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作詞集・太陽と龍の追憶

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昔、バンドを組んでいた時に作詞したものや、新しく書いたものも含め こちらにて公開しております。 歌ってくれる人、使ってくれる人募集中です 詳しくはメッセージか、ツイッターのDMで… もっと読む
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#仕事

虹のように空のように

何も知らないことにして
気付かれなければいいとして
ちんまりと椅子に座って
顔色を見上げて暮らす日々を
終わりにしたくて椅子を蹴る

立ち上がって踏み出せば
冬晴れの硬い青空
何処までも行ける気がした

何も知らないふりをして
気付かれないよう過ごして
ひっそりと息をひそめて
顔色を窺って生きる日々を
逃げ出したくて走り出す

息が上がって立ち止まれば
燃えるような夕焼け
何処へでも行ける気がした

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汚れた焔

疲れ切っているんだよ
誰にも言えやしないけど
不安に潰されて
不幸に酔いしれて
板挟みの日々を
噛み締めているんだよ

ぼんやりと見上げた夜明け前の空に
あんな丸くて白いお月様が
浮かんでいるんだなあ

草臥れ切っていたんだよ
誰にも言えやしなかった
不満に頷いて
不信に怯えてる
つまらない日々を
やり過ごしているのにも

ぼんやりと閉じた目玉の奥に
こんな広くて暗い世界が
広がっていたんだなあ

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夏過追雨

光の混じった曇り空から
夏が追いかけてくるように
パラパラと
やがて土砂降りの雨が降り出した
夏が名残惜しむように
バックミラーの向こうが霞んでしまうほどの
土砂降りの雨が降り続く
冷たい風が運ぶのは
夏の向こうに消えた日々

どうしてこんなことしてるのか
汗でダラダラベタベタの
自問自答
どうしてこんなことになったか
眩暈と迷いと後悔の
自問自答

光の差し込む曇り空まで
手を伸ばしてみたけれど

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陸(おか)の生活

青白くて涼しい街で
板につく早寝早起き
地に足を付けています
行ったり来たり勤め人

真実なんてどこにもない
ただ連なる事実の連続と
積み重ねた所業の数々を
後で見て誰かが嘘を吐く

朝早くの静かな街
目を覚ます今日も
根を張り伸ばします
すっかり僕は勤め人

絵空事なんて言わせない
さざなみを繰り返す海の
懐の深さを思う日々さえ
陸に上がって初めて知る

僕はここで 四角い小さな場所で
波風たた

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平社員

その日もあたしは残業して
くたばりきって帰ってきた
牛丼屋と弁当屋を見比べて
お惣菜だけ買ってきた

溜めこんでいたのは
仕事と貯金と
溜まっていたのは
ちょっと憂鬱

仕事がナンだと平社員
夜が更ける
あたしをナンだと平社員
顔が老ける

その日のあたしが担当した
仕事に心がこもらない
商談して相談して連絡した
だけど何もわからない

逃げ出してしまえば
仕事も貯金も
溜まっていたんだ
ちょっと

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