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馬の論文

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血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走能力の相関関係①

血液学的検査のRBC. Ht(PCV), Hb(ヘモグロビン)と生化学検査のALP, AST, GGT, CK, LDHのパラメーターと競走能力の相関関係①

血液検査で測る、競走能力について。
競走能力をクラス別に分け、ハイクラスのグループとロークラスのグループで比較した結果、
ハイクラスの馬の血液検査では、

赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値が著しく低い事が分かった。
またこれは、ヒトにおいても同様の結果であった。

馬の場合は、赤血球を脾臓に50%蓄える性質があるため、ヒトと同様にはできない。

しかしながら、
赤血球数、ヘモグロビン、ヘマ

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サラブレッド馬の競走成績と競走前の血液検査との相関関係②

サラブレッド馬の競走成績と競走前の血液検査との相関関係②

つづきです。
血清生化学検査の項目である。
・アスパラギン酸アミノ転移酵素=AST
・クレアチニンキナーゼ=CK
・乳酸デヒドロゲナーゼ=LDH
これは筋肉損傷の際に上昇する一般的な酵素である。
また、この酵素群はギャロップ=襲歩の際に増加する事が分かった。

また、筋肉損傷時にはCKおよび、AST筋肉由来の活動が増加すると分かっている。
CKの半減期=消失する時期は非常に短いため、運動後、6時間

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サラブレッド馬の競走成績と競走前の血液検査との相関関係①

はじめに、
2018年にソウル大学でとても面白い研究論文が発表されています。そうした情報を共有します。
トレーニングの疲労度の指標ともなるし、能力の一部も測れると考えています。
私自身トレーニングを行なっていく中で、自馬の血液検査を定期的に行っており、疲労度をモニタリングしています。
客観的にモニタリングを行うことで、オーバーワークを避ける事ができ、またトレーニングにおける「超回復効果」も期待でき

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