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【オトナの夏休み自由研究】ブサメンがTinderに1ヵ月だけ課金したら、見える世界は変わるのか?

本記事はテーマ通りR18アプリを扱っていますが、内容についてはマイルドにお送りします。苦手な方はブラウザバックを推奨します。


経験と体験、両方を効率的に満たせるお金の使い方というのは実に良いものである。

酒やタバコ、ギャンブルに溶かすぐらいなら、そんなコンテンツに落とすべきだ。面白いお金の使い方で得る知見は、きっと我々の血となり肉となるだろう!

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ここ数年でマッチングアプリは市民権を得た…とまではいかないけれど、以前の出会い系だとか何とか言われてた頃に比べて「いかがわしさ」は多少なりとも払拭されてきている。

とは言ってもやはり、大っぴらには言えないのが実情。であるならば、マッチングアプリへの課金はもっと愚かな行為だと思われると考えて良いだろう。

その「愚かな行為」にお金を投じることは、投じる人間は、本当に愚かなのか?経験と体験をどちらも満たせる面白い使い方ではないのか?話のネタくらいにはなるのではないか?

何にもならなくても、「何にもならなかったこと」が得られるのではないか?

そんなニッチなニーズ(?)に答えるべく、ブサメン代表の僕はおもむろに立ち上がった。初対面だけ饒舌とかいう典型的なコミュ障の僕がである。

18~20代前半の若年層がメインのカジュアルなマッチングアプリとして名高い「Tinder」、こいつに1ヵ月だけ課金してやる!

その果てに見える世界は一体どんなものなのだろうか?

やってみなくちゃ分からない、オトナの夏休み自由研究で。

※これは決して犯罪だとか女遊びの予告・宣言ではなく「若気の至り」に端を発する、ある種の思考実験です。



■なぜTinderを選んだのか、このアプリの特徴


・婚活、恋活▲、遊び◎

ホーム画面に簡単な異性のプロフィールが出てきて、好みなら右にスワイプする。そうでないなら左にスワイプする。基本的なユーザーインタフェースについては他のアプリとだいたい同じである。

しかしこのマトリクス図からわかるように、Tinderは年齢層・目的ともに非常にカジュアル。

友達募集。お話だけでも。ご飯おごって下さい。暇です。といったうたい文句のプロフィールが結構多い。とっつきやすさゆえに「ライク」するハードルは結構低いし、あまり気負う必要もない(とはいえ、多くの利用者はそのとっつきやすさが裏目に出ることは恐れているはずだけど)。

マッチングアプリは基本的に女性優位なのだが、そういう理由から

男性側も「ライク」を貰える機会が多い=マッチングの母数が多い=一度の課金によって得られる効用が、他アプリに比べ大きい=実験に適している

という方程式が導かれると考え、Tinderを選択したという訳である。


■Tinder市場は外見至上主義である

若者が多いという点から、マッチングにおいてプロフィール・写真などの第一印象が占めるウェイトはかなり高い(それ以外の判断材料が乏しいのもあるが)。

そんなわけで、成功率こそ高められるものの、いくら課金しようが無課金の美男美女にすら絶対に勝てない。中身を見てくれる人がきっといるはず!と待っていた所でムダだし場違い。マッチングしなければ何も始まらない。

Tinderとはさしずめ、社会の縮図なのである。

という訳で、プロフィール画像は映りの良い画像・清潔感あるいは雰囲気の伝わる画像・エモい画像あたりを選択するのが無難か。

プロフィールについても、懇切丁寧に書くより(とはいえ印象は良いが)、目的や一言を簡単に述べるくらいの感覚でいいと思う。

食べ物の写真からそれっぽい写真とプロフィールにしたところ、明らかにマッチング率が高まった。

■無課金プレイヤーの限界

互いが互いをライクすれば晴れてマッチング成立なのだが、無課金プレイヤーは 

☝課金前で既に4人からライクに加え3人とマッチングとありがたいことである。あと充電しろ。

このように、誰からライクが来たかを確認できないというトンデモ仕様なため、出てくるプロフィールを片っ端からライクしていたとしてもマッチングされる保証がない。一番大事な所なのに。

それにしてもこういう所につけ込んで(?)お金を稼ぐことをよく思いついたもんだ。敵(?)ながらあっぱれ

■そして課金へ…

Tinderにはスーパーライク等機能の単品での購入に加え、

・月¥1,080で何度でもライク可、その他広告オフなどの痒い所に手が届く的な「Tinder+」

・月¥3,200でライクをくれた相手を確認(課金はほぼこの機能のためと言っても過言ではない)、特別なライク使用可能、プロフィール優先表示のブースト機能などを搭載した「Tinder Gold」

