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詩・日記

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日々を徒然なるままに。自由に書いています。
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#詩のようなもの

5分間だけの

5分間だけの

帰路に着いて

駅に降り立ったその瞬間
ちょうど、プレイリストから大好きな曲が流れてきて。
足早に過ぎ行く人々を流し観ながら
誰の目にも留まらないような場所へ移動して。

ただ、目を瞑りイヤフォンだけに神経を集中する。

この一瞬のために自分は生きてるのではないか…
と錯覚さえする、
それくらい大切な5分間。

目をもう一度開けば
ほら、私も雑踏の
足早に過ぎ行く背景に戻るよ

プレイリストはもう

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あの夜を

あの夜を

忘れるわけないじゃない
あの夜からもう13年と10日が経ったけれど

かかっていたヴァーブの新譜も
食べかけのシーザーサラダも
借りたのに観なかったキューブリックも
一瞬で蘇るほど
あの夜は私たちの真後ろにいるよ

あの夜が寂しそうに呼んでいるよ
もう来てくれないのかい、って

カールの取れた毛先も
マニキュアの禿げた指先も
汗と安物のコロンの匂いも
一瞬で蘇るほど
あの夜は私たちの真後ろにいるよ

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