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読書熊録

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素敵な本に出会って得た学び、喜びを文章にまとめています
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2018年7月の記事一覧

読んだ本たち④探偵とか巨人ロボとか

読んだ本たち④探偵とか巨人ロボとか

最近読んだ本たち。探偵とか巨人型ロボットとか、世の中に(ほぼ)なかったりありえない題材を使う作家さんの想像力は本当にすさまじいなと思いました。

「IQ」(ジョー・イデさん、ハヤカワ文庫)

ロサンゼルスの「フッド(低所得者が多い黒人街)」で私立探偵をする青年、IQことアイゼイア・クィンターベイの物語。IQが格好良い。ハードボイルド。表紙がイケてるんですが、IQのイメージ、作品の雰囲気もまたこんな

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社会人になってから毎月寄付を続ける理由

社会人になってから毎月寄付を続ける理由

大学を卒業して社会人になってから、アラサーになる今まで複数のNPOの月額寄付会員(マンスリーサポーター)を続けている。「寄付について考える」というnoteのテーマで、改めて「なぜ自分は寄付を続けているのか」を考えてみた。答えは「投資」だった。「大いなるもの」への投資だと信じてきたからだった。

寄付というのは不思議なお金の動き寄付は一般的な投資ではないとは思う。自分も投資信託をやっているけれど、投

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読んだ本たち③ー今はあくまで今であって

読んだ本たち③ー今はあくまで今であって

最近読んだ本たち。経済だったり資本主義だったり、今あるものはあくまで今の姿なんだなと感じました。なんとなく理解できそうな「反知性主義」の根本的な意味が実は違ったり、やっぱり歴史を学ぶのは大切。

①「経済の文明史」(カール・ポランニーさん、ちくま学芸文庫)

経済人類学者、という変わった肩書きの学者さんの本。「実は経済って、もともとは社会の『中』にあったんだよ」という話が中心になります。生産性とか

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読んだ本たち②ー言葉を分けてみる

読んだ本たち②ー言葉を分けてみる

最近読んだ本たち。タイトルはトンデモ本、逆張り本みたいだけど、どちらも頭を刺激するいい本でした。無意識に使っている言葉を吟味して「腑分けする(分けてみる)」ことの大切さを説いているのが共通しました。

・「反共感論 社会はいかに判断を誤るか」(ポール・ブルームさん、高橋洋さん訳、白揚社)

共感はスポットライトだ。人の感情を揺さぶって、様々なアクションを呼び込む。少し前に海を渡った難民の子の遺体が

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読んだ本たち①ーそもそもを問う話

読んだ本たち①ーそもそもを問う話

最近読んだ本たちをまとめてます。「未来」とか「幸せ」とか「自分」とか、「そもそもなんだっけ」を問う内容が共通しました。

①「さよなら未来」(若林恵さん、岩波書店)WIRED元編集長の若林恵さんのエッセイなどを、2010年分から集めたクロニクル。「未来に期待するより、未来に驚かされる方が面白い」というメッセージが根幹だと思います。「AIが仕事を奪う」とか「これからの未来はこうだ」とか予想するばっか

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