレーニングを行なっていく中で、自馬の血液検査を定期的に行っており、疲労度をモニタリングしています。 客観的にモニタリングを行うことで、オーバーワークを避ける事ができ、またトレーニングにおける「超回復効果」も期待できると考えています。 まず、この情報における他の論文の紹介を。 1. まずオース

          サラブレッド馬の競走成績と競走前の血液検査との相関関係①

          肩甲骨と上腕骨と肘関節の位置、角度について

          写真引用: https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ウマ 肩甲骨と上腕骨、そして肘に繋がる位置関係は着目している。 肩甲骨の角度が適切な45度そして、短かくない上腕骨の構成は肝要。 特に上腕骨から肘関節へと繋がるラインには上腕三頭筋があり、肘関節の伸展を担っている。 そして、肘関節は競走馬。 かなり酷使している箇所であり、重要な関節と認識され始めている。 肘関節は、の構成は膝関節と非常に類似しており、主な動きは屈曲と伸展となる。 適切な肩甲骨の角

          肩甲骨と上腕骨と肘関節の位置、角度について

          馬の評価についてコンフォーメーション

          ✔︎馬の重心がどこにあるのかを意識する。 キ甲の付け根から線を垂直に下ろし、それが馬体の真ん中からどのように位置するのか。 後方が好ましい。 ✔︎管骨の長さは、長すぎない方が好ましい。 ✔︎腹部直下の筋肉=腹直筋はしっかりとしている方が好ましい ✔︎繋が長い馬は、スピードが出にくい。事実故障するリスクが高い。また繋の角度馬45度が好ましい。 ✔︎湾膝の馬は故障するリスクが高い。また凸になっている膝もその下部に負荷が掛かりやすい。 ✔︎クラブフットは深指屈腱の拘縮より

          馬の評価についてコンフォーメーション

          尾の力強さについて

          尾の力強さについて、その周りの太さはあるに越したことはない。 尾は尾椎であり、そこから仙骨へと繋がっている。 仙骨は仙腸関節となり腸骨と繋がっている。 後駆の筋肉=トモの強さを具体することに、尾の力強さ。 尾の根元の太さは、力強いほうが好ましい。 スプリンターであれば、速筋群が多く構成されているため見た目の筋肉量は多い。 従って尾の周囲を構成する肉量も多いはずである。

          尾の力強さについて

          脚元の外向、内向について

          体重の軽い馬では、外向の馬は特に気にならない。 時間経過と共に、真っ直ぐに(内向傾向に). 競走馬はなりやすい→内蹄床を潰しやすい。 小さい頃は多少外向ぐらいで、構わない。 ソエや骨瘤は、その影響によってなりやすいのだが、本来トレーナーや我々はそうした馬のコンフォーメーション上の適性から、適した育成プログラムを提供する必要があると考える。 ただ、凹膝は警戒したい。 どうしても、腕節からそれ以下に負担が掛かりやすい。 大きい馬であれば、尚更である。

          脚元の外向、内向について

          馬の重心について。

          馬の重心は肘より、やや遅側にある。 後駆重心の馬を選ぶのであれば、元々重心が後ろに位置する馬を選ぶべきだと考える。 見方はキ甲をみると、分かりやすい。 キ甲の位置に線を引いて、頭とその線が近ければ前輪駆動。 頭とキ甲の線の距離が遠ければ、後輪駆動。 個人的には、後輪駆動の子を選びたいものです。 首が長くなると、物理的には全体のバランスは後ろに来るのだが、頭頸部を起こさないと。 そこには、前肢の長さも関わってくるかと。 何より、個人的に重心が全体の後ろにあり、後輪駆動できる

          馬の重心について。

          馬を評価する際に見るポイント

          ✔︎飛節はしっかりとした形状が好ましい。 飛節は骨格上、踵に位置する。 力をブレずに伝えるには、ある一定の大きさがある方が好ましい。 このブレは、俗に言う「緩い」という、言葉の表現にもつながる。 個人的には、ここのブレは嫌うが成長と共に固まる傾向にもある。 その際には、前もって筋肉の質を見ておく。

          馬を評価する際に見るポイント

          noteについて、どんな利用をしていこうかと。 何より皆様にとって得になることを、率直に書いていければと考えています。

          noteについて、どんな利用をしていこうかと。 何より皆様にとって得になることを、率直に書いていければと考えています。