・月¥4,300で上記のライク機能周辺を更に強化した「Tinder Platinum」

の3種類の課金プランがある。

+はサブ機能中心で大したメリットがないし、何よりライク相手が確認できないため本記事の趣旨にそぐわない。Platinumほどの機能は求めてないし、気合が入りすぎている。

ということで、Goldを選択。支払いはサブスクリプション形式のためiTunesカード等では不可。また、自動継続購入がONになっているため

購入後、設定画面からすぐにサブスクリプションを解除することを忘れずに。

実験期間は7月5日から1ヵ月間、8月5日まで。

やっていきます。といっても、課金した瞬間にメッセージがバンバン飛んでくるとか、相手のご機嫌が良くなるとか、目の前にフッとその人のホログラムが現れてお喋りしてくれるとか、そんな事は全くないのだけれど…。

■1ヵ月間の記録を日記形式で

プロフィール文末に以下を記載し、挑戦。



・課金直後~

誰からライクが来たか確認できるのは新鮮。先ほどマッチしていた4人の方は、正直プロフィールを見る限り…うーん左スワイプ(上から目線)。

正直メンヘラ・サブカル・ぴえん系もあんまり得意じゃないんだけれど(陰キャの悪い癖だ)これじゃ課金の意味ないし…ということでその方一人だけライク。

あと、1日に3回使える特別なライクを間違って9000㎞向こうの外国人に贈ってしまった。返して…。

それ以外は初日の変化は特に無し。今に始まったことじゃないけど、やっぱり陽キャっぽい方が多いのでビビる。何とかして課金分の面白い成果は出したい所だが。

加えてそういう人たちは大抵僕以外からも大量のライクを貰っているので、いくら懇切丁寧にマッチング後に会話を広げようとしても失敗する。

相手からしてみれば僕はいくらでも代わりの効く男――村上龍よろしく消耗品のうちの1つに過ぎないのである。

いや…でもなぁ、ただでさえ過疎っ過疎の田舎だから片っ端からライクした方がいいのか?


・2日目~

以前からマッチングしていた方たちと会話が弾みだす。いい調子。

少しずつコツが掴めてきた気がした。

はい/いいえ、あるいは相槌のみで済ませられるメッセージの送り方は避ける

こうなってしまうと、そこで会話が終わってしまう。正直相手のやる気次第ではどうやっても続かないこともあるんだけど、それ以外であれば具体的な文章で返さざるを得ない会話を投げかけるといい感じだった。

会話のキャッチボールとはよく言ったものである。相手も同じように質問を投げかけてくれている場合は、当然こちらも相槌だけで終わらせない意識をした。

ツッコんだ質問は避け、現実と同じようにパーソナルスペースを保つ

どのような目的でマッチングするにせよ、いきなり距離感を間違えた質問やがっつく感じを出すのはやめる。「キモい」の3文字に全てが集約されます。

プロフィールに書いてる情報をヒントに、ヒットする会話のジャンルを探っていく。最初は学生ですか?社会人ですか?みたいなところから攻めた(それが正しいのかは置いておいて)。

相手から送られたメッセージも、すぐ返信するのは何かこうあずましくないので筆者は初めは数時間おいたくらい、早くても1時間弱のスパンで返した。本当に慎重にいくのであれば、最初こちらから送ったメッセージに返信がくるまでの間隔でこちらも二言目を返すのが良いだろう。

次第に会話のキャッチボールのスパンが短くなってきても、相手のペースに合わせた。

しかし、30分おきの会話が続いていたとしたら、たまに5分くらいで返すようなテクを混ぜるのもオススメ。それに対して相手の返信頻度の変化を探ることで、相手がこちらへの興味と会話への熱量にどのくらいのキャパシティを割いているのかを推し量ることができる。多分。

で、そんなこんなやっていると返信が本当に気まぐれだという事が分かり、結果としてそんな偉そうに講釈を垂れた駆け引きのようなものも一切無駄で僕だけが舞い上がっているということが明らかになった。泣いていい?

