今週のマフィン(2023.10.11〜14)
10/11(水)
・蒸しなす クミン味噌
山形の工房ストローさんから、沢山なすが届いた。先週末の豪雨で、皮の一部が切れたりしてB品になってしまったもの。
「蒸しなすのスコーン」というネーミングが頭に浮かび、それが作りたくなる。今まで具材として入れることが多かったけど、今回はくたくたになるまで蒸して、仕込み水の一部として生地に直接練り込んでみた。
なすと合わせてミントを使おうと思って市場で買ったのに、当日すっかり忘れて生地にクミンシードを練り込んでいた。こういうことがよくある。手が先に動いている。
仕方なく方向転換。甘い味噌だれを作って、クミンと合わせて、蒸しなすの生地に重ねた。ひと口食べたら、これはまさにお焼き。
山形の青大豆きなこ やわらかいカスタード
夏に取材に行った山形の庄内町の道の駅で買った青大豆きなこ。本当に緑で驚いた。ひと口食べてさらに驚いた。これはきなこ?今まで食べたきなことは全然違う。くるみの粉みたいな、ナッツ系の香ばしさがある。そして青臭みもある。こういうものが道の駅で普通に売っているんだから面白い。
まだまだ知らない味がたくさんある。
これを買ったときから作ろうと決めていた、ゆるめのカスタードの上にたっぷり青大豆きなこをのせたマフィン。
疲れたときに食べたいような、やわやわな口当たりのやさしいマフィン。今日の気分にぴったりだった。
10/14(土)
・蒸しなす ミント レモンピール トマトソース
前回ミントの組み合わせをしそこねたのが頭から離れず、蒸しなすリベンジ。今回はマフィンに。
生地に刻んだフレッシュミントとレモンピールを入れた。
でも、作っているそばから別の組み合わせが思いつき(アーモンドとレーズンを合わせたトルコ風の…もしくは…etc)、かなり心が揺れ、散らばった。散らばるとまとまりのないマフィンが生まれることがあるので、いったんリセットして要点を絞った。なんとかぶれずに作れた。危なかった。
明日の原宿での出店用に大量のトマトソースを作っていて、こちらのマフィンにも使うことに。まとまりのいい味になった。
この組み合わせでいくとつい最後にチーズを入れがち(私はチーズ好きなので気を抜くとなんにでもチーズを入れる)だけどグッと堪えた。
結果、過剰になりすぎなくてよかったと思う。なすのなすらしさが引き立った。
・間引き大根 桜えび 生姜 甘醤油
工房ストローの髙橋さんから、間引き大根も送っていいですかとメッセージが。大根を元気に育てるため、間引いた小さな大根のこと。こういうお題が大好き。葉っぱが主役だけど、小さな大根がついていてかわいい。
ふと大根餅が頭に浮かんだ。大根餅が食べたい。
その頭のまま、桜エビを細かく挽いて、しょうがのすりおろしと一緒に生地に入れた。味でいうならそのまま大根餅。
そこにごま油と中華だしで炒めた大根菜、じっくりグリルしたミニ大根をのせた。ミニ大根がトッピングされたスコーンの可愛いことよ。
仕上げに大根餅を思い浮かべながら、ほんのり甘い醤油を塗った。
思ったよりシンプルなスコーンになってしまったかと心配したけど、後から食べてみて、ひと安心。滋味だけれどすごくおいしかった。ビールによく合った。
昨日の営業で、お客さんに「大根のスコーンがすごくおいしかった!」と言われた。
ラインナップの中ではかなり地味な方だと思う、そんなスコーンが誰かの記憶に残ったのだと思うとなおさらに嬉しい。
日々いろんなものを焼いていて、華やかなものもあれば、地味なものもある。
作りたいけれど地味だから受け入れてもらえないかな……と躊躇することもある。でも、そこに共感してもらえることもあるのだと知ると勇気が出る。
そもそもdoyoubiに来てくださるお客さんは、もうだいぶそういった嗜好のかたが増えてきていて、お話も、味の好みもとても合う。
もっともっと自由に作ろうと少し勇気をもらった。
大根餅がまだ食べたい。
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