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今日もコピーが書けません

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コピーライターの日々。 ※もちろんフィクションです
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#創作大賞2024

「今日もコピーが書けません」第5話:ガンジス川のデルタ株

「今日もコピーが書けません」第5話:ガンジス川のデルタ株

2022年、それは、
・世界的にコロナのパンデミックが収束しつつある年
・ロシアのウクライナ侵攻
・Ado「新時代」発売
・「トップガン・マーヴェリック」公開
の年であり、世界に襲いかかった災厄がよくも悪くも日常になってしまうほど、悲劇的な出来事が多かった年だった。

「薬は飲まない方がいい。ココナッツで熱は下がるよ」流暢に日本語を駆使するインド人のガイドDはそう言って、ガンジス川沿いのストリート

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「今日もコピーが書けません」第4話:空飛ぶ三角関係

「今日もコピーが書けません」第4話:空飛ぶ三角関係

2002年、それは
・ユーロ通貨の開始
・日韓W杯共同開催
・エミネム「Lose Yourself」発売
・Dragon Ash「Life goes on」発売
の時代であり、ライブドアがホリエモンに事業譲渡され、ITという言葉が世の中に出始める。何か世の中が変わりそうな雰囲気が溢れている。そんな時代であった。

プロペラは順調に回り続けている。骨組みだけのコックピットの揺れをスタッフが抑えている

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「今日もコピーが書けません」第3話:クリエイティブ・ディレクターはつらいよ

「今日もコピーが書けません」第3話:クリエイティブ・ディレクターはつらいよ

2016年。それは、
・トランプが大統領に初当選
・ボブ・ディランがノーベル文学賞受賞
・AKBと乃木坂と嵐のみでチャートの TOP10を占める
・「君の名は」大ヒット
の年である。徐々に働き方改革が進み始めており、
これまで語られてこなかった「効率化」が、
広告代理店にも浸透してきている時代でもあった。

「揃ったか、おい、P、早く座れ」クリエイティブ局長のSが、クリエイティブ・ディレクターを集

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「今日もコピーが書けません」第2話:シルク・ド・ソレイユ

「今日もコピーが書けません」第2話:シルク・ド・ソレイユ

2010年、それは
・尖閣沖で中国漁船と衝突
・80円に近い円高で市場介入
・西野カナ「会いたくて」大ヒット
・マル・マル・モリ・モリ
の年である。これは、まだ「コンプライアンス」という言葉なんて誰も知らなかった時代の物語だ。

「もし、クリエイティブ配属じゃなかったらどうする?営業に配属されたとしたら?」最終面接。ダブルのスーツに髭をたくわえ、貫禄のある体型の、いかにも役員、といった風貌のおじさ

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「今日もコピーが書けません」第1話:皆殺し

「今日もコピーが書けません」第1話:皆殺し

あらすじ
コピーライターとして働くPの仕事奮闘記を、①若手時代②営業時代③CD時代④学生時代⑤独立時代の5話に分けて構成。はやくコピーが書きたいのに、なぜか遠回りばかりしてしまう。でも、その遠回りがないと、コピーというものは書けないのかもしれません。

第2話 https://note.com/door13/n/n908a7160f7ad
第3話 https://note.com/door13/n

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