こころのこり 8/22~8/25
8/22
私は自分の感情を出すのが苦手だ。
よく言えば穏やかといえるが、ずっと心に何か残っている感じがするのは少ししんどい。
常に自分がいる空間を少し上の方から見ている視点があって、自分がはしゃいだり、怒ったりするのを客観的に見ているせいで、なんだか冷めてしまって、感情を出せない。
怒るときも、大声で叫んでみたくても、客観的に見ている自分がいてなかなかできないし、モノに当たるのは、これとは別に、この世にあるものすべてに心があると思っている私には、そのモノの気持ちになってしまってできない。
モノに心があると思い始めたのは、小学生のときからだと思う。
小学生の時は、校庭にある植物と話していた。
中学生の時は、体育館の前の柵とか、その下にある石ころと話していた。
本当に声が聞こえるわけではなくて、自分の中でなぜか会話が成立しているといったような感じだった。
そんなこんなで感情を表すことができないので、文章を書いて吐き出しているが、なにかもっと爆発的に表せるものはないんだろうか。
歌を大声で、感情をこめて歌うと、涙が出てくる。
でもそれはやっぱり不慣れで、まだ吐き出せない。
なにか自分に合う表現の仕方を見つけたい。
8/23
私が大学生になって家を出てから、うちの両親は以前よりも仲良くなった。
子育てが少しずつ終わりに近づいてきているのを肌で感じたのだろうか。
とはいえ、私は3人兄弟の一番上なので、まだ下の2人は実家で暮らしている。
父は定時で帰ってくるようになって、夜ごはんも一緒に食べて、夜は夫婦でお気に入りの恋愛ドキュメンタリーを見ている。
お風呂もこの歳になってだが、夫婦一緒に入ったりしている。
親が仲がいいというのはいいことだ。
まだ私が中学生のころ、母親の不倫で夫婦仲は良くなかった。
というのも、母はフルタイムで働きながら、小さな子供3人の世話と家事のすべてを担っていたし、父もそれに対して感謝している様子や一緒にやろうという雰囲気もなかったため、不倫しても仕方ないと思う。
一時はもう離婚しようかという話になっていたほどに大変だった。
さらに、私が幼くて、少し大きな病気にかかっているときに、父も不倫していたことを聞かされた。
私はこのとき、自分の両親も、そこらへんにいる男女だったんだと理解した。
「不倫は仕方ないこと。人間ならそうやっていろんな人に目移りすることもある。」と認識しないと、自分の親を肯定できなかった。
だから、今もその考え方は私に根付いていて、周りから批判されることも多い。私自身はこの思想を持ったことに対してネガティブな感情はないけれど。
でもそうするしか、当時、自分を守れなかったのだから、仕方ない。
それでも、父は不倫されたことで危機感(?)を覚えたらしく、そこから少しずつ母に優しくなっていった。
父も歳をとって丸くなってきたというのもあると思う。
それで今では一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂に入って、一緒に恋愛ドキュメンタリーを見るほどに仲良くなったというわけだ。
夫婦の仲がいいということは、本当にいいことだと思う。
こんな何気ない空間は決して当たり前にあるわけではなくて、不安定なごく普通の男女が作り出しているものなんだなぁ。
私は彼とどれくらい一緒にいられるんだろう。
私は結局東京に就職しようと思っている。
彼は福岡だから、もうあと7か月で離ればなれになる。
この7カ月をどう過ごすかは私たち次第、私次第だ。
8/25
また電波の届かないおばあちゃん家に行っていた。
台風の影響で、明日のうちに高知を出ることにしたので、急に帰省が終わってしまうこととなった。
帰省して、母が感情を出すようになったと感じた。
なにかと怒っているような表情や口調をしているように感じた。
もともと一切怒らないという印象の母だったので、今こんな風に感じるんだろう。
でも、変わったのは母ではないかもしれない、とも思う。
私の感度が上がって、人の小さな気持ちの変化に気付くようになったのかもしれない。
いいことなのか、悪いことなのか。でも少し生きにくくなった。
気付きすぎて、いい子でいなくてはいけないと思ってしまう。
自分の気持ちを主張するのが、以前より難しくなった。
私とは反対に妹は自分の意見を主張できる人で、嫌だと思えば態度と言葉ではっきり示す。その気持ちが周りの人をマイナスにしようが、お構いなしだ。
でも私にはそれができない。
周りの人をネガティブな気持ちにするくらいなら、自分が無理してでも折れたい。
私は怒りの感情に怯えているんだと思う。
その人の怒りを見てしまうと、どうしても距離をとってしまう。
その人の機嫌をとることが優先されて、私は休まらない。
でもひとりでいるよりはいい。
誰かがそばにいて、温かみを感じられるなら、そっちの方がいい。
でも安らぎたい。
こんな気持ちで一人暮らし、彼との生活に戻るのは不安だ。
ポジティブな気持ちで帰りたかった。
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