【読書記録#14】ニューロマンサー(ウィリアム・ギブスン)
単刀直入に言う。非常に難解な作品だった。
読了直後にwikipwdiaを見てなるほど?となったところで書き始める。
職場の同僚に勧められて読み始めたものの、1日20ページも進まず1か月近くでなんとか読破。おすすめしてくれた同僚は「これを読めればすべてのSF作品が読めるようになるといっても過言ではない」というようなことを言っていた。
そもそも自分がSF作品に慣れ親しんでいないということもあるが、状況の把握に非常に時間がかかってしまった。「電撃的文体」という表現らしい(本書裏の説明文から)が、電撃的過ぎて読むのあきらめようかと思ったほど。
通勤の時に読み進める都合上、土日を挟むと「この前何が起こったんや…」と読み返して理解したころには目的地。土日どころか前日のことも思い出すのに一苦労。めちゃくちゃ体力を使った作品で、鍛えられた感がすごい。笑
一方で読み切ってよかったと思うことも多々ある。
ひとつはこの『ニューロマンサー』に影響を受けて作られたものやひとがたくさんいるということを知れたこと。
その昔ボーカロイド曲に流行っていた時のボカロPがこの作品の登場人物から名前を使っていたり、アイドルマスターのシャニマスかな?作中に出てきた邸宅の名前がグループ名になっていたりする。
それだけいろんなところに影響を与え続けている、SF作品の金字塔となる作品だったんだなと。
肝心の物語についての感想だが、千葉が大変なことになっていることは理解した。笑
闇医療の最先端を行く都市が千葉だなんて、おもしろすぎる…
滋賀がめちゃくちゃ近くにあるらしく、よく出てくるから佐賀も一緒に出してほしかった。
誰かの意識の中に入り込んで、感覚を共有するあたりはこれがSFだよな…というわくわく感が溢れてきた。「迷光(ストレイライト)」「転(フリップ)じる」など、中二心をくすぐる専門用語の多さもまた世界観の構築に拍車をかける。
この作品が発表された当時は1980年代後半だったと思うが、今でも通用するような技術の進み方をしている。この時からAIに目を向けていたなんて先見の明がすごすぎるな?
一度読んだだけでは全容の把握が難しいが、いろんなSF作品に触れたあとに本書に帰ってくると、また違った見え方をするんだろうな、という期待感がある作品。
続編もあと2作品あるみたいなので、別の機会を作って読み進めていきたい。サイバーパンクとか、そういった周辺知識をつけて臨みたい。
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