【天才たちの共演】日本の企業、日本人はどうすべきか。
Sapiosexual(サピオセクシャル)=知性に興奮を覚える人。
という言葉をご存知でしょうか。
僕は、Sapiosexualと言わないまでも知的な議論や見るのが、好きな方です。
そんな僕が自分の思考をジャンプさせてくれる、別の次元に連れていってくれるという意味で、
たまに好んで見る番組が。
『WEEKLY OCHIAI』
News Picks企画で、有識者が現代の社会課題を議論するという番組です。
特に、先日の『日本企業を”大改革”せよ』では錚々たるメンバーが出演し、非常に高度で知的な議論がなされました。
落合陽一(メディアアーティスト)
冨山和彦(経営共創基盤CEO)
及川美紀(ポーラ代表取締役社長)
安宅和人(慶應SFC教授/ヤフーCSO/シン・ニホン著者)
そこで、今回はこちらの議論で学んだ内容をまとめて説明したいと思います。
まずは、結論からです。
コロナショックは、日本的な企業制度と体制を崩しつつある。これを機に、日本企業、そして個人は社会にとっての価値を自問し、ショックに抗うのではなく、その波に乗って自らを変革し、全員がプロフェッショナルになる。
ということかと僕は考えました。では、順番に説明していきます。
■日本企業の課題
冨山氏は根本的に日本企業の課題は、
”変化に対応できないこと”
です。ガラパゴス携帯・プラズマTV等です。
その背景には、ビジネスも人も
”中間管理(ミドル)が多すぎる”
ことがあります。
現代のビジネスモデルは、基本的には
プロダクト(モノ作り)⇒フロントエンド(販売)
がダイレクトにつながるビジネスモデルです。
例えば、Googleでは階層のない組織、プロジェクト単位で仕事が遂行されるように、
例えば、オンプレミス(データセンター)からクラウドに移行したように、
【プロダクト⇒フロントエンド】で事足りる時代になりました。
しかし、日本企業の場合は、
プロダクト(15%)⇒ <ミドル(70%)>⇒ フロントエンド(15%)
ミドルの比率が高いビジネスモデル、組織が多いことが大きな足枷となっています。
ビジネスモデルでは、自動車などの重厚長大系の企業が発展し、大きな工場を抱えていたり、
銀行でもリテール(個人営業)の支店がそこかしこにあったり、
ビジネスモデル、組織としてもミドルが広がってしまった。
結果として、中間管理職(調整役)が悪い言い方をすると跋扈する企業体制になってしまった。
ミドルクラスがビジネスモデル的にも人材的にも不要な時代なのに70%がミドルのため、
変化に対応できない組織になってしまった。
ここが議論の出発点です。
時代はサッカーなのに、70%の野球部員を抱えてしまい、当然野球部員にサッカーはできません。
だから、変革できないという大きな課題です。
しかし、コロナが日本企業独特の課題を壊し始めました。。
■コロナが破壊した”ヒエラルキー”
中間管理職が跋扈すると、”仕事の質”ではなく”権力”や”調整能力”によって組織における存在感を示す、力学が働きます。
ヒエラルキーに沿い、政治力が高い人、権力を振りかざす人が物を言う組織です。
しかし、コロナショックによりリモート会議や在宅勤務が進行すると、
会議で地位や政治力だけで存在感を示していた人たちの存在感が、忽然と消えました。
リモート会議中に、権力の面影は誰も見えないし、その裏の調整もわからないからです。
コロナは日本独特のヒエラルキーを破壊した。
そして、リモート会議では”権力”や”政治力”ではなくて、”発言の質”が重んじられます。
より純粋に、”仕事ができるのか”が問われる時代になったのです。
そして、その中で一番大切なのは、
自ら問いを立てられる力
です。
なぜなら、経営者もリモートワークで、経営の課題をいちいち指示していられですし、
コロナ禍という危機の中で、経営者自身も答えのない時代に突入したかです。
特に日本人は”正解を求めするぎる” と議論されていました。
危機の戦略的意思決定に、正解はありません。
そのため、自ら問いを立て、課題を発見し、チームを巻き込んで解決をドライブできる。
正に、仕事で本当に付加価値の出せる人が重宝される時代になりました。
僕も知らなかったのですが、シリコンバレーでTシャツ*ジーパンのスタイルが好まれるのは、
楽だからだけではなく、仕事の質(発言の質)で人材を評価する気風があるからのようです。
