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大人こそ理解が必要?「道徳」でも学ぶ、アンコンシャス・バイアス研修を実施しました

「アンコンシャス・バイアス」についてご存知でしょうか。社会人だけではなく、今では小・中学生の道徳の授業でも扱う、年齢問わず現代の共通言語と言えるテーマです。

「血液型をきいて、相手の性格を想像する」
「“親が単身赴任中です”と聞いて、まず父親を思い浮かべる」
「お酒が飲めない社員は付き合いが悪いと思う」

上記の例は、すべてアンコンシャス・バイアスから起きている可能性があるそうです。

アンコンシャス・バイアス(unconscious bias) とは、日本語で「無意識の偏ったモノの見方」のことです。他にも、「無意識の思い込み」「無意識の偏見」「無意識バイアス」等と表現されることもあります。

内閣府男女共同参画局 資料より

電通ランウェイでは昨年、株式会社アールナイン様を講師に迎え「DE&I研修(アンコンシャス・バイアス)」が開催され、全社員が参加しました。今回は、広報チームのIがその様子をご紹介します。

DE&Iとは、ダイバーシティ(多様性)エクイティ(公平性)とインクルージョン(受容・活用)からなる言葉ですが、電通ランウェイでは「一人ひとりの違い(ダイバーシティ)を尊重し、公正・公平(エクイティ)をまもり、誰ひとりとりのこすことのない社会(インクルージョン)を、力を合わせて実現していく」ことを目標として、さまざまなテーマで社内勉強会や研修をおこなっています。

その中でも、エクイティ(公平性)の阻害要因となるのが、このアンコンシャス・バイアスだそうです。これはわれわれが無意識に自分にとって都合の良い解釈をすることで、脳にかかるストレスを回避しようとすることから起こると言われています。

「DE&I研修(アンコンシャス・バイアス)」を実施した目的

研修の実施目的は大きく分けて三つ。

①   電通ランウェイ社員が「広告」に携わる社会人としてDE&Iを正しく理解することが必要な理由を、実際に起きうる場面の紹介なども例に出して学ぶ。
②   アンコンシャス・バイアスについて、無意識の思い込みとその弊害やケーススタディおよびバイアスが表れやすい言動について学ぶ
③   上記をふまえてディスカッションなどもおこない、アンコンシャス・バイアスについて「意識し、気づく」きっかけをつくる

研修を受けたランウェイ社員の声

「DE&Iへの理解がより深まった」

思い込みで視野を狭めている可能性、周りに不快感を与えている可能性に気づくことができた。

自分の言葉が思わぬ捉えられ方をする可能性 があるというのも改めて意識するいいきっかけとなった。

"若いですね"=ポジティブに受け取らない人もいる、という例がまさに自分が言ってしまったことある!ということだったので気を付けようと思いました。

「正しく理解し、コミュニケーションを深めていけるように」

自身でも本当に意識に上らないバイアスについて、改めてのきっかけとなりました。一方で何も言えないようになってはコミュニケーションの会社としては問題と思うので正しく理解し、コミュニケーションを深めていけるようにしたいと思います。

「オーバーコンシャスとならないよう、聞くことを重視したい」

何かアンコンシャスに当たるのか、コンシャスしすぎてもオーバーコンシャスとなりコミュニケーションが成立しなくなることもあるかと感じている。言いたがる人が多い会社の中で、まずは人を知ることからなので、「聞くこと」を重視したいと思った。

アンコンシャス・バイアスとの付き合い方とは

「アンコンシャス・バイアス」「無意識バイアス」についてどれくらいの方が意識しているのだろうかと、例えばnoteで検索してみたところ6,700件もの記事があり驚きました。また佐渡島康平さんなど著名人も、重要なテーマとして日頃より言及されています。

今では義務教育年代でも向き合うテーマとなっている一方で、もしかしたら我々大人の方が学ばなくてはいけないかも知れないこのバイアスとの付き合い方について、佐渡島康平さんが著書「観察力の鍛え方」の中で述べていた、印象的なフレーズを述べていたので紹介します。

大切なのはバイアスから逃れることではない、ということ。自分は認知のバイアスを常に受けていると自覚して、それを意識しながら物を見たり判断をしたりすることだ。

佐渡島康平『観察力の鍛え方』(SBクリエイティブ、2021年)より抜粋

思い込みは誰にでもあるもの。自分自身に潜むバイアスを認識し、意識して改善していくことが第一ということは、研修を受けての大きな学びでした。

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アンコンシャス・バイアスは、組織においても一方的な偏見や思い込みによって多様性の推進を阻害するほかに「メンバーのモチベーションを下げてしまう」「ハラスメントが起きてしまう可能性がある」など、さまざまな弊害があります。

それらを防ぐためにも、まずは「アンコンシャス・バイアスを知ること」がスタート地点であり、自分はどうだろうかと「意識する・気づく」ことを経て、具体的に「対策・改善する」という行動に移すことができます。

チームで明るく向き合うことで団結を

他人のバイアスには気づくが、自分のバイアスには気づきにくい。しかし、組織の中であれば、個々のメンバーが欠点を補いながら、バイアスの影響を最小限にとどめ、理性的な意思決定を下すことができる、とオリヴィエ・シボニー氏も著書『賢い人がなぜ決断を誤るのか?』(日経BP、2021年)で述べています。

研修では「チームでお互いの思い込みを伝え合う」ことや「どう解釈したか確認し合う」「これってアンコンシャス・バイアスかな?を合言葉にする」といった方法がおすすめだとも教わりました。こんな風に、明るく指摘し合うのであれば今日から取り組めそうですね!

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今回研修にご協力いただいた、株式会社アールナイン様の詳細はこちらからご覧いただけます。

株式会社アールナイン

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