doyoubi(Kaoruko Seya)

編集 / ライター。記事を書きながら、鎌倉の店や全国のイベントでマフィンを焼いています…

doyoubi(Kaoruko Seya)

編集 / ライター。記事を書きながら、鎌倉の店や全国のイベントでマフィンを焼いています。季節の野菜をメインに使い日替わりで焼くマフィン。その着想など日々の記録です。 https://www.instagram.com/doyoubi_muffin/

マガジン

  • 食のよもやま話

    doyoubiとしてマフィンを作るライターの店主が、日々考えた食のこと、食べたもの。マフィンの手前にある頭の中の記録です。

  • マフィンの記録

    週に1.2度オープンする鎌倉の店。その日焼いたマフィンの記録、考えたこと、お客さんとのやりとりを気まぐれに綴ります。

  • 野菜を知る。旅とマフィンのレシピ

    doyoubiの食材を巡る旅とマフィンづくりの記録。 作り手の方を訪ね、食材を体験し、感じたこと。それがマフィンになっていくまでの過程を残していきたいと思います。

最近の記事

  • 固定された記事

3/26(火)物語のあるマフィン

あっという間に更新が1ヶ月も空いてしまった。いま頭の中にある考えがうまくまとまらず、下書きがいくつも残ったまま。 今年は書籍にはじまり、今までのdoyoubiとは違う取り組みが増えて、いろいろな状況が動いていて、大きな変化のさなかにいる。 同時に、マフィンに対する認識も、自分の中でかなり変化しつつある。それをうまく言葉にできなかったけれど、今頭の中にあるイメージをとりあえず出してみる。 最近、マフィンをとらえる自分の視点が変わってきた。きっかけは書籍や、ここ最近のイベン

    • キャロットケーキを焼かない理由

      この頃、doyoubiに初めて来てくださったお客さんから「キャロットケーキはないんですか?」と立て続けに尋ねられることがあった。 キャロットケーキを店でコンスタントに焼いていたのは、1年近く前。今は年に数度、イベントの時などごく稀にしか焼いていないので、おそらく最近問い合わせが増えたのは、どなたかが、以前のキャロットケーキを最近SNSに投稿されたからだろうと思う。 その度、今は焼いていなくて、今後も定期的に焼く予定はないことを伝えている。それをお目当てにわざわざ鎌倉の奥まで

      • 3/1(金)組み合わせとはなにか

        私はいま、週の5日くらいをライターとして記事を書いたり編集から任せてもらって記事を作ったりしていて、 その合間に週の6.5日くらいマフィンのことを考えている。 足すと11.5日になるが、もちろん週は7日なので、日々どちらもをいったりきたりしながら過ごしているような状態である。 マフィンをdoyoubiとして作り始めて丸5年、基本的に始終味の組み合わせのことを考えている。これがどの仕事より趣味よりも自分の頭の中を占めているかもしれない。「考えなきゃ」と追われながら考えるときも

        • 2/21(水)ありあわせの可能性

          朝から自動車教習所へ。今年は出張やイベントなど一人でも車で行きたいと考えていて、免許取得に重い腰を上げた。今週末が卒業試験。この歳で自分が免許をとろうとするなんて人生は思いがけない。 帰宅して昼はありあわせのスープに、以前お客さんから頂いたイングリッシュマフィン。スープは冷凍庫に残っていた息子用のミックスベジタブルと野菜ペースト(どちらも生協のものだが、買ったものの子が全く食べなかった。そんなものがまだまだある)をいよいよ処分するためにコンソメベースでスープにする。 何か動

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        3/26(火)物語のあるマフィン

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        記事

          2/19(月)れんこんは白い味がする

          先週の土曜は店のオープン。れんこんはきなことからし味噌、白菜はだし汁とアカモクと生姜を混ぜたマヨネーズにしてマフィンを焼いた。 れんこんのマフィンはきなこを混ぜた香ばしい生地に、蒸したれんこんとからし味噌(甘味噌に粉がらし)を入れた。蒸したれんこんを食べたときに、白い味がするなと思った。これは白い野菜全般に共通すること(里芋、大根、かぶ・・)なのだけれど、おいしいのだけれどおいしさがわかりづらい。言葉にしづらくて儚い。咀嚼しながらも他のことに気を取られていたら気付けないよう

