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いまさらながら読書に目覚める

私がいちばん本を読んでいたのは中学生のときだ。
徒歩圏内に図書館ができたので、仲のいい友だちとヒマさえあれば図書館に通って手当り次第本を借りてきていた。
1 週間に 10 冊ほど読んでいたが、ベタな赤川次郎のほか、特に好んだジャンルは海外小説だった。

日本とはぜんぜん違う文化や背景、物語そのものが面白かった。
今となってはタイトルすらもう思い出せないものが多いが、ニール・サイモン戯曲集とヨースタイン・ゴルデルのものを好んで読んでいたことは覚えている。


『カード・ミステリー』は特に面白かったと記憶している。そしてプルプル ソーダが飲みたくてたまらなかった。


高校のときに打って変って純文学を読むようになってから、だんだん書籍を読まなくなって (マンガは相当読んでいた) いった。

ハリーポッターの『賢者の石』が出たときに、ひさしぶりに 「のめり込む」 ように読んだ。でも『炎のゴブレット・上』で止まっている。


その後は 30 代になってから『女王陛下のユリシーズ号』にハマった。


ただ 「続きがめちゃくちゃ気になる!」 と思いながらも、読み進めると 「あぁこの物語が終ってしまう!」 と、不思議な葛藤に苛まれながら読んだ。

すごく凄くいい本で、かなり印象に残ったのだけれど 1 回しか読んでいない。読み返したい気持ちは大いにあるのだが、結構メンタル削られる (?) ので、1 週間ほど休みを取ってから山ごもりのように食料も用意し、万全の体制で挑みたいと思ってしまうのだ。

読み終るまでは現実世界に引き戻して欲しくないのだ。
が、そんな 1 週間を確保できたことはないし、できたとしても旅行に使ってしまうので、結局実現できていない。


この本が日本語で出版されたのは 50 年以上も前になるのだが、未だに面白いし初期の翻訳の方が私は好きだ。
現代のものの翻訳はほぼ一緒だと思うのだけれど、微妙に変更されているようだ。
昔の文章なので多少の読みにくさはあるけれど、「これが翻訳された文章なのか!?」 と、最初から日本語で書かれたのではないかと思うくらい自然な文章である。

この本は確か 「読むべき 100 冊」 系のサイトで紹介されていたと思うのだが、それで読もうと思ったのか、それとも故・山岡洋一氏の下記のサイトを見て読む気になったのか思い出せない。

「おもむろに、もったいぶって」だけでもうぞくぞくするような訳文だ。原文がSlowly, deliberatelyであるのをみると、村上博基の筆の冴えは信じがたいほどだと思えてくる。ふつうなら「ゆっくりと慎重に」だろうか。

山岡洋一 「翻訳通信: 名訳」 より


山岡洋一氏の言う 「ふつうなら『ゆっくりと慎重に』だろうか」 というのはごもっともで、私もきっと 「ゆっくりと、わざとらしく」 と訳してしまうと思う。
(私は deliberately の最初の意味を 「わざと」・「故意に」 で覚えているため)

「わざとらしく」 と 「もったいぶって」 は似たような意味だが 「もったいぶって」 の方が言葉としては上品に感じるし意味深だ。
「もったいぶって」 という言葉を知っていても、これを適切な場所で遣うことはそんなに簡単なことではない。
私のように 「わざとらしく」 という言葉を見つけた途端、もうその他の言葉は探さなくなるからだ。

Amazon のレビューで 「この小説に一生のうちに巡り会えた人は幸運な人ではないか」 と書いていた方がいたように思うが、私も同意する。

多分、アリステア・マクリーンの原作が既に素晴しい。
しかしそこに村上博基氏の一流の日本語が加わることで、ある意味原作より素晴しい作品と言ってもいいのではないだろうか。
私たちは日本人であるがゆえに、この作品の良さ (原作の素晴しさ + 日本語の完成度の高さ) を理解できるのだ。


と思ったら、村上氏は『スマイリー シリーズ』も訳しているのか。
数年前、『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』という『裏切りのサーカス』で有名になった映画の原作を読んだのだけれど、めちゃくちゃ難解だった。


