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俳句

玄関に壊れた傘がずっとある

この男死ねば祝電送るべし

芋嵐赤児の頭部また凹ム

天神の白き血管いなびかり

辞めたのは四十一で水中花

新宿駅の人だらだらと瀧怒濤

蟻地獄もう出てこない救急車

俳句つくれぬ失語の間あり水中花

ほうぼうで人焼きつつも夏野かな

らい過ぎて悲歌朗々と夜の原

花火する全員没年未詳中

どちらから蛇に喰わすや右目・膣

無辜の声磨り潰されて蝉時雨

カンナ咲く嫌いなことがたくさんあり

ミニトマト二、三個潰れのちダリア

夜の蟻走わが少年の脱肛腺

西瓜畑の刈られぬ西瓜かく狂へり

生まれつき虚無で不安な河童忌を

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