          2/19(月)れんこんは白い味がする

          2/9(金) 埼玉県小川町、横田農場へ。

          昨年の秋にイベントでマフィンを焼いた、埼玉県小川町へ行ってきた。朝いちの電車にのって鎌倉から2時間半、目的地は横田農場さん。 横田農場は無農薬・無化学肥料で多品種の野菜を作っている農家さん。その多くが育った野菜から種をとり、それを蒔き次の野菜を作る種とりで作られていて、地域の在来野菜など、種を継ぐことで大切に作り続けている農家さん。 私が畑に行くと、いつも話をするのは長男の岳さん。農家に生まれ、ご両親と弟さんとともに日々野菜を作っている岳さんの話はとても面白い。知らないこ

          2/9(金) 埼玉県小川町、横田農場へ。

          2/7(水) 執念の納豆鍋

          わが家は納豆食いである。 おととい撮影が終わって帰宅し、どうしても夕ご飯に納豆が食べたかった。 なのに冷蔵庫を開けたらたくさんあった筈のそれがない。 今朝私が仕事に出た後に、息子の朝ごはんに最後の1パックを開けたらしい。がーん。どうしても食べたいときに、納豆には代わりの味がない。どうしても納豆なのだ。その晩はしかたなくあきらめる。(もちろん夫に小言を言いながら) 翌日のスーパーでいつもの納豆(うちはたいてい、くめ納豆。夫が茨城出身でこれしか食べないという。わたしは納豆なら

          2/7(水) 執念の納豆鍋

          2/5(月)くず野菜のポタージュ

          今日から書籍の撮影。あいにくの天気だったけれど店の光は晴れの日よりも安定していて、24種のマフィンがなんとか撮り終われてほっとした。嬉しかったのはデザイナーさんと写真家さんが楽しそうに撮影をしてくれていたこと。写真もデザインもマフィンも全てがひと続きになってできる本なので、バトンを受け取るような気持ちでマフィンを焼いていて、バトンが楽しそうに回されているのを見るのがいちばんのやりがいになる。 体調は昨日からいまいちで、息子の胃腸炎が淡く映っているもよう。昨日は久しぶりに食欲

          2/5(月)くず野菜のポタージュ

          2/2(金)大根と豆のカレー

          今日はweb取材が2件と、打ち合わせが1件。どれも1時間ずつと短いけれど、細切れに日中に入ると、それだけで他になにもできなくなるような気がしてしまう。かたわらで、明日の営業でマフィンに使う、在来大根と在来大豆のカレーを煮込んでいる。 大きな圧力鍋一杯で作る予定だったのだが、今すでにコンロで2台分の大根と大豆が火にかけられている。元は大根だけで作る予定が、明日は節分だなとふと思ったら大豆を無性に入れたくなり、小川町で買っていた大豆を水で戻し、急遽加えたらこんな量になった。マフ

          2/2(金)大根と豆のカレー

          1/31(水) 1月の食の振り返り

          1月は信じられないほどウイルスにやられたひと月だった。 息子はインフル→インフル→胃腸炎で2週間保育園をお休み。なんてこった! 家族で仕事と子育てをつなぐようにバトンを回しながら、なんとか乗り切った。私も何度か発熱したが、もはやそれすらいつだったのか覚えていない。 そんな1月おいしかったものを思い出す。 ・横田農場さんの玄米もち お正月に食べた横田農場さんの玄米もち。 横田さんはお米も作っている農家さんなので、年末に手製のもちを販売している。私は迷わず玄米もち。 大晦日に

