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毎日読書メモ

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2024年2月の記事一覧

『わたしのなつかしい一冊』から、『オオカミに冬なし』、そして『時の旅人』へ(毎日読書メモ(523))

『わたしのなつかしい一冊』から、『オオカミに冬なし』、そして『時の旅人』へ(毎日読書メモ(523))

池澤夏樹・編 寄藤文平・絵の『わたしのなつかしい一冊』(毎日新聞出版)、先にシリーズ3冊目の『みんなのなつかしい一冊』を読んでいたのだが(感想ここ)、1冊目に戻ってきた。毎日新聞に毎週土曜日に連載されている「今週の本棚」という企画をまとめたもので、それぞれの本に50冊の「なつかしい本」が紹介されている。

『わたしのなつかしい一冊』で取り上げられた50冊のうち、読んだことがあったのは15冊。そして

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桐野夏生『もっと悪い妻』(毎日読書メモ(522))

桐野夏生『もっと悪い妻』(毎日読書メモ(522))

桐野夏生が昨年6月に刊行した『もっと悪い妻』(文藝春秋)を読む。表紙こわ! 人形の仮面が宙に浮かび、それを抑える指先の下に続く身体には首から上がない...。cover photograph by Miguel Vallinas Prietoとある。検索したら、やはり首のない体の上に、色んな頭部がのった写真がいっぱい出てきた...。
桐野夏生、基本長編作家の印象が強いが、今回は短編集。「悪い妻」が「

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有吉佐和子『女二人のニューギニア』(毎日読書メモ(521))

有吉佐和子『女二人のニューギニア』(毎日読書メモ(521))

年明け、友達のやっているバーに飲みに行って、最近読んで面白かった本の話をしていてテンション上がる。その時友達が面白かった、と言っていたのが有吉佐和子『女二人のニューギニア』(河出文庫)。河出文庫から刊行されたのは昨年1月(その前は1985年に朝日文庫から刊行されていたらしい。元々が「週刊朝日」の連載で、単行本が1969年に朝日新聞社から刊行されている)。有吉佐和子は今なんとなくブームなので(『青い

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待望の続編!!! 宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』(毎日読書メモ(520))

待望の続編!!! 宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』(毎日読書メモ(520))

宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』(新潮社)、2024年1月24日刊行、と聞き、書店に走って買って帰る。ぶれない成瀬に見合った、期待を裏切らない読後感。おかえり成瀬、ありがとう成瀬。

年明けてからなんだか忙しくて、昨年の読書の振り返りとかしていないのだが、昨年読んでああよかったなあ幸せだなぁ、という本を選ぶなら、津村記久子『水車小屋のネネ』(毎日新聞出版)、乗代雄介『それは誠』(新潮社)、そして宮

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