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【内科専門医が解説】痩せ薬飲む?飲まない?


その人の好きなものや生活スタイル、食事や趣味まで。できるだけその人をたくさん知る。そして病気ではなく、その『人』を診る。現代の日本のような”治療=西洋医学”ではなく、自身の自然治癒力を高める栄養療法なども用いた【バランスメディカル】の重要性を伝える『病気にさせない内科医』るり先生。問診や血液検査などにより疾患の原因を追究し、その原因に対する根本的治療を行っている。2021年から栄養療法を開始 ライナスポーリング博士の提唱する分子整合栄養医学を医療に取り入れた観点からのバランスメディカルを展開する。がんや糖尿病、リウマチ疾患、精神疾患まで幅広い患者を治療している。


“痩せ薬”と呼ばれ、処方される薬はクリニックによって様々です。

確かに痩せるかもしれないけど、それ痩せ薬として使っちゃうの?という薬を処方しているクリニックも多々あります。
内科医としては、美容クリニックがそれらを処方してどうやって副作用をチェックしているんだろうと心配になります。オンラインで処方してもらえるところもありますよね。
なんて無責任なって思っちゃう。
きちんと責任を持って、血液検査などもしながら副作用をチェックしているならまだしも。

どの痩せ薬が良い?


私が唯一おすすめするのは、
GLP-1受容体作動薬です。

その理由はアメリカなどでは肥満薬として保険適応も通っていて、エビデンスが確立している薬だからです。

さらに2024年2月に3人の有名な老化学者によって最新の論文【Human trails exploring anti-aging medicines】も出されました。
そこには【ヒトに対する臨床試験で注目されている抗老化薬8選】が記載されており、GLP-1受容体作動薬がその中の一つにランクインしています✨

GLP-1ってなに?

小腸から分泌される、誰もが持っている
「痩せホルモン」❣️
なぜ「痩せホルモン」と呼ばれるのか。
その機序は簡単に述べると以下の通りです。

①血糖値の急上昇を抑える
GLP-1には、胃から小腸への食べ物の移動を遅らせる作用があるので、胃の内容物をゆっくり消化して血糖値の急上昇を防止します。
血糖値の急上昇してしまうと、脳は「早く血糖値を下げなくてはいけない」と判断し、より多くのインスリンを分泌します。
インスリンは実は【太るホルモン】なんです。
インスリンは余った糖を「中性脂肪」に合成し、皮下脂肪や内臓脂肪に貯蔵してしまう作用があります。
なので血糖値が急上昇するほど、脂肪を溜め込みやすく、太りやすくなってしまいます!

②食欲の抑制
GLP-1には、脳に働き、食欲を自然に抑える働きがあります。食事中に満腹感が得られ、お腹が空きにくくなります。食事量を抑えることで、自然に体重減少につながります。
また①の通り、消化がゆっくりにもなるので、その作用もあり満腹感が持続しやすくなります。

このような作用により、GLP-1受容体作動薬によって安全に痩せることができます。だって元々身体の中にあるものを補充してるだけですもん。

ただ私が推奨する理由としては、”痩せ薬”として良いからだけではありません。
GLP-1受容体作動薬には“抗老化”、”アンチエイジング”の効果があるからです。

GLP-1受容体作動薬は抗老化薬にもなる?

YES!

抗老化薬となり得る理由は、GLP-1の生理機能には様々な良い効能があるからです。

例えば、
①肥満を解消すること
先ほど述べた通り。これは、当然全身の炎症を防ぐことに直結するので、アンチエイジング効果絶大です。
②体内のコレステロールや中性脂肪を低下させる
その結果、抗酸化作用、すなわち抗動脈硬化作用を有する。
③心機能を保護する効果
④脂肪異化は促進するが、筋肉異化は起こさない。つまり筋肉は維持させながら、脂肪を落とすことができる✨

これらの効果により、GLP-1受容体作動薬は抗老化効果を発揮します。

GLP-1受容体作動薬を病気の予防に。

そんな中「病院では糖尿病の薬なのに、自費で、糖尿病でもないのに、痩せるために使うなんて。」
という意見もよく聞きます。

もちろん明らかに適応がない人
例えば既に細いにも関わらずあともう少し痩せたいという本当にただのダイエット目的でしかない人。
そういう方には、私は処方しません。

ただそれ以外一般的に”ダイエットが必要な人“は、使って良い、むしろ病気の予防のために使うべきだと思っています。
”ダイエットが必要な“状態を放っておけば、【糖尿病】と診断がつく人も出てくるでしょう。
もちろん診断がつけば、保険で安く薬が処方できます。
安く薬が処方できるのは良いですが、高確率で病気になるのがわかっていたにも関わらず、病気になるまで診断がつくのを待つんですか?
太っている状態はなによりも老化や病気の原因になるのに、その状況を積極的に改善させなくていいのでしょうか。
それって医者としてどうなんだろうと思うので、私は予防的に早めに使うべきだと思っています。

みんな痩せるのか?

これは関しては、NOです。
少し専門的ですが、インスリン抵抗性が高い人が痩せやすいです。インスリン抵抗性は私は処方する患者さんには血液検査でチェックしていました。
効かなさそうな方がダイエットのためにだらだら飲んでももったいないですしね。
また服用方法もとても大切です。
他院のオンラインで処方してもらった方で、全くポイントとなる正しい飲み方を説明されていない方もおられました。

薬以外の方法はない?

先ほど、GLP-1は小腸から分泌される、誰もが持っているものだと説明しました。
すなわち、GLP-1を小腸からたくさん出すようにすれば、痩せやすい体質になります!
どうやったら腸からたくさん分泌できるのか。

以前私が講演した際のスライド

GLP-1は、食物繊維を腸内細菌が食べることによってできた短鎖脂肪酸によって、分泌されます。
すなわち、この流れをたくさん作れば、自分自身でGLP-1を身体の中でつくることができるんです。

痩せやすくなる食事のポイント

①栄養素

GLP-1をたくさん出す食事をすれば良いです。
基本的にはどんな食べ物でも腸に到達するとGLP-1の分泌がはじまりますが、


より効果的な栄養素は
①食物繊維
②善玉菌
③EPA
です。


イメージはオリーブオイル、魚介類、全粒穀物、ナッツ、ワインなどを多く含む地中海料理。
地中海料理にこだわらずとも、上記の栄養素をしっかり意識することがGLP-1を増やすポイントです。
EPAについては、以前記事で紹介しています。

②朝食

実は朝食がGLP-1分泌に重要です!
朝食の摂取がすることで、昼食前と夕食前のGLP-1濃度を上昇させてくれるのです。

リバウンドしないために!

せっかく飲んだのに、内服をやめるとリバウンドしてしまってはもったいないですよね。
そんなことにならないように、いつも私が伝えるのは、同時並行で腸内環境をしっかり整えること、栄養素を整えること!
そうすることでやめた場合でも自分の身体からGLP-1を出せるようにしておけば、リバウンドのリスクは格段に下がります。
私の患者さんでリバウンドが少ないのは、この辺りを徹底してもらってるからかなと🤝🏻。


  • 自分が痩せ薬に向いているのだろうか?

  • 今飲んでいるけど、イマイチ効果がない

  • どのようにやめていくべきかわからない

  • 他に自分に向いてるおすすめのダイエット法は?

などなど、気になる方はオンラインで気軽に相談してください🩺🤍

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