俳句

我が鬱に天動地動破砕せよ

半夏生米国製のグミを食ふ

箱庭の一葉も地震ないは許さざり

一寸の虫まず死ねりノーマット

四人家族トマト四体握り潰す

月紅く筆触強し熱帯夜

縊死の舌のすべて逆光五月闇

羽なき蝶無意味な日々を埋葬す

左右そうに踠き前進できず羽なき蝶

大胆な信号無視や梅雨曇

天の河星座としての轢死体

爪に頭垢ふけ地球に注ぐ天の河

人類を厭ふ高さの天の河

虫刺され二日痒くて蚊ではない

昼寝する隣で死んでいるけれど

昼寝終へし背せなは畳に咬まれたる

厭ふ人も死なば紙片や天の河