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戦略の組み立て方①
売上が悪い、売上が下がっている。この問題をどう解決するか(マネジメント)。
まずは戦略が間違っていないかどうか、方針等は検証できているかどうか、が出来ていなかったら本末転倒であり、話にならない。恐らく戦略を組み立てること自体の目的(本質)が理解できていないので、答えそのものが明確になっていないのであろう。そうすると答えはこうだ「頑張りましょう」だけである。個々の見込みなどを検証することはするだろうが、必要条件も十分条件も満たしていない。また、場合によっては「商品は良いのに売り方が悪い」とか「店舗開拓に問題がある」と、決まったセリフ(思い込み)で進めるでしょう。「頑張りましょう」は、誰でも言えることであり、戦略・戦術に基づいた以外の運任せになってしまいます。

問題点や課題点を見つける手順の前に、理念から導き出された方針等の検証が出来ていないので、本質的な目的をしっかり見定めてみて下さい。そうなると、市場が縮小しているのか、競合の競争で負けているのか、そもそも論、ブランド価値の低迷さが根底にあるかも知れません。それでも受け止め方は企業ごと、部署ごと、個々に異なるので、課題点を特定するには、かなり深い検証、すなわち仮設検証が大事になって来る。最初の問題が売上だったので、ここでは現場に出ている最前線の言葉(意見ではなく実情)が肝要である。ここで常識と思ったらつまづくので、常識を否定することも大事です。私の場合は常に常識を否定するところから仮設をスタートする。地動説と天動説が有名であろうか。相対性理論の衝撃も常識を否定することから始まった。

我々の住宅業を取ってもそうです。この業界(リフォーム)を切り開いた時に「小が大を産む」という発言を大きく否定され笑いものになった。現在では当たり前の指標であり、これらの教育もされているようで、全く経験値の無いコンサルまで登場しているようだ。しかしながら実践レベルにおいては、まだまだ浸透していない現実がある。つまり新築業からリフォーム業へコンバート、又は手がけようとする工務店あたりである。3,000円の工事をないがしろにするのである。これは本質的な産業の概要や概念である理論を掌握していないからである。又は一発で売上があがるなんちゃってコンサルや本などを見過ぎて、実践レベルに目を向けていないからである。いくら成功企業のツールを用意しても、本を読んでも、実践レベルの実績が無いなんちゃってコンサルの話を聴いても、戦略の組み立て方を理解していないのであれば、無駄な労力とは言わないまでも、いつまで経っても売上が上がらないであろう。単発的に売上は向上したとしても、利益が上がらないという大きな経営課題に行き詰るのである。

拡大していると思われる市場が、又はまだまだ掘り起こされると思われる市場が、実は先行的に大きく縮小している。大きなセグメント市場だけに、後発であっても掘り起こしは可能と思われているが、収益性が悪く持続可能ではない市場であることは偶然ではない。読みである詰めが甘いのである。
低価格路線で販売目的である市場に地域の優位性があっても、実は販売数が伸びるほど収益性を失うとか。コア市場の拡大路線は見えてはいるものの、成長市場では既に縮小段階に入っているとか。ニッチ市場が故に誰もが入り込めない市場は、必ず成功すると思い込んでいないか。確かにニッチ市場は、独断場で魅力的ではあるが、かなりの投資(人。物、カネ)と時間、忍耐を要する。レッド、ブルー、レインボーオーシャン市場は、夢物語であり実践的な表現ではない。恐らく実践を知らないコンサルタントが言い方を横文字にしただけで明確な根拠は無い。

では、どうすれば。

まずは市場を良く見よう。自分の目で良く見て、そして最前線の末端の意見(声)を聴くことである。但し、基本を見ることを忘れないで欲しい。かのJAL再建を果たした、故稲盛氏を要しても、まずは現場を見て声を聴いたのである。(幹部からの聴収ではない)。JALともなれば大企業であるし部門や部署とも言えど、いくつもの中小企業の集合体と言っても良いくらいの大所帯であるにも関わらず、質素な食事でホテルに何日も泊りがけで、しかも無報酬ということであった。とてもマネできることではないが、氏はいつも現場の声を優先的に聞き入れることに徹している。これは、基本動作である所作を肌で感じているのである。

人は直ぐにビッグデータ、新しいスキルや手法に興味関心を抱き手を出したがるし、コンサルタントなどはこぞって新しい表現方法(横文字の多用)を用いて、あたかもそれが一番正しい理論を展開するのだが、重要なことは「基本動作」である。

では、基本とは何か。冒頭にも書いているように「何のために〜」のオンパレードである。そもそも論の目的のために、どういう答えがあるのかどうか。そして動作というのは、挨拶にはじまり言葉遣いであったり、清潔さなどの身だしなみであったり、お出迎えやお見送りする時の感謝の念だったり、商談には数時間にも渡り向き合っているのだからこその気配りだったり、謙虚さだったりするものです。平たく言えば好感度かも知れません。

とってもシンプルな取組みですね。売り手、作り手だけでなく、お客様側から見た時の本質的に何が重要かなど。その上に来るのが、創意工夫された知識だったり、何よりも挑戦するという情熱、熱意からなるスピリットでしょうか。理解できなければ帝国ホテルや加賀谷の旅館へ行くと一目瞭然である。もっと身近なのはコンビニと大型スーパー、シャッター街の商店街でしょうか。今日では参考書は揃っているし、インターネットで検索すれば何でもわかるかも知れないが、実体験を通して、自分で考えることを忘れていまいます。これが成長を止める、熱意を消極させる原因かも知れませんね。ある意味、不幸かも知れません。

成功している著名な人ほどコンサルタントの意見を聴かないというのは、こういうところにあるのかも知れません。全て実体験から学ぶ。その代わりに成功を成し遂げた尊敬する偉大な著名人の書籍を多く読んで取り組み方への材料にしていますね。

FIFAサッカーワールドカップにちなんで、ドイツの皇帝ベッケンバウアーの言葉です。
「強いものが勝つのではない、勝ったものが強いのだ」