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防音性能が高いと住み心地が良いんです

住宅の性能表示というものをご存じでしょうか。 国土交通省では次の10分野での性能を表示するようにとしています。 ① 構造の安定に関すること(必須) ② 火災時の安全に関すること ③ 劣化の軽減に関すること(必須) ④ 維持管理・更新への配慮に関すること(必須) ⑤ 温熱環境に関すること(必須) ⑥ 空気環境に関すること ⑦ 光・視環境に関すること ⑧ 音環境に関すること ⑨ 高齢者等への配慮に関すること ⑩ 防犯に関すること このうち、表示が必須とされるものは太字の4項

    • 家づくりに仕事の作法を持ち込まなければきっとうまくいく

      家づくりって仕事に似ている、という言説をよく見聞きします。「家をつくるときにまず要求仕様書を書きましょう」とか「家づくりに対する要件定義を明確に」とか、そういうものです。 確かに、頷けるところもあるように思えなくもないのですが、さてほんとのところ、どうでしょうか。 家づくりと仕事の作法って言うけどそれ何? 先ほどから家づくりと仕事の作法と言ってますが、つまりどういうことかと言いますと、注文住宅を建てたい人がHMや工務店と家を建てるまでの主に設計の段階でエンジニア的なものを

      • 太陽光パネル、乗せますか?乗せませんか? - エネルギーの話

        今どき、太陽光発電を付けないなんて…… 時代遅れなんじゃ?遅れているどころか逆行しているんじゃ?エネルギー問題に無関心すぎるんじゃ?利便性が著しく下がるんじゃ?住み心地の悪い家になるんじゃ?お金をドブに捨てるようなもんなんじゃ? とお思いの方に、太陽光発電を付けない選択を後悔なくしていただくためのエントリです。 ※付けるか付けないかは個人の自由ですし、このエントリで「付けるなよ!」と言いたいわけではありません。僕個人の意見では、付けたければ付ければいいし、付けたくなければ付け

        • C値0.2の家(未計測)と計測の意味

          我が家は、C値がおそらく0.2くらいです。たぶんそれ以下なんですが、計測していないのでそれ以下です、と断言することはしません。きっとそれ以下な気がしますが。 計測は断りました。というか、希望しなければ測らないわけで予算が節約できます。そして計測したところで、その数値を10分の1まで知ったところで特に何かが変わるわけではないと思ったからです。 未計測なのになんでC値が0.2(くらい)だと言えるのか お願いした工務店が、以前より何度も計測しているが、普通に作ればいつも0.2程

        防音性能が高いと住み心地が良いんです

          高気密高断熱住宅の冬のリアル

          我が家は高気密高断熱の家です。建てた工務店がそこに情熱を注いでいるので、そうなってしまいました。 もちろん、快適な住まいのほうが良いに決まってますので、冬も寒くない家がいいです、という注文は出しましたが、想像以上に冬にあたたかい家が出来上がりました。では、今日(12月20日)現在、どのような暮らしができているかレポします。 ざっくりと断熱の仕様を紹介します 床はベタ基礎の上に断熱材の上にモルタル、床下はありません。空気層を作らずにモルタルの上に床があります。 壁は内断熱と

          高気密高断熱住宅の冬のリアル

          住宅の最新の設備、仕様、流行と陳腐化の罠

          ファッションに流行があるように住宅にも流行があります。 車の性能がどんどん上がるように住宅の性能もどんどん上がります。 スマホでいろんなことができるようになったように住宅も多機能化しています。 最新、最高のものを詰め込んだハイエンド(?)の住宅が最も良い、と言えるでしょうか。 陳腐化の罠 先に結論を書いておきますが、ものごとはすべていつか陳腐化します。サイクルが短いものほど、早く陳腐化します。陳腐化は避けられない大きな問題なのですが、住宅をつくるときに意外と考えられない問

          住宅の最新の設備、仕様、流行と陳腐化の罠

          街のキャパを越えた分譲地は限界ニュータウンになる

          住宅用として販売されているのに、水没しそうだとか、がけ崩れが起きそうだとか、住宅を建てるのに不適な土地というのは存在します。もちろんそんな場所にわざわざ新しく家を立てて住むということは無いと思うのですが(もし「ちょっと安いな」とか「そうそう災害は起こらないよ」とか考えて購入しようとしている人がいたら全力で止めて下さい)、住宅に適した土地ならばどこでもOKかと言いますと、そうではありません。分譲地でも、主に将来性という面から、購入に不適という土地はあるのです。 限界ニュータウ

          街のキャパを越えた分譲地は限界ニュータウンになる

          窓、窓、窓。もっと真剣に考えたい窓のこと。②FIX&トリプルを基本に

          樹脂サッシのトリプルガラスにしましょう。できるだけFIXにしましょう。 そのうちクアドラブルが実用化されるかもしれませんが、現在のところ、普及しているものの中ではトリプルガラスが最も層の多いものでしょう。そして断熱ということに関して言えばFIXが最も性能が出ます。 というわけで、窓はFIX&トリプルを基本に考えていきましょう、というお話です。 樹脂トリプルのすごさ このYKKのページを上から下まで読んでいただくと、トリプルガラスにしたらどのようなメリットがあるかわかってい

