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alexandre_141
俳句
折竹の暗きの底を出る蚊かな
夏雲に鳥たましいは真っ黒で
柿の幹より若葉蛇口として出るや
鴉朽ちて不可算になる分離かな
杏仁豆腐に射精して区別つかず
北半球無際限なる氷に虫
夏風に鼻毛散らして取り返せず
夏川の流れに沿ひて向き合ひぬ
竹林のN字の斜線やがて倒る
猫の毛の数千万の一飛びぬ
火の脱けし蚊遣ばらばらなる月夜
四千通の迷惑メール紅蜀葵
置き配を置く瞬間の秋思かな
ヤマト運輸迷惑メール架空の荷物これにて六個
いま談笑せし人の陰口白雨降る
白雨打つ車の人の黒きかな
階上のドア喘鳴を消しきれず
梅雨の逮捕者移送中なる笑み八重歯
土砂降りの中に書棚のある風景
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