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(後編)時は韓流大ブーム!壮大なスタートアップに携わり驚きの結末が待っていた。《えむさんのリアルなビジネス話#07》

前編のあらすじ

独立起業したての私に韓国の韓流動画配信スタートアップの話が舞い込んでくる。交渉の後、その会社で自分の会社の仕事をやる提案が通り、事業スタート。立ち上げから社員管理までやりながら、事業は順調なスタートをきった。

前編はこちら

スタートアップは韓国系の企業

順調に滑り出したスタートアップ事業の資金は韓国系の資金であり、放映権をもった大元企業との契約からスタートしました。

大元企業はCSチャンネル以外の収益を作るために、インターネットでの配信事業をやりたいという希望を持っており、そのすべてを担当するという業務委託契約です。そこにはネット上での放映権も入っており、世間が韓流ブームで熱狂している中でお宝ものの契約です。

この話の枠組みを作ったのは知り合いの韓国人女性でしたが、さらに彼女の上に会長と呼ばれる謎の韓国人がいました。未だにその後正体は不明ですが、パトロンにも見えるし、見方によってはただの普通の人にも見えるような韓国人で当時40代後半ほどの年頃でした。

このスタートアップはこの謎の会長をトップとし、専務に知り合いの韓国人女性。そして役員に私ともう一人別の在日韓国人、そして社員12名ほどでスタートしました。

取引先は韓流コンテンツの放映権を持つ大元の企業でその役員や部長もこの事業に大きく関わっていました。事業委託の契約金は1億5000万。スタートには十分すぎる資金です。


この会社大丈夫?

私は粛々と配信事業開始に向け開発チームの管理や、必要なシステムや機材の投資に関する管理をしていきます。配信サイトも完成し、コンテンツも流し込み、そろそろ顧客へのサービスもスタート目前というところまで来た頃。ちょうど立ち上げから6カ月たったあたりだったと思います。

あわただしく会長や専務が動いています。どうしたのか聞いてみると、資金繰りがやばいといいます。契約金の1億5000万はすべてが最初にもらえるわけではなく、段階的に受け取るという契約になっていたのです。

着手として5000万、サービス開始で5000万という形で支払うというものです。なるほど、ということはまだ手元の資金として5000万しかないということだな。とすぐに理解できましたがこの着手金の5000万が半年ほどで消えるのだろうかという疑問も。

確かにサーバーの設備投資や事務所の契約で1000万以上は資金がなくなってます。あとは人件費ですが社員12名ほどで税金やら保険やら含めていくと月400万くらいは毎月支出します。まあ5000万は半年で消えそうだな...。お金の管理に関しては私はタッチしていなかったのでここに来てようやく問題が見えてきました。

会長の役員報酬

ちょっと気になることがあって韓国人女性専務にたずねました。

会長っていくら報酬もらってるの?

すると出てきた答えが月200と言います。えっ?!会長毎日会社に来てるけど特になにもしてないし...200万も?!

スタートアップの会社でまだサービスからの売上もたってないのにちょっととりすぎでは無かろうか... 

すると専務は契約は1億5000万。まだ一億もらえてないからと。確かにそうだけど...とだんだんとこの会社が本当に大丈夫なんだろうかと疑心がわいてきます。

こんなばたばたの中、なんとか配信サイトをサービスインさせ苦し紛れに次の5000万を大元の会社から入金させることに成功しました。しかし、かなり約束の期日からは遅れての入金。

ホッ...なんとか事なきを得た。。

ただし毎月の支出は1000万を超えてるので早く次の入金をもらわなければまたすぐに同じ資金繰りの問題が繰り返されます。こんな状態ではぜんぜん安心できません。

株主と権力闘争と更迭

大元の会社から二回目の5000万が早々に入ってればこの騒動も見ることは無かったのですが、なぜ遅れたのか。

実はここに大きな問題が隠されていたのです。大元の会社は韓国系の企業ですが、トップの社長は某有名なメディアからの出向社長で、この社長はじめ仲のよい部長クラスの韓国人と知り合いの韓国人女性専務との内輪で業務委託契約を作っていたのです。

1億5000万もの大金の契約を。

この内輪で締結された契約に対して、株主の疑問が投げかけられ、社内的に5000万の支払い処理が滞ったといいます。

ちょっとこれは大事になってきてるな... 