仕事の仕方がより本質的なんですね。
一方、日本では、"経営者は視覚優位”がありエライ人はリモートでも顔出しを好むようになっているようです。
なぜ、リモート会議に顔だしが必要なのでしょうか。。
本質的な発言を経営者がしていただけば、それで十分だと思います。
では、なぜ自ら問いを立てる力が日本企業にはないのでしょうか。
■日本の教育制度と年功序列の限界
”問いを立てる力”を養うためには、日本の教育制度の見直しから始めないとけません。
日本の教育は、自ら問いを立てるのではなく、問いの正解を探し、答えを見つけることに価値が置かれているからです。
先生(教師)=正しい人
という価値観に馴染んでしまうと、いざ社会人になっても答えを上司や経営者に求める人材になってしまい、
自ら”問いを立てて”、問題解決をする。
現在、最も求められている人材が育ちにくい環境に教育制度自体が拍車をかけています。
年功序列も然りです。
年功序列は既得権益の温床です。それは本人の責任というより、制度設計の問題です。
あと5年働いたら年収が2000万になることを約束されていた人たちが、コロナで急に職を終われたら、反抗したくもなるかもしれません。
ただし、そういった中間管理職の方の主張に迎合し、戦略的意思決定の質を下げてしまった。
痛みを伴う意思決定が迅速に行われず、資金を垂れ流した結果、全員が不幸になった。
それが、日本企業の敗因だと冨山氏は述べています。年功序列も既に時代に相容れない制度になっています。
本質的だと感じたのは、
企業が社員の人生を背負う、面倒を見るのは傲慢
という発言内容でした。
これだけ変化の早い時代に、会社が社員の人生を背負う、家族のように守るという価値観自体古いのかもしれません。
それよりも学生と同じように卒業という出口がありきで組織や人材をデザインをする。
そういう時代になったんでしょうね。
■企業と個人はどうすべきか
では、企業と個人はどうすべきなのか。
まず、今のコロナショックによる既存的な価値観の破壊を止めないこと、抗うのではなく波にのること、
そして、この機会に企業も個人も
”何をもって社会に貢献するのか”
”社会に対する価値”
を自ら問いを立てることがスタートになります。
過去は良いモノを作って売る、それが満足感につながる、価値になる時代でした。
しかし、現代はどんなに良いものでも、それが社会にとって良いことなのか、顧客にとっての価値なのか。
を、個人も企業も考え直さなければならない時代になりました。
GAFAの一角Facebookと言えども、社会に対して価値をもたらしてないと判断されると、顧客が離れる時代です。
決して簡単に答えはでないと思います。
例えば、議論でも及川氏(ポーラ代表取締役社長)が、
コロナによって外出する必要性がなくなったときに、私たちは女性のお客様にどんなかたちで”美しさ”を届けるべきなのか。自問し続けた。
と述べていました。本質的ですね。
一人一人が本質的な問いを自らに投げかける。
自らアウトプット、そのための時間は、本当に価値を生み出しているのか。
を自問する。
全員がプロフェッショナルになる時代です。
■僕は、あなたはどうするか。
最後に僕がこの番組を受けて、どう考え、どう行動するかを、簡単に述べたいと思います。
まずは、本業でしっかりと成果を出すこと。
そして、その成果は経営者(上司)の指示ではなく、自ら発見し、解決すべきことであること。
やるべき課題は見つけてあるので、あとはそれを解決するために奮闘し、成果を出すこと。
次に、広く深い視点で”自分の存在や行動の価値”を考えることです。
自分が勤める会社は何のためにあるのか、どのように社会に貢献すべきなのか。
このnote自体も何のためにあり、微力かもしれないが読者の皆様にどのように貢献すべきなのか。
この2点に対する問いを考えます。
いや考え尽くします。
まだまだ未熟なですが、少なくとも小さな一歩になると信じて。
読者の皆様の少しでも参考になれば幸いです。
ではでは、本日もありがとうございます。
*ゲスト出演された冨山和彦氏の第2弾が発売されました。日本企業を改革するための本です。
是非、御一読してみてはいかがでしょうか。
第1弾『コロナショック・サバイバル』では以下のブログでも紹介しています。
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