なんかギャルゲー攻略してるみたいだな…。

あと、初日に間違ってスーパーライクした外国人からライクが来た。9900㎞先、ニューヨークの住まいらしい。貴重な1回分返してくれ…いや、返して下さい。

課金の効果はまだ目に見えては現れていないが、進展はいかに。

・1週間経過

マッチングした方のうち3人とは会話が続いているものの、マッチング相手自体が極端に増加するといったことは無し。悲しい。

始めに書いた通り美男美女信仰の強いアプリなので、彼らのような層でない限り、課金によるポテンシャルを最大限に発揮して、それに見合う成果を得るというのは難しい。

どれだけ自分を着飾って上手く誤魔化して女の人がそれに気づかずに相手してくれているとしても、横やりを入れてくるクズ野郎なイケメンには設定上、絶対に勝てないことがやはり証明されだしたのだろうか?

そんなことを考え始め…………ん??

マジか

こちら側のメッセージ量の方が多いのが童貞みたいで恥ずかしいので隠しました。

僕が独断と偏見でランク付けしたプロ画可愛いランキング暫定1位タイの相手からメッセージががが。前言撤回、やっと課金分の元取りました。

脳内で既にあれやこれやをし始める僕をよそに、相手から返事が返ってきたのは翌日であった。

いやー、それはさておいてTinderおもしr…ん?

ええええええええええマジか

今度は僕が独断と偏見でランク付けしたプロ画可愛いランキング暫定1位タイの他の相手から、この記事を書いている真っ最中に電話とメッセージが。

ちょっと待って、心の準備が…と今度は一転、処女のようなリアクションをし始める僕。これ以上僕の心を揺さぶるのはやめてくれ!

ドキドキか不整脈か分からなくなってきた。

何とやり取りをするうち、相手が僕の友達の友達の友達であることが判明。しかも住まいも近い事が判明。これなんてメロドラマ?

もしかすると世界は僕が思っているより狭いのかもしれない。

狭いのかもしれないし、Tinderはそんな可能性同士を結び付けてくれる面白いアプリなのかもしれない、ということが分かってきた。

いや、盛り上がってまいりました。ちょっとメル友(死語)増えたら上出来だろ、くらいに思ってたが…1週間目でこれって、残り3週間で俺どーなっちゃうの!?

しかもどちらも年上で職業は保育士、OL(であってほしい)…あ、まずい、鼻血が出てきた。


・一週間と少し経過

新規のマッチングがパタリと止む。100km以内の方を片っ端からライクしていながらこれである。やはり生まれ持った能力の限界なのか?あとは消化試合になってしまうのか?

僕がするはずだったのは普段できないような、女を弄んで高尚な人種になったような気になる品性下劣な遊びだったのだが。

それと今になってハッと気づいたのだが、本当の自分の顔を隠せるというのは大変都合がいいが、相手の顔が見えないというのもそれはそれで博打である。男女ともにTinderにおいては顔が大正義、やはり揺るがずか。


・2週間目

ゑ?マジで?

一週間以上返事が来なかったため、進展がないと思ってとうに見切っていた年下の方からメッセージが。みんなして俺のことを取り合うのはやめて!

ただ、僕のメッセージに対しての返信はやはり当日中には帰ってこなかった…(8/2追記 結局最後までメッセージは来なかった。もう意味が分からん)。

このやり取りから分かるのは、女性というのは急にふらっと現れてふらっと僕の心に揺さぶりをかけて、そうした後に今度はふらっといなくなる、気まぐれな生き物であるということだ…。

Tinderありがとう。段々分かってきたよ。戦いの中で成長しているのを感じる


・3週間経過

一体どうしたことだろうか、あれほど盛り上がっていた僕のTinder熱が冷めてしまった

新規のマッチングも3人ほど増え、以前のマッチ相手の代わりに会話をするようになった。なったにはなったが、それ以上は進まない。何かが足りないのである。

そういえば何処かのTinder攻略記事で、

「会話のキャッチボール10回以内で会う約束を取り付ける」的なものを見かけた気がするが…。

もしその積極性が正解であるならば、連絡が途絶えていった女の人たちは、進展の無さを見込んで僕を切り捨てた…ということになるのだろうか?

