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アメリカで子供がリトルリーグで野球をしている父親が現地からのリトルリーグ事情をお伝えし…

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アメリカで子供がリトルリーグで野球をしている父親が現地からのリトルリーグ事情をお伝えします。

記事一覧

日本の低反発バットとアメリカのBBCORバットは似て非なり

日本の高校野球で低反発バットが2024年から導入され、春の甲子園大会で本塁打数が激減したことが話題になりました。ただし低反発バットは他の国でも使われているので、…

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3週間前

ジェフ・マクニール バレルを打たない首位打者:打球角度、速度、飛距離の関係性

ジェフ・マクニールとは ジェフ・マクニールはニューヨークメッツ所属の現在30歳の野手。身長185cm、体重88kgとメジャーの中では小柄な部類。ニックネームはリス。…

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1年前
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Statcastデータから読み解くヌートバー選手の実力 (WBC前追記版)

2023年WBC大会のジャパンチームに参加が噂されているラーズ・ヌートバー選手はセントルイス・カージナルスに所属する25歳の新鋭。この記事ではヌートバー選手の実力…

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1年前
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トレンドは投高打低?:数字で読み解くMLB2022年シーズン

2022年もやっぱり最高に楽しかったMLBでした。個々の選手レベルだとジャッジの歴史的快挙、ゴルシュミのMVP級活躍、プホルスのこれ以上ない見事な引退の花道、我らが大…

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1年前
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最高打球速度王スタントンの牙城を崩すのはこの男-オニール・クルーズ

メジャーの各球場には2015年以来スタットキャストが設置され、いろいろなデータが計測されています。その中の一つに最高打球速度Exit Velocity、略してEVがありますが…

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1年前
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大谷選手2021年シーズンの4シームについての一考察

■ 大谷選手の投手としての最大の武器は100マイル超えの速球とスプリット、それに加えて2021年はスライダーがとても有効であった。以下が各試合ごとの球種割合だが…

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2年前
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最強のライジングファストボール:2021年シーズン最もホップした球を投げたのは誰だ

野球鑑賞の醍醐味のひとつにピッチャーが自慢の豪速球でバッターを空振り三振に奪うことがあります。変化球も良いですが、力対力の速球勝負は格別ですよね。 速球で空振り…

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2年前
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背の低いMLB選手特集 - セドリック・マリンズ讃歌

2021年の大谷選手の大活躍でメジャーで成功するにはやはり外国人並みに背が高くないといけないと思われた方も多いのではないでしょうか。今回はそのアンチテーゼとして…

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2年前
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UZRに騙されるな:MLBゴールドグラブ賞のUZR値の検証

ゴールデングラブ賞の選考時期になると、あの選手よりこの選手の方がUZRが良いのに選ばれないのはおかしいという文句がファンの間で繰り返されのが毎年の風物詩。ただしそ…

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2年前
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リトルリーグ・ワールドシリーズ2021観戦記

リトルリーグ・ワールドシリーズは毎年ペンシルバニア州ウィリアムズポートで8月に開催されるリトルリーグの世界一を争う大会。日本ではリトル時代の清宮選手が投打に大活…

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2年前
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左投げ左打ちは絶滅危惧種か?

今迄メジャーでプレイした日本人野手は右投げ左打ちの選手が圧倒的に多い。イチローさん、松井秀喜さん、岩村明憲さん、川崎宗則さん、青木宣親選手、福留孝介選手、大谷翔…

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3年前
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ムーキー・ベッツは野球界のブラックパンサーである

2018年に公開されて大ヒットした映画ブラックパンサーはご覧になられたましたでしょうか。この映画が画期的だったのは初めて黒人のスーパーヒーローが出てきたところでした…

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3年前
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マエケンチェンジでモデルチェンジした前田健太投手

前田健太投手絶好調です。9月16日時点で5勝1敗防御率2.43と素晴らしい成績。多くの方は前田健太投手と言えば日本時代のストレートとスライダーで勝負しているイメ…

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3年前
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2020年 サイ・ヤング賞レース予想 【日本人投手の受賞の可能性は?】

7月23日に開幕した2020年のMLBシーズンですが、この記事を書いている8月21日時点で一番多いチームで27試合、一番少ないチーム(カージナルス)で14試合が行わ…

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3年前
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大谷翔平投手より球速も回転数も劣るジョッシュ・ヘイダーのほうがなぜ奪三振が多いのかの考察 (2021年追記版)

2019年の暮れに書いてほったらかしにしてた記事を公開します。だらだら長いですが興味ある方は読んでいただけると嬉しいです。 これを書いてる時には2020年に大谷投手…

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3年前
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古くて新しい変化球 - カーブボール

日本の現代最新型野球に於いて最も有効とされる変化球はスライダー、カッター、スプリットなどでカーブは平成・昭和な古臭いイメージだがメジャーでは近年脚光を浴びている…

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4年前
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日本の低反発バットとアメリカのBBCORバットは似て非なり

