エッセイ的なもの

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最高に居心地のよかったアパートで、精神と肉体が少しずつやられていった頃の話

初めて自力で部屋を借りたのは、小説家としてデビューして数年経った頃。

デザインの専門学校を卒業後、なぜか小説家になって、そこそこ定期的に単行本も出してもらって、数年で「まあ、一人でもやって行けるだろう」と割と無計画に実家を出て上京した。

実家は埼玉で、一時間もあれば都内に出られるし、そもそも仕事の打ち合わせは電話がメインで、原稿は宅配とメールでやり取りできるし、いちいち編集者と会う用事もない。

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急に思い出したネイルの記憶

最近セルフネイルをしまくっていたので、気づけば爪がボロボロになってしまった。しばらくお休みしよう…。

つるつるになった何もついてない自分の爪を見て、ふと思い出した。
十年前に父が亡くなった頃、ずっとジェルネイルをしていて、危篤だと連絡が来て父の運ばれた病院に向かった時も、ネイルアートが残ったままだった。

ジェルネイルというのは自力でオフするのがなかなか難しく、私は面倒なのでお店でオフしてもらっ

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なぜ急にラナンキュラスを植えたくなったのだ、と同居人は言った

数日前、何の脈絡もなく、唐突にラナンキュラスを植えたくなったので、Twitterでそのように呟いた。

するとそれを見た同居人に、

「なぜ急にラナンキュラスを植えたくなったのだ?」

と低い声で訊かれた。
同居人は普段たおやかな女性だが、ときどき口調が武士になる。
武士になる時は、彼女の中で「なんかちょっと変だな」と思うことがある時(らしい)ので、「何で?」と質問に質問で返してしまった。

「今

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今自分が子供だったら、と想像して、同じようにいろんなものが怖い子のことが心配になる

子供の頃、中学生に上がる時くらいまで、世の中のいろいろなものが怖かった。
まず最大級に怖かったのが、雷だ。
とにかく大きな音が駄目で、雷が近い時はもう両耳に人差し指を突っ込んで、爪をずっと擦りながら(こうすると雷の音がそこそこ消える)身動きも取れず蹲って泣くしかない。

元々大きな音が苦手なところに、近所のお寺に落雷して火事になったことで、駄目押しになった。
雷の予兆を感じ取るだけでもう無理だ。梅

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久々に父がゾンビになる夢を見る

父はちょうど十年前に亡くなっている。
昔から病気がちで、何度も入院や手術を繰り返してきた人で、まああんまり長くは生きないんだろうなあと、子供心に思っていた。
私が高校生になるまでは持たないと誰かに言われて、「そうなのか」と鵜吞みにしていたけど、誰に言われたんだっけな。
(私か、それを私に吹き込んだ人の)想定よりは結構長生きして亡くなった父が、亡くなったあとしばらく、割と頻繁に私の夢に出てきた。

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外出自粛しすぎてピアスホールが塞がりそうだった

体調が悪い時にピアスをしていると耳が腫れてしまうので、家にいる時は元気で気が向いた時以外は基本耳にはなにもつけない。
ここ数ヵ月まったく遠出をせず、外に行く時も歩いて数分のコンビニエンスストアかスーパーがいいとこだったので、いちいちピアスをつけることもなかった。

それで、このままではピアスホールが塞がってしまうのではということに、ようやく思い至った。ピアスをつけるのは好きなので、そうなったら困る

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実は別のnoteアカウントで出版のこととか色々書いていた

今は全部書いたものを消してある。
このアカウントをちゃんと動かすより前、2018年くらいのことで別に「読まれたらまずい」というものを書いていたわけではなく、特に分ける必要もなかったなと思い直して、こっちにまとめるつもりだった。

「これからは作家が個人でも作品を発表してマネタイズできるようにしていかないとまずいのかも」とか「編集者や出版社は必要なのか?」みたいなことをつらつら書いていたんだけど、そ

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司馬遼太郎の文体で書かれた夢を見る

昔からはっきりした夢を見るし、その夢をいちいち反芻するし、明晰夢を見ることも多い。
まったく夢を見ないという人に比べればずいぶん夢を見る方(覚えている方?)だと思うんだけど、それにしても一際妙だと思われそうなのは、「文章で書かれた夢を見る」ということです。

人によって夢の見え方って色々だと思うんだけど、たとえば色がついているとか、音があるとか、匂いや味を感じるとか、痛みがあるとか。
私はほとんど

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去年スポーツクラブに入会した時、「疫病なんて滅多に起こらないと思いますけどね」なんて話をしていた

このご時世当然ながら、通っていたスポーツクラブが休止になってしまっている。

緊急事態宣言が出る前、まだ施設の営業が続いていた頃、「でも今利用するのはリスクが高いよなあ」と迷いながら、去年の七月に入会した時のことを思い出した。

最初に契約内容の説明を受けた時、「個人情報保護」の項目で、「こういう場合は個人情報をしかるべきところへ渡す時がある」というような記述があったけど、「こういう場合」の具体例

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死神の影が見え、悲鳴が聞こえる季節になりました

昔から、年に一、二度死神の影が見える時期があります。
もちろん死神などというものが現実にいるわけないので、「いろいろな物の影があたかも死神の形に見える」というだけの話ですが。
最近またこれが見えるようになってきた。

黒いコートを着て、黒い山高帽を被ったセンターパートボブの死神です。

こんなん。

何かしら精神状態に異変がある時に起こる現象だとは思うんですが、思い返しても特に落ち込むことがあった

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大人になってからそこそこ偏食が治った話

出されたものは何でも食べるという人から見たらまだまだ充分偏食だろうけど、子供の頃あまりに食べられないものが多かったので、最近それが改善されていることが嬉しい。

劇的なのがトマトで、これはたしか三年くらい前から、急に食べられるようになった。

「口に入れることすらどうしても無理」という食べ物と、「苦手でものすごく不快になるけどどうにか飲み込める」という食べ物があって、トマトは前者だった。
酸っぱい

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