スプーントゥーアブレイン。
いやな夢を見た。僕は少し大きなスプーンを持って、食卓についていた。大きなスプーンを握っていると、唾液が止まらなく服にぼたぼたと垂れる。僕はテーブルに置こうと思ったけれど、手のひらがそれを拒否する。
「まぁまぁ、ご馳走が今からくりゃんす」
手のひらの声は、小学生の担任の声だった。三年生の時か、四年生の時か。特に思い入れもないから名前も忘れたし、顔もざっくりとしか覚えていない。でも、声だけははっきりと覚えていた。(あるいは、手のひらの声を聞いて、覚えていることを意識させられた