日本の低反発バットとアメリカのBBCORバットは似て非なり

日本の高校野球で低反発バットが2024年から導入され、春の甲子園大会で本塁打数が激減したことが話題になりました。ただし低反発バットは他の国でも使われているので、日本だけの問題ではないと思われている方も多いと思います。しかし実状は日本とアメリカ及び他の国で使用されている低反発バットは別物なのです。この記事ではアメリカの高校で野球をする子供がいる親の目線からアメリカと日本の低反発バットの違いについて書

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ジェフ・マクニール バレルを打たない首位打者:打球角度、速度、飛距離の関係性

ジェフ・マクニール バレルを打たない首位打者:打球角度、速度、飛距離の関係性

ジェフ・マクニールとは

ジェフ・マクニールはニューヨークメッツ所属の現在30歳の野手。身長185cm、体重88kgとメジャーの中では小柄な部類。ニックネームはリス。2022年シーズンは打率.326で首位打者を獲得しシーズンオフにメッツと4年US$50Mの契約延長をしました。

マクニール選手の特長はとにかく三振をしないこと。Baseball Savantでマクニール選手を検索するとトップに主な指

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Statcastデータから読み解くヌートバー選手の実力 (WBC前追記版)

Statcastデータから読み解くヌートバー選手の実力 (WBC前追記版)

2023年WBC大会のジャパンチームに参加が噂されているラーズ・ヌートバー選手はセントルイス・カージナルスに所属する25歳の新鋭。この記事ではヌートバー選手の実力をスタットキャストのデータから読み解きます。

打撃成績

まずは通常の成績から
2021年 打率.239 打点15 本塁打5 
2022年 打率.228 打点40 本塁打14 

この成績を見てメジャーリーガーだけどこんな打率の悪い選手

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トレンドは投高打低?:数字で読み解くMLB2022年シーズン

トレンドは投高打低?:数字で読み解くMLB2022年シーズン

2022年もやっぱり最高に楽しかったMLBでした。個々の選手レベルだとジャッジの歴史的快挙、ゴルシュミのMVP級活躍、プホルスのこれ以上ない見事な引退の花道、我らが大谷選手のダブル規定達成、バーランダーのTJからの復帰からのCY賞、それ以外にもさまざまな新しいタレントとの出会いと盛り沢山でございました。そして何といってもポストシーズンの盛り上がり。個人的ハイライトはブライス・ハーパーがNLCSで放

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最高打球速度王スタントンの牙城を崩すのはこの男-オニール・クルーズ

最高打球速度王スタントンの牙城を崩すのはこの男-オニール・クルーズ

メジャーの各球場には2015年以来スタットキャストが設置され、いろいろなデータが計測されています。その中の一つに最高打球速度Exit Velocity、略してEVがありますが、計測が始まって以来ヤンキースのジャンカルロ・スタントン選手が7年連続でキングの座を守っています。

それ以外の選手だとジャッジ、トラウト、アロンゾ、そして勿論大谷選手などの現在メジャーを代表する強打者が高い数値を出しますが、

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大谷選手2021年シーズンの4シームについての一考察

大谷選手2021年シーズンの4シームについての一考察



大谷選手の投手としての最大の武器は100マイル超えの速球とスプリット、それに加えて2021年はスライダーがとても有効であった。以下が各試合ごとの球種割合だが、シーズン途中からスライダーとカッターが増え、ストレートが減っていることが分かる。



ストレートに関しては、大谷選手の球は速いがあまりホップしない球であると言われている。ホップしない理由は回転数と回転軸にあるようだ。それに関しては自

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最強のライジングファストボール:2021年シーズン最もホップした球を投げたのは誰だ

最強のライジングファストボール:2021年シーズン最もホップした球を投げたのは誰だ

野球鑑賞の醍醐味のひとつにピッチャーが自慢の豪速球でバッターを空振り三振に奪うことがあります。変化球も良いですが、力対力の速球勝負は格別ですよね。

速球で空振りを奪うには球速も大事ですが、球がどれくらいホップするかも重要だと言われています。どれくらいホップしているかを表すホップ成分は無回転の球と比較した際に何センチ高い位置でホームベースに到達するかを表します。MLB平均43-44cmぐらい、50

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背の低いMLB選手特集 - セドリック・マリンズ讃歌

背の低いMLB選手特集 - セドリック・マリンズ讃歌

2021年の大谷選手の大活躍でメジャーで成功するにはやはり外国人並みに背が高くないといけないと思われた方も多いのではないでしょうか。今回はそのアンチテーゼとして背が低いけど活躍しているメジャーの選手を何人か紹介します。

メジャー選手の平均身長

MLB選手の平均身長は187cm、日本のプロ野球選手の平均身長は181cm。ポジション別では最も背の高いのがピッチャー、低いのが2塁手だそうです。日本で

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UZRに騙されるな:MLBゴールドグラブ賞のUZR値の検証