          1/31(水) 1月の食の振り返り

          11/3 京都府京丹後市のマフィン

          11月頭、京都府の最北端、日本海に面した京丹後市へマフィンを焼きに行きました。 常連のお客さんが地域のコーディネーターをしていて、京丹後にオフィスがあるので来てみませんかと。その地で観光事業をしている方と繋げたいというお話と、地元のお祭へのお誘いを頂き、行ってみることに。 京都駅からさらにバスで2時間、鎌倉からは6時間半はかかる京丹後市。こんな機会がなければ二度とご縁がなかっただろう場所です。 行きの足は、関係者の方のはからいで、京丹後の外国人向けツアーに特別に同乗させ

          11/3 京都府京丹後市のマフィン

          doyoubi のこと

          noteを通じて見つけてくださった方に、改めて自己紹介を。 doyoubi は店主の私、瀬谷薫子がマフィンを焼く活動の屋号です。 普段はinstagramで、鎌倉の店で焼いたマフィンや、素材になる野菜を作る農家さんのお話を更新しています。 マフィンと言ってもメインの食材は野菜で作っていて、 焼き菓子というよりは食事になるような、サンドイッチやおにぎりに近いマフィン。 固定のメニューはなく、日々仕入れた野菜を主役に、その日限りの組み合わせで野菜のマフィンを焼いています。

          10/23 長野県白馬村 のマフィン

          10月下旬、長野県白馬村の「えいようフーズ」へ。 ここは写真家の栗田萌瑛さんが運営する、オーガニックの無人野菜直売所。白馬村に暮らす彼女が立ち上げた販売所です。29歳の栗田さんは、自分より年下とは思えない、なんとも強い芯のある方。もともと白馬でオーガニックマーケットの運営に関わっていて、地元の農業をもっと応援していきたいと思い、雲仙のタネトさんでのインターンなどさまざまな経験を経て、地元で有機栽培を行う農家さんの野菜を販売できるスペースを作ろうと、2年越しでこの場所を見つけ

          10/23 長野県白馬村 のマフィン

          今週のマフィン(2023.10.11〜14)

          10/11(水) ・蒸しなす クミン味噌 山形の工房ストローさんから、沢山なすが届いた。先週末の豪雨で、皮の一部が切れたりしてB品になってしまったもの。 「蒸しなすのスコーン」というネーミングが頭に浮かび、それが作りたくなる。今まで具材として入れることが多かったけど、今回はくたくたになるまで蒸して、仕込み水の一部として生地に直接練り込んでみた。 なすと合わせてミントを使おうと思って市場で買ったのに、当日すっかり忘れて生地にクミンシードを練り込んでいた。こういうことが

          今週のマフィン(2023.10.11〜14)

          「未利用野菜」で作るケーキ

          伝承野菜農家 森の家の「甚五右エ門芋」と出会ったのは9月のこと。その時のお話はこちらの記事にまとめましたが、 その時に驚いたのが、甚五右エ門芋の中でもいちばん大きな「親芋」という部分は、出荷先がなく処分されているという話でした。 とろりとした柔らかい食感の子芋や孫芋に比べると、親芋は確かに硬く、 そのため同じ甚五右エ門芋として販路を作るのは難しく、消費する手段がないそうです。 けれどこの親芋、同様に茹でて食べさせて頂いたのですが、とても美味しい。もちろん小芋や孫芋のとろ

          「未利用野菜」で作るケーキ

          山形 「森の家」甚五右エ門芋(じんごえもんいも)のマフィン4種

          9月下旬、小雨の降るなか山形・真室川町の伝承野菜農家「森の家」の佐藤春樹さんを訪ねました。ここで育てられているのは、伝承野菜「甚五右エ門芋」(じんごえもんいも)。 収穫された芋をその場で調理し、オーブンをお借りして4種のマフィンを焼きました。 まずは甚五右エ門芋の紹介を。見た目はいかめしい名前そのもののようにごつごつとした大きな塊。けれど中身は驚くほどとろりとやわらかい芋です。 部類でいうなら「里芋」。中心に大きな親芋、その先に子芋、孫芋と順に小さな芋がつながり、ひとつ

          山形 「森の家」甚五右エ門芋(じんごえもんいも)のマフィン4種