私が読んだのは多分村上氏の翻訳ではなかったと思う。しかし難解だったのはどうも訳者のせいではないようなのだ。
私は原書は読んでいないが、どうもこの作者 「ジョン・ル・カレ」 の文章は複雑な構成で、英語圏の人にとっても結構読解が難しいようである。

だからおそらく、訳者の問題ではないのだ。

確か全部で 500 ページくらいあった気がする。300 ページくらいまでは本当に何がなんだか分らないし、「あれ、これ何かの罰ゲーム?」 などと自分で混乱するくらい、何でこの本を読んでいるのか、本当に読みたいのか、読んだとて自分に理解できる能力があるのかすら分らなくなっていた。

しかし 300 ページを超えたあたりから俄然おもしろくなってきちんと読了できた。めちゃくちゃ疲れたけど。
映画『裏切りのサーカス』がまったく分らなかったため、この本で埋め合わせることでやっと合点がいった形だ。
そして映画と原作は多少設定が違う。

人に軽々しく勧められる作品ではない。いくら中身が重かろうと、私は『女王陛下のユリシーズ号』の方をおすすめしたい。


上記サイトで紹介されていた『日の名残り』も読んだ。


私はカズオ・イシグロ氏をまったく日本人だと思っていない。
彼の生い立ちから、6 歳に渡英して 60 年以上も向こうで暮しており、英国籍も取得しているのに、「日本人作家がノーベル賞を受賞!」 と言わせてもらうのはおこがましい気がしている。

これより前に『わたしを離さないで』の映画も観ていたし原作も読んでいた。


『日の名残り』も『わたしを離さないで』も、これまた日本語で書かれたかのような文章であった。
カズオ・イシグロ氏が日本語版も出したのかな? と思うくらい。

土屋氏がカズオ・イシグロ氏の翻訳を担当するようになる以前のエピソードがちょっと面白かった。


上記の山岡洋一氏がおすすめしている書籍もぜんぜん読めていないし、そもそも山岡洋一氏の訳書も読んでいない。


社会科に出てくるような書籍を訳されているので、おそらく読むべき 1 (~ 3) 冊なのだろう。


私には結構、昔から読みたい読みたいと思ってて読めていない作品が大量にある。
純文学を読んでいると、ほかの作品の名前も頻繁に出てくる。
国籍を問わず何世代も読み継がれているものも読みたいし、その書籍に出てくる書籍も読みたい。
そうすると時間がいくらあっても足りないような気がする。

「読む」 ことと 「頭に入れること」 はイコールではないし、頭に入れていても自分の血肉にできずに忘れ去っている本も多々あるだろう。
特にビジネス書とか、「○○ 便利帳」 みたいなものは、本当に 「読んだっけ?」 というくらい頭から抜け落ちている。


しかも最近、記憶が結構曖昧になってきて、「A は B だ」 という情報を昔どこからか仕入れてそれを覚えているのだけれど、今調べると 「A は C」 だと判明することがここ最近頻発している。

これは 「教科書が変更されたから」 とか尤もな理由があるわけではなく、例えばある有名人が山梨出身だと思っていた。
しかし実は練馬区出身だったのである。
一体何を勘違いしたのか。
20 年前、とある雑誌からその情報を意図せず入手し、「あ、へぇ~、山梨なんだ!」 と思ってから、そのまま記憶していたしパートナーにも喋っていた。

そのお陰でパートナーもその人物が 「山梨出身」 と認識していたのだ。

昨日、wiki で調べたところ、練馬区出身と記載してあったという話である。

んー、確か 「山梨」 って見た気がするんだけどなー。
でも 20 年前の雑誌を確認するには手間もお金もかかるし、それほど 「山梨と書いてあった」 ことを証明したいわけではない。どうせする相手はパートナーくらいなわけだし。


昔から勘違いして誤った情報を広める人に対し、「なぜよく確認しないのだろう ( Ꙭ )」 と思っていたが、まさに最近の自分がそれである。
したがってちょっと発言・発信するのが怖くなっている。

10 年前は 「ネットの情報なんて嘘ばかり」 という認識が主流だったように思うが、私は 「真実かどうか」 を確かめるためにネットに依存している。
何が正しくて何が正しくないか。見方を変えれば真実なんていくらでもあるように思うし、私には決められないことだらけだ。

