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mousemouse2222
俳句(鏡の我)
全身鏡下腹部位置のこすり痕
退屈な蛇のようなるコード無数
目を合わさず鏡の我とさえも夏
通過せりけふは祭の駐車場
十年後のバイト店舗や草いきれ
夏館幼女の肉になにを盛らむ
(1945年4月末、ミラノ近郊)
給油所にムッソリーニの逆さ吊り
百合萎れゆく青年の笑声に
一人席の灯火は淡し夜の蟬
押し倒す梅雨の閲覧室五階
(前安芸高田市長、前東京都知事選候補者)
平伏を迫る叱声藪枯らし
血管の隆起へ蚊針深きかな
此度の洪水にノアは指名されず
索引のなき大冊や梅雨の寒
胴体の喰ひ尽くされし兜虫
めつぼうをしめくくる音、蝉時雨
黴型の滅亡スイッチ浴室に
夏痩せてカフカ伏目の青光
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