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課題図書「5番レーン」読書感想文の書きかたのコツ

小学6年生、他の小学校のキム・チョヒに水泳女王を奪われた、元水泳女王の、カン・ナルの物語。


水泳での「事件」がメインですが、主人公である小学6年生、カン・ナルの恋のお話があるのも、人気の秘密かと思います。


6月末で、図書館に100件以上のリクエストがあった、人気作です。

イラストがあまりに素敵で、下手な写真を撮ってしまいました。
これだけでも、手にとって読みたい! と思ってしまいます。

大きな流れとして、水泳の女王を奪われ、くやしい思いのカン・ナルは、水着になにかあるんじゃないか? といった、くやしまぎれの疑惑を持ったり、自分の手の短さを呪ったりしています。

次回、女王を奪還すべく、厳しいトレーニングをつづけます。するとあるとき、練習に行ったプールに、キム・チョヒの小学校も来ていて、ふたりは鉢合わせ。にこやかに声をかけてくる、キム・チョヒ。

しかし、ここで、カン・ナルが、ある「事件」を起こします。

水泳選手として、というより、人として、絶対してはいけないことを。



その秘密を持ったことで、ナルは苦しみます。ちなみに、ここは「国語のクライマックス」ではないですよ。「国語のクライマックス」については、以下参照。

その事件を、ナルは自分自身で、勇気を出して、解決へと動きます。
とてもツラく、キツい行動であり、心身ともに削られたことだったけれど。


そして、小学校最後の、大きな大会の日になります。



ここに、たくさんのナルの心の揺れが描かれています。


「本当の国語のクライマックス」、

つまり、主人公カン・ナルの心が、最初のころと、「事件」のあとで、もっとも気持ちが、ガラッと変わったのはどこでしょう?


それは、「競泳」に対する考え方、思いが変わったところでもあります。
そこをおさえて探せば、きっとみつかるはずです。


読書感想文の書きかたとしては、まず「事件」である、ナルの行動。
絶対に、してはいけないことをした「事件」。

コレに対し、ナルはとてもツラいけれど、「ケリ」をつけに行きます。そのまま、知らんぷりをする道も、あったのに、です。


なぜ、ナルは「ケリ」をつけようと思ったのか、なぜ本当に「ケリ」をつけたのか。その結果、頭をたれて、ぼとぼとと涙がこぼれます。

でも、その「ケリ」をつけることで、ナルはどう変われたのか。


まず、ここについて、自分が思ったこと、考えたことを書きたいですね。

あなたが、何かスポーツに打ち込んでいるとしたら、自分の打ち込んでいることと、ナルと似たような感情、思いをしたことがあるか。

あるなら、ぜひその経験を具体例として、あなたは「ナルのような事件」を起こしたことがあるか、起こしてことがないなら、

なぜ、ナルがしたようなことをしなかったのか。


そこを考えて、ぜひ書きましょう。


また、「国語のクライマックス」は今回、お話の最後の方にあります。

チョヒの意外な言葉、なぜチョヒはそういったのか?
ナルは、それをどう受け止めたのか?

そして、ナルが「国語のクライマックス」のあと、つまり、最初とはガラッと気持ちや考え方が変わった部分について、どう思ったか、どう考えたかを書ければ、この本の読書感想文は成功です。


また、この本が人気なのは、「小学6年生の恋」が描かれているところです。転校してきたチョン・テヤンが、となりの席になります。

最初は、まったく興味がなかった、ナル。
どちらかというと、水の中の「彼女だけが特別だと思った」とあるように、テヤンがまず惹かれていきます。

テヤンのちょっとした笑顔の一言に、ドキッとする、ナル。


学校でのペアドッジボールで、テヤンと組み、
「強すぎるので、もうふたりは組まないで。」
と言われる、ナルとテヤン。

「水泳をやりたかった。」


親の反対を押し切って、ナルのいる水泳の強い小学校にやってきた、テヤン。泳いでみたら、思いの外速かった、テヤン。

テヤンは思います。

「(これまでの)大会で見た水泳部の子たちは、違った。(略)まちがいなく同じ場所にいるのに、彼らにしか見えない世界がある。テヤンは、彼らの世界に入ってみたかった。」

「そしていま、あのかがやいていた子が、テヤンの目の前にいる。」


ナルのことだ。

「テヤンには、前を歩いているナルがいちばん特別に思えた。」



ナルが、幼馴染のスンナムと、月の観察をするために広場に来ると聞いて、犬の散歩を装って、広場で一緒に過ごす。

ナルに惹かれていく、テヤンの気持ちがとても自然で爽やかです。


いまどきの子どもたちだから、スマホでメッセージのやり取りもする。
テヤンの夢、科学者になって、月に行きたいという夢。

「一緒に行こう」


と誘う、テヤン。


ナルの、水泳で韓国代表になる夢。

「ナル、ぼくといっしょにやろう」
「なんの話?」
「韓国代表の話だよ!」


水泳の選手と科学者、両方になりたいという人に会ったことがなかったナルは、そんなことは考えたことがなかったけど、テヤンの言葉に、信じられるように、そして惹かれていきます。

ふたりは、映画を見に行くことになり、誰もいない学校に忍び込んで、薄暗いプールに入ります。

水の中のテヤンの告白は、ふたりらしい、とても自然で素敵なシーンですね。


正直、今、小学生でもカレシ、,カノジョがいるとよく聞きますが、まったくおかしな感じはなく、ふたりが付き合うのは、とても自然に思えます。


テヤンは、なんとなく、ナルの「事件」について、気づいていたようです。しかし、ナルを責めることなく、聞き出すこともなく、待ちます。

ナルがつらいとき、

「ぼくはいつもナルの味方だよ」


と手紙をくれます。ナルは感激します。

「いまいちばん必要な言葉だったかもしれない。」


ナルは、事件後のツラいときに、「涙が出るほどうれしかった」のです。
こんなふたり、とっても素敵。



真実がわかったときはーー。
こんなふうな理解を示すなんて、テヤンは本当に小学6年生なのか? とも思いました。


ナルとテヤンの、小6の恋。
このサブストーリーも「5番レーン」の魅力。


ふたりの恋について、7割書いてもいい。
ただし、やはりナルの「事件」と「国語のクライマックス」には、触れないと、この本の読書感想文としては、ズレたものになってしまうでしょう。


楽しんで書くのた一番だと思いますよ!


この文章が、少しでも役にたったなと思ったら」、ぜひ、アマゾンのリンクから、「第5レーン」をご購入くださいね。


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