後にこの大元の放映権を持った会社の社長は更迭されることになります。この内輪で進められた業務委託契約のせいで...。

この社長にいくらのお金が流れたのか今となっては知る由もありませんが、きっと何らかの金銭のやりとりはあっただろうと考えてもおかしくはありません。

この大きな問題をよそ目に会社の資金はどんどん減っていきます。専務にこれからやっていけるのかを私は訪ねました。

大丈夫。会長は金山も持ってるから。

え....金山ってなんだ?!よく分からない話でしたが、会長は金山に投資をしていて、そこから出てくる金の権利を持っているといいます。今でも何を言ってるのかわからないような変な話を持ち出してきたのです。

会社の資金が尽きたら金山のお金をこちらにつぎ込むとでもいいたいのでしょうか。

社員寮で火災が起こる

そんな慌ただしい中、韓国からつれてきたエンジニア達が住んでいる寮で火災が発生しました。田町近くの広いマンションはどこも値段が高く、記憶だと月25万ほどの高級マンション。そこに数人が寮として住んでいたのですが、夜な夜な酒を飲み騒ぎ挙げ句の果てにタバコの火から火災が発生。

壁が丸焦げで修繕費として100万円近くの費用を請求されるという問題も起こりました。

ただでさえ資金がやばいのに何やってんだよ... 

もうこのころになると会社の資金繰り問題から社員のやる気もどん底まで低下し、取り返しのつかない状況になってしまっていました。


会長が忽然と消える

大元企業の株主や上層部の反対によりサービスインしたものの構築した配信サービスも更新ができなくなり、いよいよもう風前の灯火になりました。

サービスが提供できなければ、今後会社を継続していくことは難しい。このサービス一本でやってきた会社としてはほかのサービスに逃げ道もなくもう袋小路です。

そんな中、会長が一時帰国するといいます。会社がもう死にそうになってるときにおい!どこに行くんだよ...。

しかも残りの預貯金を引き出し、どこかへと消えてしまったのです。

終わった.... 


さらに借入も起こしていた

資金繰りがやばいことがわかったときに、実は会社で借り入れも起こしており、私も連帯保証人としてサインしてくれといわれたときがありました。

その時私は断りましたが、ほかの役員はサインしてしまっていました。2000万円ほどの借入です。返済能力のなくなった会社で誰がこのお金を返済するのか。

これが行く末の姿だったのか... 


実は私は役員を辞任していた

この借入をする時に私は危機を感じ役員を辞職する決断をしていました。もう会社はだめだし責任をとることもできない。「辞任するので、役員会議を開き登記から名前を抹消してください」

この時の判断が遅ければ、もしかすると私は役員として2000万の借金を負わされていたかもしれません。今考えればとっさの判断で危機を脱していたのです。

給料が払えなくなったため社員はみんな辞め、韓国からきたエンジニアたちも国へ帰りました。

そして、散り散りに
この会社は幕を閉じたのです


とにかくさんざんでした。でもこの経験は私にとってビジネスとは、組織とは、信頼とは。と言う大きな教訓を得ることになり、その後のビジネスに大きく生かされてきたのです。

・会社の財務状況をよく確認する
・大きな契約は契約に至る経緯をよく確認する
・おかしいなと思うことがあったらすぐに調査
・決してすべてを信頼しない

決してよい話ではないですが、この体験はなかなかできるものではない、貴重な体験でした。皆さんもいつどこで危険な話にぶつかるかは分かりません。この話が今後のあなたの為になれば幸いです。


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今日も読んでいただきありがとうございました。
東南アジアより、えむさんでした。
また明日お会いしましょう: ) 

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