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kumanuts
俳句
亡国の予知なる白雨戦前や
雷雨過ぎて静寂いずれ軍靴来る
鼻糞に鼻毛ついてゐる 得感
腹見せし夢見の猫や遠花火
猫の毛のまとはり続け大雷雨
紙幣見本に斜線や骨をつまむ箸
護送車の女容疑者前を向く
藻流の女体は青き胎児抱く
水溜まりにステカンの檄反転す
無言なる母の扉を開ける音
ネコバスに消化されてサンダル片方
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(「もしも宇宙が突如としてはしばみの実ほどの小さなものになったとしても、すべての物がそれに比例して小さくなったとしたら、われわれは何らその変化に気づくことはできないであろう」アナトール・フランス、大塚幸男訳『エピクロスの園』・「星」より)
罌粟粒に宇宙一切爪弾く
蛸の吸盤ぐるぐる続く末に点
残像に髪一房が半夏生
鉄路へと蚯蚓伸びれば雲多し
駅名表示板空白なりし次の駅
自販機の背後夏草聳えけり
子に敬語使ふ諧謔夏衣
知らず蚊に刺されし右手付け歩く
(すれ違ひし人々)
2メートル高身長外人次でザビエル禿やブックオフ
公衆便器低すぎ股を開き済ます
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