          窓、窓、窓。もっと真剣に考えたい窓のこと。②FIX&トリプルを基本に

          水回りをキレイに保つただ一つの方法はマメな掃除だけ

          よく掃除が行き届いた、ホテルのお風呂に入るのが好きです。すべてのホテルがそうであって欲しいのですが、少しでも汚れがあると気になるタチですので、ピカピカのお風呂をキープしてもらいたいものです。ハズレのホテル(のお風呂)だったときのガッカリ感たるや・・・。 というわけで、オープン間もないホテルか、ちょっとお値段が張ってもしっかりとしたサービスを受けられるホテルに泊まるようにしています。 では自宅のお風呂をピカピカにしておくにはどうしたらいいでしょうか。洗面台は、キッチンは、トイレ

          水回りをキレイに保つただ一つの方法はマメな掃除だけ

          窓、窓、窓。もっと真剣に考えたい窓のこと。①引き違い窓

          窓を考える会社、というキャッチコピーがあります。YKKでしたっけ。 このシリーズでも窓を考えてみようと思います。ですがシリーズと言いながら何回続くのかは神のみぞ知るです。そのシリーズの最初の一回目の初回は引違い窓についてです。最初にネタばらししますが、個人的には引き違い窓を無くしたいです。街を歩いていても引き違い戸に出会うことが大変多いわけですが、全部撲滅したいです。百害あって一理無しとまでは言いませんが、理が3か、4くらいしか無いと思います。引き違い戸、やめましょう。 引

          窓、窓、窓。もっと真剣に考えたい窓のこと。①引き違い窓

          Less is more cleanable(減らしたほうが掃除が楽)

          Less is moreとは、ル・コルビュジエやフランク・ロイド・ライトと並んで近代建築の巨匠と称されるミース・ファン・デル・ローエの言葉です。 ドイツと言えばバウハウスが有名ですが、ミースは、そのバウハウスの校長も務め、その後アメリカに渡りシカゴで活躍しました。 Less is more cleanable(減らしたほうが掃除が楽) Less is more(減らしたほうが豊か)かどうかはその人に因りますので、ミニマリストになれと言うつもりはありません。しかし、Less

          Less is more cleanable(減らしたほうが掃除が楽)

          あなたの常識は世間の非常識(標準仕様を蹴っ飛ばせ)

          もしあなたが身長2メートル20センチで、家族も全員2メートルを超える高身長だとしたら、注文住宅を建てるときに「ドアは192センチが標準なので、すべてのドアを192センチにしますね。通るときにはちょっとかがんてください」なんてこと言われても困りますね? あなたの生活の完全な理解者はあなた自身です HMのプランナーが、工務店が、設計事務所が「こんな間取りが一般的です」と図面を出してきても、また「こんなオプションが人気です」と勧めてきても、「こんな仕様が価格と性能のバランスがい

          あなたの常識は世間の非常識(標準仕様を蹴っ飛ばせ)

          それは一日あたりいくらで使えるんですか?

          一回あたりでもいいんですけど。 家って、この先ずーっと住み続けるじゃないですか。ということは、家の値段を一日あたりに直すとすごく安くなるんですよね。 同じようにその設備、その仕様、その機材は一日あたり、一回当たりいくらになりますか? という話です。 償却という考え方 償却という概念があります。例えば、3500万円で建てた家の場合はこうなります(35年で償却するとします。金利は考えません)。 買った年に3500万円の資産があります。 二年目には資産は3400万円に減って、1

          それは一日あたりいくらで使えるんですか?

          家を建てる、買うと思ったら考えたほうがいいこと

          家を建てる、買うというのはすごく大変なことです。僕自身、二軒の家を建てて、また父も兄も家を建てて、金銭的にも労力的にも、もう二度とやりたくないと思うくらいの大変さだと実感しています(なのに二軒目を建ててしまったわけですが)。 そんな大変なことなので、家を建てよう、買おうと思ったらまず考えてほしいことがあります。 ※つぎに考えてもらいたくないことを書いたりしますので、具体的な話はまだ先ということになりますね。「早くとっておきの情報出せやコラ」などとお思いの方はしばらくお待ちくだ

          家を建てる、買うと思ったら考えたほうがいいこと

          ハウスメーカー対工務店、ファイッ!

          このnoteをここまで読んでいらっしゃってる皆さんは、注文住宅を建てようかなどうしようかなと思ってらっしゃる方が多いかなと思っています。 では、注文住宅、ハウスメーカーと工務店、どっちで建てたほうがいいの? という話です。 ただし、工務店の場合には設計事務所に設計を依頼して工務店が建築を請け負うというパターンがありますがそれは除外します(設計事務所で家をつくる、というパターンはいずれ別記事で書こうと思います)。 HM対工務店どっちがいい問題→結論:その人によります 身も蓋

          ハウスメーカー対工務店、ファイッ!

          お題企画「私の学びなおし」に乗っかってみる、行動経済学(損失回避バイアス)

          お時間があればこちらのリンクを見ていただきたいと思います。 https://note.com/info/n/nd49d6f2f91b0 お時間のない人のために要約しますと、noteの企画で、國學院大學がその企画の後援をするので、どしどし応募してね、ということです。 たまたまnoteを開いたら目についたので、せっかくなので、その企画に乗ってみることにしました。 私の学び直しは「経済学」です 数年前から、大学に在籍しています。といっても社会人であり、通学する時間は取れない

          お題企画「私の学びなおし」に乗っかってみる、行動経済学(損失回避バイアス)