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本の話

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ロリータが好き 感情移入

ロリータが好き 感情移入

ロリータが好きあなたは、読んでいる本に主導権を握られたことがあるか。物語の登場人物に感情移入し、ふと我に返って恐ろしくなったことがあるか。
私はある。ロリータが好き。
初めてこの作品を読んだ時、私はまだ中学生だった。ロリータとそんなに歳の変わらないガキだった。
この物語の語り手であるハンバート・ハンバートは、純新無垢でもなんでもない、残酷で普通の女の子・ロリータに振り回され、彼もまたロリータを振り

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読書のはじまり

読書のはじまり

幼い頃の私は例に漏れず、読書が嫌いな普通の子供だった。本を読むにしても、『かいけつゾロリ』シリーズをはじめとする原ゆたかの作品か、あかね書房から出ていた『ぞくぞく村のおはけシリーズ』ぐらいのものであった。それが、なにがどうまかり間違って本の虫(自称)になってしまったのかを、大きなふたつの出会いを通して、適当に書いていこうと思う。

『ハリー・ポッター』シリーズとの出会い私が生まれた2001年は、ち

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パロディとパスティーシュ

パロディとパスティーシュ

この文章↓でも少し触れたのだが、私はとにかく派生を追うことを趣味としている。

「派生を追う」という言葉の指す範囲は非常に広い。ある作品の「派生」とは、メディアとしてはアニメ、映画、ゲーム、ドラマ、小説、CDなどを含み、性質としてはパロディ、パスティーシュ、原作、二次創作、三次創作などを含む(私の中では)。作者単位で追うこともあれば、本の後ろの方に載っている広告のようなところ(名前を存じ上げない)

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ひねくれ人間におすすめの文学

ひねくれ人間におすすめの文学

独断と偏見でひねくれた人間にぴったりかもしれないひねくれ本を紹介していく。色々な国からバランスよく紹介したかったが、あんまり文学わからないのでそんなに出なかった。ご容赦いただきたい。

日本文学駆込み訴え/太宰治
なんだ太宰かよ、と思ったかもしれない。しかしみんな太宰が好きである。意地を張るのはやめよう。
この『駆込み訴え』は短編で、たとえば新潮文庫から出ている短編集『走れメロス』などに収録されて

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