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「ボディポジティブ」に対して違和感を持つ私が一歩踏み出してみた / 自分サイズでいこう 私なりのボディポジティブ(hara様)

みなさんは「ボディポジティブ」という言葉を知っていますか?「ボディポジティブ」とは、自分のありのままの体を受け入れることに焦点を当てた運動です。個々人による体の特徴を、一般的に広まっている体型の考え方に囚われず、受け入れることに重きを置いています。

今回は、上記の言葉をテーマにした、イラストレーターであるhara様のコミックエッセイ「自分サイズでいこう 私なりのボディポジティブ」を紹介します。


⒈本の概要


「自分サイズでいこう 私なりのボディポジティブ」とは、これまで体型で悩んできた著者自身の体験談をまとめたコミックエッセイです。

著者はイラストレーターとして活動しており、SNSで発信していたイラストやマンガを本にまとめました。また、体験談だけではなく、プラスサイズモデルの吉野なお様との対談をマンガでまとめています。

⒉「ボディポジティブ」に対する違和感

私がこの本を手にとった理由は、「ボディポジティブ」に対する違和感があったからです。上記の通り、「ボディポジティブ」とは、自分のありのままの体を受け入れることに焦点を当てた運動です。私がこの言葉を知ったのは、著者のイラストがきっかけだったと思います。

しかし、私自身「健康診断に引っ掛かるような体を受け入れられるのか?」「標準体重になりたくて痩せても、他者から見当違いの発言をされるような体を受け入れられるのか?」と考え、ボディポジティブに対して肯定できない自分がいました。

肥満だった過去を持つ私は、「痩せた方が良いんじゃない?」と言われたことがあったため、標準体重になるために取り組んできました。

一方で、標準体重になるために取り組んできたのに、他者から「女性らしくなったね」と発言されたことで、「痩せるための取り組み=女性らしさを意識している」という考え方をされることに違和感を持ちました。

太れば「痩せろ」、痩せれば「女性らしい」と言われ、どのような体型が正しいのか不安になりました。だからこそ、「ボディポジティブ」を大事にしている方々を見かけると、「なぜ『自分のありのままの体を受け入れる』ことができるの?」と考えていました。

このことから、私は著者の本を読むことに決めました。

⒊学んだこと・気づいたこと

私が、この本で1番印象に残っているのは「第3章『ボディポジティブ』で変わり始めた私」の中にある「私の小さな抵抗」というエピソードです。このエピソードで、「自分を守るために小さな抵抗をすることの必要性」を学びました。

私はこれまで、このように考えていました。

「〇〇さんから嫌なことを言われても、抵抗する意味がない」
「自分は傷ついていても、抵抗すると場の雰囲気が悪くなる」
「嫌なことを言われても素直に受け答えした方が、私だけモヤモヤするだけで済む」

上記は、体型だけではなく、体型以外に関しても同様です。

しかし、著者は「自分の体型を肯定していい」という価値観を受け入れたからこそ、自分を好きであり続けるために小さな抵抗をしました。このことから、ありのままの私を好きになるために、自分を守るための小さな抵抗も必要だと学びました。

一方で、私自身の「ボディポジティブ」に対するイメージは、この本の読了前後で変化はほぼありませんでした。「ボディポジティブ」という考え方を知ることはできましたが、知ることができただけで、心を大きく揺るがすことはありませんでした。

「ボディポジティブ」を大事にしている方々は、もともと体型に対してコンプレックスを抱えており、そのせいで精神的にも肉体的にも不安定になってしまった過去があります。

彼ら / 彼女らが「自分の体型を肯定していい」という価値観を受け入れられたのは、精神的にも肉体的にも健康であることができるための一歩を踏み出したから。そのような努力をしているから。

そのような方と比べた時、私は「ボディポジティブ」に対して受け入れられない部分がまだあると感じました

⒋まとめ

著者のマンガはとても読みやすく、「ボディポジティブ」を意識している方のロールモデルを知ることができました。

「ボディポジティブ」に対して強い思いのある方や、普段から「ボディポジティブ」に関する情報収集を積極的に行っている方、体型にとても悩んでいる方は、読むと満足感が得られるかもしれません。

しかし、私自身の考え方を変えるには、この本だけでは難しいと思いました。これからも、私の考え方をアップデートするために、様々な本を読みたいと思います。

この記事をお読みいただき、ありがとうございました。

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