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これが愛というのなら

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13歳年下の親友の望。 何もかも恵まれているような望に潜んでいた、「影」。 「望のためなら何でも出来る」 私にそう決意させた望との物語。
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2023年9月の記事一覧

【これが愛というのなら】オンナのチカラってやつ?

【これが愛というのなら】オンナのチカラってやつ?


元カノからの連絡

仕事は相変わらずだった。

望は会計も覚えて、医事課全体の仕事出来るようになっていた。

その頃から、理恵が頻繁に問題を起こすようになる。

繁忙期に長期休暇(家族旅行のため)。

したくない仕事の放棄。

新人虐め。

さすがに目に余ったのか、上司が厳しめに注意をすると、ドラマのようにその場で倒れ、ストレッチャーで運ばれていく。

診療科で涙ながらに訴えて、「2ヶ月の休養

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【これが愛というのなら】腐った病院の内情

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放科VS外科

私の勤めていた病院は、入社時のテストで担当部署が決められる。

高得点者は「会計」(お金を預かったりするのではなく、診療科から送られてきた伝票をもとに計算する)

次点「総合窓口受付」

3番目「カルテ作成」

4番目「会計窓口」(患者さんと実際にお金のやり取りをする)

5番目「カルテ搬送」

私は「会計」のトップとして仕事をはじめた。

理恵は「総合受付窓口」からだった。

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【これが愛というのなら】悪魔な美少女

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「見た目は少女、心は少年」

望は小柄、華奢で、カラーもしてないのにさらさらの茶色の髪を持っていた。

大きな瞳はいつもきらきらしている。

「なぎさーん」

仕事で困ったことがあると、大声で私を呼ぶ。

私は医事課の嫌われ者だったので、私になつく望も巻き込まれるかもしれないと心配していたが、望はそのような事は気にしないようだった。

心の機微に疎いというより、「儚い美少女の見かけ」に反して、

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【これが愛というのなら】飛び回るすずめ

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お土産外し

私は医事課の派閥に加わらない、浮いている存在だった。

面倒。

自分の仕事を完璧にこなせればいい。

誰にも最低限の挨拶はしてる。

私は孤独を恐れなかった。

最近知った「お土産外し」っていうのの、反対はされたことがある。

別に有給を使った訳でなく、土日に旅行に行ったら「お土産を買ってくる」風習が院内にあったのだ。

大きめの箱のものを買ってきて、休憩室に置いておいて好きに

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【これが愛というのなら】望との出会い

【これが愛というのなら】望との出会い


名前の由来

ミイコさんに、「私の親友」の話も読んでみたいと言っていただき、今日からシリーズで上げて行こうと思う。

私には、13歳年下で、来年知り合って20年の親友がいる。

noteでは「親友」で通している。

「そこに愛がなくてもよりそって生きているふたりの道」では「佳子」と書いてるが、当然本名ではない。

「すずめ」という名前でブログをしていた事もあるのだが、それでは呼びにくい。

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