新歸朝のインタービューや百合懺悔 蜩時雨の真只中に裸身かな 鳥獣虫魚塒へ急ぐ夕立かな 麻…
玄関に壊れた傘がずっとある この男死ねば祝電送るべし 芋嵐赤児の頭部また凹ム 天神の白き…
犬殺し紫の血を黴の上 忍耐の果なる放火苔の花 夕涼み持ち合わせなき死後の顔 冷房下仕事押…
ソーダ水夢の国にも非常口 達筆の「打倒老害」七夕竹 聖遺物イエスの陰茎十三個 ホトトギス…
(俳人高山れおな氏は男性、大高翔氏は女性です。間違えると高浜虚子の亡霊に呪われます。ごめ…
雲の峰小鳥一匹垂らしけり 昼寝覚袖より顔を出しにけり 恋情やプール深部の大腿骨 ティッシ…
全身鏡下腹部位置のこすり痕 退屈な蛇のようなるコード無数 目を合わさず鏡の我とさえも夏 …
メトロノーム百合の奥から胎児出る 鎖骨に汗乳首はみんな二つずつ 破綻国家の首都なる氷丸か…
この瞬間の全少年の汗飲んで死ね えェゐっトやンメぇ人事課長爆殺 鬼百合や殺意時には清々し …
斬首以前山百合斬首以後廃帝 日本滅ぶべし草刈れば草の死臭 たましひをオプションでつける鈍…
いじめたくなる顔ばかり夏衣 雲の峰黒板消しばふばふ言わす 夏の夜のレーニン廟にゆきて眠れ…
マイク並び居りジャコメッティ立像のごとく 接遇研修資料講師名左上に誰の指紋 また死刑囚増…
赤児吸ふ乳首が眼玉となり睨む 渋滞全車屋根に生首こちら向く 今日未だ命日ならず蛇の殻 状…
我が鬱に天動地動破砕せよ 半夏生米国製のグミを食ふ 箱庭の一葉も地震は許さざり 一寸の虫…
亡国の予知なる白雨戦前や 雷雨過ぎて静寂いずれ軍靴来る 鼻糞に鼻毛ついてゐる 得感 腹…
折竹の暗きの底を出る蚊かな 夏雲に鳥たましいは真っ黒で 柿の幹より若葉蛇口として出るや …