UZRに騙されるな:MLBゴールドグラブ賞のUZR値の検証

ゴールデングラブ賞の選考時期になると、あの選手よりこの選手の方がUZRが良いのに選ばれないのはおかしいという文句がファンの間で繰り返されのが毎年の風物詩。ただしそういう人の中には本当はたいしてUZRのことを知らないのに通ぶって言ってるだけなんじゃないって人も含まれているのはまさに自分がそうなのでよく分かる。生半可メジャー通のセイバーメトリクス厨。そこでUZRがどれくらい本場MLBのゴールドグラブ賞

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リトルリーグ・ワールドシリーズ2021観戦記

リトルリーグ・ワールドシリーズ2021観戦記

リトルリーグ・ワールドシリーズは毎年ペンシルバニア州ウィリアムズポートで8月に開催されるリトルリーグの世界一を争う大会。日本ではリトル時代の清宮選手が投打に大活躍して優勝したことで知られている方もいると思います。

なんとその大会にうちの子供が属しているチームの一歳上の12Uチームが出場を決めたので、応援するためにウィリアムズポートまで行ってきました。今回はリトルリーグワールドシリーズとそこまでの

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左投げ左打ちは絶滅危惧種か?

左投げ左打ちは絶滅危惧種か?

今迄メジャーでプレイした日本人野手は右投げ左打ちの選手が圧倒的に多い。イチローさん、松井秀喜さん、岩村明憲さん、川崎宗則さん、青木宣親選手、福留孝介選手、大谷翔平選手など。昨年2020年に来た秋山選手と筒香選手もそうですね。

右投げ右打ちの野手も新庄さん、田口さん、井口さんなどがいましたが数は右投げ左打ちの野手の方が圧倒的に多い。

そして左投げ左打ちの野手はここまでゼロ。そうです、ゼロなのです

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ムーキー・ベッツは野球界のブラックパンサーである

ムーキー・ベッツは野球界のブラックパンサーである

2018年に公開されて大ヒットした映画ブラックパンサーはご覧になられたましたでしょうか。この映画が画期的だったのは初めて黒人のスーパーヒーローが出てきたところでした。この映画は世界中でヒットしましたが、とりわけ黒人の間では熱狂的に迎えられ、この年のハロウィンには私の住んでいるネイバーフッドでもブラックパンサーに扮している子供を数多く見ました。やはり黒人の間では自分達のスーパーヒーローを求めていたの

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マエケンチェンジでモデルチェンジした前田健太投手

マエケンチェンジでモデルチェンジした前田健太投手

前田健太投手絶好調です。9月16日時点で5勝1敗防御率2.43と素晴らしい成績。多くの方は前田健太投手と言えば日本時代のストレートとスライダーで勝負しているイメージがあると思いますが現在の前田健太投手は全くの別人です。ですので元からマエケンはこれくらい活躍出来たのにドジャースの起用法がクソだったのでツインズに来て大正解っていう意見は前田健太投手の進化を正当に評価していないことになります(まあ確かに

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2020年 サイ・ヤング賞レース予想      【日本人投手の受賞の可能性は?】

2020年 サイ・ヤング賞レース予想 【日本人投手の受賞の可能性は?】

7月23日に開幕した2020年のMLBシーズンですが、この記事を書いている8月21日時点で一番多いチームで27試合、一番少ないチーム(カージナルス)で14試合が行われました。そこで少し気が早いですがサイ・ヤング賞レースの予想をしてみます。

アメリカンリーグまずはアメリカンリーグから。以下がトップ候補者のリスト。

アメリカにはサイヤングを含む各賞やチーム順位などのオッズを載せているサイトがあり開

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大谷翔平投手より球速も回転数も劣るジョッシュ・ヘイダーのほうがなぜ奪三振が多いのかの考察 (2021年追記版)

大谷翔平投手より球速も回転数も劣るジョッシュ・ヘイダーのほうがなぜ奪三振が多いのかの考察 (2021年追記版)

2019年の暮れに書いてほったらかしにしてた記事を公開します。だらだら長いですが興味ある方は読んでいただけると嬉しいです。

これを書いてる時には2020年に大谷投手が投手復帰して負傷してしまったことは知らない状態で書いています。今回の負傷の件は一ファンとして心を痛めております。記事の内容が少し大谷投手にネガティブな部分がありますがご容赦ください。

大谷翔平投手のストレートはなぜ空振りが取れない

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古くて新しい変化球 - カーブボール

古くて新しい変化球 - カーブボール

日本の現代最新型野球に於いて最も有効とされる変化球はスライダー、カッター、スプリットなどでカーブは平成・昭和な古臭いイメージだがメジャーでは近年脚光を浴びている。今回はそんな一時は廃れかけた最古の変化球であるカーブボールについて。

フライボール革命とカーブボールカーブは今から150年程前にキャンディ・カミングスによって発明されたとされているがさすがに古過ぎて映像は残っていない。アメリカでMLB史

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