しかしやはり、「正しくない情報を発信」 してしまうことについては慎重にならないといけないと思うのだ。


そして話を戻すけれども kindle unlimited にいまさらながら課金してみた。
いつもキャンペーンのときを狙って登録していたのだけれど (prime 会員なので prime reading もあるし、3 ヶ月 99 円キャンペーンなどもよく対象になっていた)、ちょこっと旅行本を見たいときなどでキャンペーンが開催されていないときにはちょいちょい登録しては、解約を繰り返していた。

しかし今回は初めて継続してみた。hulu も観たいものがあるときに登録 → 解約を繰り返している。そして今回 hulu を解約したので、同金額程度の kindle unlimited は続けてみようかなと思ったのだ。

昔の作品 (『車輪の下』とか『トム・ソーヤーの冒険』とか) も結構無料で読めるのだ。



『カラマーゾフの兄弟』は 1 話のみ無料。


そして kindle 端末も買おうか迷っている。
昔、無印 kindle を持っていたのだが画面があまりキレイではなく、バック ライトもないので手放してしまった。
今度は paperwhite がほしい。



冬場は風呂を溜めることが多いので、ちょっとヒマなのである。前はタブレットで動画を観ていたのだが、このタブレットが 10 年ほど前 (Xperia のタブレット。防水機能付き) のものなのでいい加減アプリが対応しなくなっているし動作は重すぎる。

Android のバージョンが 5.1 までアップデートできるそうなのだが、私は Windows PC も持っていない & ちょっとめんどくさいのと、文鎮化したら泣けるのでやっていない。
前も低スペックなネットブックを使って無理やりアップデートしたのだが、慣れない私には相当時間がかかって苦労した。
そして今のバージョンでは hulu は観られなくなったが、prime video はまだ観られるのだ。


しかし、今月すでに結構な金額のカードを切っているため、kindle の購入を見送っている。
「17,000 円で悩み続けるくらいならそのストレスがもったいないから買ってしまえ!」 と、普段の私なら思うところだが、家にある紙の本 (積ん読) を読み終ってからにしようと思った。
どうせこれらは kindle で読めないのだから。

また、私は SONY のリーダー ストアでも結構買っている。そうすると paperwhite で読めるのかもしれないけれど、スマホで読むよりはめんどくさい設定がいるだろう。

現在保持している電子書籍を Android の kindle アプリでも読めないこともないし、私のケース付きのスマホと kindle paperwhite では、スマホの方が若干軽いくらいだ。
でもスマホだと画面が縦長なので結構読みにくい。
目の移動が多くなるのだ。


昔、ブツ撮り用に下記のようなものを買ったのだが、一眼カメラを買ったこと & いまいちスタイルに合わず放置していた。


これにセットしたら、手でスマホを持たなくて済むではないか!
本当はプロジェクターで天井投影とかしたらラクそうだけど、またモノが増えるのが嫌である。
そして kindle paperwhite も収まりそうなサイズ感である。

手で持たないのだからスマホにも触りたくない。腕を上げたくないのだ。
ページをめくってくれるリモコンはないものか。

同じように考える人はいるもので、下記で情報共有してくれている方が! これだからインターネット様様。


そして、現在の MP3 プレーヤー & イヤホンから 4 代くらい前まで遡って有線/無線で試してみたけれど、上手く機能するリモコンは手持ちになかった😭😭

散々悩んで ↓ を買ってみた。

真ん中が、ハートなんよね……。


レビューは低いのだがページめくり機能での評価は悪くなさそうだったので。
翌日届いて 1,000 円程度のものはほぼなかったのだ。
数百円程度のものは多分、納期が 10 日以上あるので中国から直送されるのだろう。
せっかちな私は待っていられない。


なるほど確かに ↑ のキヤノンの商品は評価が高かった。しかし 4,500 円をホイッと買えるのならば、今私は kindle paperwhite の購入に悩んでいない。


という訳で怠惰な読書を叶えるために、明日リモコンが届くので楽しみだ。

そういえば perfect viewer のアプリを入れていなかったので、それで既存のリモコンが使えるか試してみるべきか。
前は自炊したマンガを読むのに別デバイスで使っていたが、スマホの小さい画面では入れる意味ないかなと思って入れていなかった。


こんな感じで結局読書がはかどらず、土日が終ってしまうのだ。

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