【プロのトレーナーが教える】足痩せと老化の関係

今回は足痩せと老化の関係について書いていきたいと思います。
トレーナーとして働いていると脚を細くしたいというオーダーを良くいただきます。
基本的には生理学的に部分痩せは無理ですということをお伝えした上で、アプローチ可能な範囲で指導させていただきますが、中には元々細いのにさらに細くしたいとおっしゃる方も結構いらっしゃいます。
太い、細いというのは個人の主観によるところが大きい尺度です。
運動指導者としてはむやみやたらに脚を細くしようとすることはおすすめしません。
今回は客観的基準や医学的基準で足(ふくらはぎ)の細さとはどのように考えられているのかをまとめていきたいと思います。

理想のふくらはぎの太さ

よく美容体型やモデル体型、黄金比など女性の美しいとされる体型の目安になる数値が紹介されていたりします。
皆さんはふくらはぎの美しいとされる太さはどれくらいかご存知でしょうか?
美しいとされる体型の基準だとふくらはぎの太さは身長×0.2〜0.21cmとされることが多いです。
なので、身長が150cmだと美しいとされるふくらはぎの太さは30〜31.5cmということになります。
あなたが求めているふくらはぎの細さは一般的に美しいとされる太さと比べていかがでしょうか?

医学的なふくらはぎの太さの基準

皆さんはサルコペニアという疾患はご存知でしょうか?
サルコペニアという疾患の簡易診断基準としてふくらはぎの太さを計測するというものがあります。
サルコペニアとは加齢による筋肉量の減少や筋力の低下によって歩く、立ち上がるなどの日常動作に影響が生じ、介護が必要になったり、転倒しやすくなったりする疾患です。
要は筋肉量の減少や筋力低下なのですが、高齢になると回復が難しくなり、影響も深刻なため疾患として扱われています。

サルコペニアの簡易診断基準

そんなサルコペニアには簡易診断基準が設けられています。
日本人向けのものとしては、

歩行速度:1m/秒未満
握力:男性28kg未満、女性18kg未満
BMI:18.5未満
ふくらはぎの太さ:30cm未満(周囲の長さ)

この4項目です。
足首の太さなども関係しているので、ぜひ足痩せを考えている方にはチェックしてみていただけたらと思います。
セルフチェックとして推奨されるものが輪っかテストと立ち上がりテストがあります。
輪っかテストとは、自分の両手の親指と人差し指で輪っかを作って、ふくらはぎがそれより太いか細いか比較するというテストです。
囲えてしまうようであれば、サルコペニアのリスクが高いと判断できます。
また、立ち上がりテストは5回椅子に立ったり座ったりするのを繰り返して、その時間が12秒以上かかった場合はサルコペニアのリスクが高いというものです。
全て65歳以上が前提のものですが、成長期を終えた年齢でこのテストに引っかかってしまっていると将来サルコペニアのリスクは高いのではないかと思います。

医学的には筋肉量の減少は老化です。
筋肉を落としてまで脚が極端に細い方が良いというのは、かなり偏った考え方だということは覚えておいていただけると嬉しいです。
自分の健康を代償にして、老化を進行させるようなことをしてまで手に入れたいものなのか?…
自分の健康のことも考えながらボディメイクを頑張っていただけたらと思います。

いかがだったでしょうか?
この記事が何かのお役に立てば幸いです。


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