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Guitar0903

引き続きStingの"English man in New York"。前日歌った時にはベース(曲中ではコントラバスで弾かれている)部分を簡略化していたんだけど、今回はオリジナルに近付けた。虚無のせいなのか歌詞乗せの負荷が高かったせいか(言葉の落とし込み方の確認に集中していたせいかーそれでも同じようには歌えなかったんだけど)綿密なベース確認をしていなかったんだよね。聴き直したらわりとバリエーションがあった。今回はそのバリエーションを考えながら(思い出しながら)歌ったので、意識消費が記憶に吸われている。全体的に音域が微妙なのもあり(前回は"I take it everywhere I walk"の部分で小休止的に声を出せた)、歌は元気がないし声が震えている。やっぱり負荷が高い時には特に無発声生活による肺活量低下の影響がダイレクトに出てくる。

歌った部分の野鳥版日本語は↓。

ーーーーー
もし本当に「礼節が人を作る」なら
彼はヒーローになれたことでしょう
しかし現実はなかなか程遠く
人は無知に苦しみながら微笑まなければならない
それでもあなたはあなたでいてください
他人に何と言われようと、あなたはあなたでいていいのです

私はエイリアン、合法的な異米人
ニューヨークにいても英国人なんです
私はエイリアン、合法的な異米人
ニューヨークにいても英国人なので
ーーーーー

この部分はちょっと訳し方に迷うところがあって、他の人はどうなんだろうといくつか見てみたんだけど、ネットに転がっているものは基本的に直接的に訳されていた。日本語版CDに入っている和訳はどうなっていたんだろう。
具体的には、それまでは"I"で綴られていたところにいきなり"He"が出てきて、その後"Man"と話が大きくなっている部分なんだけど、"He"って誰よ、と。
まあ、例えば芥川龍之介の「羅生門」でもそれまでずっと「下人」と書かれていたのが突然「その男」になったりしたのもあるし、そういう効果なのかなとも思ったんだけど、そんなことを考えたり他の方の訳を見てみたりしているうちに、この曲がクエンティン・クリスプ(Quentin Crisp)さんという、今以上にかなり風当たりが強かった(法的にも規制があったりした)時代にカミングアウトをした上でゲイとして暮らしていた&70代でイギリスからアメリカに移住した作家さんに宛てて作られたものだった、そしてその方こそがPVの中にいらっしゃるあの素敵なイギリス人男性(適切な呼称がわからない)だったということが判明した。実に興味深い。
そうだとすれば、"He"はクエンティン・クリスプさんを指しているのかな、とか"I takes a man〜"の部分等はクリスプさんがそういった背景の中で過ごしてきていらしたことなどに呼応していくのかな、とかも思ったんだけど、あえて限定する必要はないし実際わからないので広いままにしておいた。

私はStingの曲は数曲しか知らないし、彼自身についてもよく知らないんだけど、イギリス出身の方だということで、↑は(ダレンや私にお馴染み?の)逆説的な物言い観を反映させて訳している(If 〜, then …は、…が実際そうなっているのであればIfにする必然性は無い。だからこれは実際は…の状態ではないという逆説であり皮肉では?と)。
いずれにせよ大切なのは"Be yourself no matter what they say."だということ。外野がとやかく言ったとしても、あなたはあなた(自分は自分で)良いという、励ましであり応援であり自己暗示でもあるメッセージ。
Sting自身もイギリスからアメリカに移住をした方であるわけで、昨日書いたように、実際イギリスとアメリカには大きな文化的隔たりがあり、日々のその体感、その一方の自身の再確認されたアイデンティティーやそれへの矜持が歌の中にもよく出ている。そう言えば"A rolling stone gathers no moss."の捉え方がイギリスとアメリカで異なる(石に苔がつかないことをイギリスでは否定的に、アメリカでは肯定的に捉える)なんてことを昔中学の英語の授業かなんかで聞いたな。

イギリスにもまた行きたかったな。結局 F&Mのサロンには一度も入らないままだった。


発車メロディーシリーズの続き。



珍しくバナナチップスを入れてみた。

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