明太マヨおにぎり

フィクションです 読んでくれた人、ありがとう

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記事一覧

足りないくらい

 好きな曲の歌詞に「足りないくらいでいいんです 楽しみは少しずつ」という言葉が出てくる。  友人との遊び然り、恋人とのデート然り、制限時間付きの娯楽はなぜあんな…

自分の機嫌をとる

 最近、自分で自分の機嫌をとれない事に気がついてさらに落ち込んだ。  気分が下がっているとき、自分の力でそれを乗り越えられたらいいなと思っている。例えば、好きな…

人を遊びに誘えない

 先日、部活帰りに友人を誘ってお昼ごはんを食べた。彼女は知り合って2年近い友人であり、今までも数回一緒に出かけていて、二重奏もしている。部活の中では特に仲のよい…

活版印刷の便箋

 久しぶりに訪れた文房具屋で、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」をモチーフにしたフレークシールを買った。「注文の多い料理店」や「猫の事務所」「セロ弾きのゴーシュ」など魅惑…

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バレンタインと同値条件

バレンタインデーに対する認識  今日は2月14日、いわゆるバレンタインデーである。私の知っているバレンタインデーは、女性から意中の男性へ本命チョコを渡すイベントで…

独りよがりな文章について

 昔、小説は読者があってこそ成り立つ、みたいなことを言っていた時期がある。今でも別に異論はないけれど、これが自分を苦しめている可能性を考えると、なんだかなぁとい…

創作意欲の捜索願

 気がついたら、最後に小説を書いてから一年近くが経っていた。そもそも自分が小説を書いていたことさえ忘れかけていたので、とんでもなく恐ろしい気持ちになった。  今…

足りないくらい

足りないくらい

 好きな曲の歌詞に「足りないくらいでいいんです 楽しみは少しずつ」という言葉が出てくる。
 友人との遊び然り、恋人とのデート然り、制限時間付きの娯楽はなぜあんなにも魅力的なのだろう。(もう時間か……もう少しここにいたいのに)終わりの時間が近づくにつれ、価値がどんどん上がっていく。
 足りてしまったら、どうなるのだろうか。美味しいご飯に、新しい場所に、恋人の笑顔に、心を揺さぶられなくなる日が来たら…

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自分の機嫌をとる

自分の機嫌をとる

 最近、自分で自分の機嫌をとれない事に気がついてさらに落ち込んだ。
 気分が下がっているとき、自分の力でそれを乗り越えられたらいいなと思っている。例えば、好きな作品を摂取するだけの時間をつくるとか。例えば、好きな食材で料理をするとか。例えば、好きなだけ楽器を弾くとか。例えば、好きな場所に行くとか。自分にも好きな作品はあるし、好きな食べ物も楽器も場所もある。
 でも、落ち込んでいるときにそれを思い出

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人を遊びに誘えない

人を遊びに誘えない

 先日、部活帰りに友人を誘ってお昼ごはんを食べた。彼女は知り合って2年近い友人であり、今までも数回一緒に出かけていて、二重奏もしている。部活の中では特に仲のよい友人であるが、それでも自分から人を誘うのは緊張するものである。

楽しい時間の提供義務

 自分が人を誘うときの基準について考えてみた。まず「倫理的に問題ないか」という点がある。この点はクリアしている。私と友人は同じ部活の友人であって、友人

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活版印刷の便箋

活版印刷の便箋

 久しぶりに訪れた文房具屋で、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」をモチーフにしたフレークシールを買った。「注文の多い料理店」や「猫の事務所」「セロ弾きのゴーシュ」など魅惑的な他の作品を横目に、私は青くきらきらとしたそのシールを手に取った。なぜか?活版印刷の便箋のためである。

買い物の目的

 そもそも、この買い物の目的はレターセットを買うことであり、きらきらのシールを買うことではなかった。先日、親しくなり

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バレンタインと同値条件

バレンタインと同値条件

バレンタインデーに対する認識

 今日は2月14日、いわゆるバレンタインデーである。私の知っているバレンタインデーは、女性から意中の男性へ本命チョコを渡すイベントであり、それに付随して友チョコや義理チョコなどを渡す文化もある。とはいえ実際にやり取りされているのは友チョコ、義理チョコが大半だろうし、中には自分チョコみたいなものを買う人もいて、実態は個人によって様々だ。
 とにかくチョコレートを始めと

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独りよがりな文章について

独りよがりな文章について

 昔、小説は読者があってこそ成り立つ、みたいなことを言っていた時期がある。今でも別に異論はないけれど、これが自分を苦しめている可能性を考えると、なんだかなぁという気持ちになる。別に独りよがりでもいいんじゃないか?
 読まれる小説と読まれない小説、もっと広げるならば、読まれる文章と読まれない文章。インターネットには無数の文章が転がっている。じゃあ、書き手と読み手の需要ってどうなの?あれ、そもそも自分

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創作意欲の捜索願

創作意欲の捜索願

 気がついたら、最後に小説を書いてから一年近くが経っていた。そもそも自分が小説を書いていたことさえ忘れかけていたので、とんでもなく恐ろしい気持ちになった。
 今日から始まる二か月の春休みは絶好の創作週間である。しかし、今の自分にはショートショートはおろか、短歌一つ詠むこともできない気がしている。これは俗にいうスランプとはまた違って、「創作」という習慣自体が自分の中から抜け落ちてしまったのだと思って

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