Tinder熱が冷めた理由については後述するとして、いよいよ課金最終日も近づいてきた。

■最終日


何かしらの逢瀬を期待していた読み手の方がもしも居て下さったのであればこの場を借りてお詫びします。迎えた最終日ですが

結局何も起こりませんでした。

もう一度はっきり述べますと、結局何も起こらず、進展もなく、たかが一ヵ月の課金では僕は変われず、それでいて旧態依然ブサメンのままでした

始めたては毎日スワイプしていたプロフィールも最後には見なくなり、しまいにはアプリも開かなくなってしまいました。

…えーと、あまりに呆気ないんですがこれにてマジで実験終了です。

しかしこれだけでは自由研究とは言えませんので、この一ヵ月で得られたそれらの実践を踏まえ、まとめに移ります。


■なぜこのような結果がもたらされたのか

1か月に渡る編集作業ということもあり、改めて見返してみると課金したての頃のハイテンションだったあたりの僕(と、僕の文章)が物凄く若く見えるというのが面白くもあり悲しくもあり。

相手からメッセージが飛んでくるだけで大喜びしていたあの頃から、なぜこのような帰結が、なぜこのような冷めた青年が生まれてしまったのでしょうか。


・ステータスの限界説

1週間経過した時点で既に新規のマッチはかなり少なくなっていました。むしろ今思うと課金前にマッチング&ライクがあんなに成立してたのが凄い。

自画像のセンスが悪かったとか、文章が惹かれるものじゃなかったとかが原因なのであれば改善点はあったと言えるが

そもそものスペック(容姿・年齢…)が他の男性に劣っていたからライクされなかったのかもしれない。というかそういうことにして留飲を下げたい。


・課金が逆にモチベーションを下げた説

強いられれば強いられるほど勉強しなくなる小学生と一緒で、課金してしまったが故に「マッチングして成果を出さなければならない」という焦燥感が生まれ、そのせいでTinder熱が冷めてしまったと考えるならばどうだろうか。


・Tinderと僕、そもそも相性悪い説

上手く言えないがこれが一番的を射ていると思う。

なんていうか全体的に住む世界が違うのである。

可愛いプリクラ。酒。舌ピアス。タバコ。ヤリモク。フッ軽。

「友達作り」「女遊び」という言葉への憧れだけが先行していて、その世界に居る女の人達の価値観や生き方を何一つ僕は理解していなかったし、プロフィール画像越しにすら辟易してしまう。「あ、この人は合わないな」というのが既に感覚で理解できる。でもそれでいて皆キラキラしている。

僕は画面越しの相手を「素敵だな、可愛いな」と思うけれど、相手は僕の事を「素敵だな、格好良いな」とは恐らく思っていない。虚しい。

メッセージのやり取りも、何だか無理していて僕が僕でないような気がするし、相手の出方を伺うみたいな感じが心地よくない。

個人的には文章のやり取りよりも、実際に顔を合わせて話す方が相手の話し方、表情…が分かるという点で得意だし好きなのだが、そこに至るまでの過程がどうにも難しく、ぎこちなく、僕のスタイルに合わない。

僕は癖の強い人間であることを自覚しているから、自分らしさを出す振る舞いをして、それに協調してくれる人と付き合うようにしている。

それに対して今回のTinder(に限らないけど)では、その自分を殺して、相手ごとに人格を入れ替えていく感じが窮屈だった。我儘だ。受け身だ。卑しくも殻に籠った人間だ。大人になったつもりでいたが、全然そんなことはなかった。

それは日常生活でも同じだし誰だってそうだと言われれば確かにそうなのだが、これは何かそれとは違った、SNS特有の無機質さのせいであるように感じられる。

それに、僕のアクションの起こし方次第ではもっと沢山のやり取りや出会いが幾分も築かれたのかもしれないが、そうしなかったということは、結局のところのそんな僕の性格や身の丈が明らかになったということだろう。

何にも起こらなかったということはつまり、僕という人間は大事な所で臆病で内向的で、悪い部分ばかり子供っぽい奴で、Tinderはただそれを証明した。これは僕らしい出会い方ではなかった。僕は落ち着くべきところに落ち着いたのだということが分かった。

■わかったこと・あとがき

わかったこと

・イケメンなら課金の効果を最大限に発揮できそう。課金するならライク相手が確認できる「Tinder Gold」がオススメ。

・そうでなくてもちょっとした非日常感は味わえる。プライスレス。

・自分らしい人間関係の作り方を再確認できた。自分磨き頑張る。

・身の丈に合わないことはするな、それでもやるなら本気でやれ!

あとがき

なんだか企画当初の意気込みからはかけ離れた結果になってしまいましたが、自分らしさの向上と自己分析が捗ったということで課金した甲斐は確かにありました。

もう課金は辞めますが、何だか面白そうなのでライクを集めやすい写真やプロフィールを模索して遊びたいと思います。

Tinderが可愛い女性多いってのはガチでした。一時的なものとはいえトキメけました。

あと僕がブサメンなのもガチでした。僕は変わりませんでしたが、それでも確かに見える世界は変わりました。以上です。

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