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交通に関する仕組みや経済を新しい形で社会に実装する

「これがそのまま仕事になればいいのにな」
趣味に没頭しているとき、そんな夢を頭に思い描いたことがある人は、ひとりやふたりではないのではないでしょうか。ゲームが好きな人がゲームクリエイターに、乗り物が好きな人が運転手に。電脳交通で、そんな好きなことを仕事にする夢を叶えたのが10月に入社した堀口駿です。堀口の趣味はずばり「交通」。運転手やパイロットではなく、鉄道会社や航空会社ではなく、電脳交通の事業こそが自分のやりたかったことだと言います。

様々な交通分野に幅広く興味を持った学生時代

両親が転勤族だったという堀口は、札幌・岐阜・埼玉・再び岐阜と転々としながら育ちました。幼少期は男子によくある乗り物好きで「運転手」が将来の夢でした。その夢が徐々に薄れていく人が多い中、堀口の興味は小中学生の間に広がりを見せます。電車好きが高じて路線図を見るようになり、電車から二次交通であるバスに興味を持ち、各交通機関の接続やつながりを考える中で数珠つなぎに興味が広がりました。普段は気になる事業者のWebを調べたり、SNSで検索したり、接続をシミュレーションしているのだと言います。スポーツやアーティストが趣味の人と、分野は違えど同じ熱量の持ち方を交通にしているのだと感じます。堀口は中学を卒業し、三重県の商船高等専門学校に進学しました。

「言い方は悪いんですが、潰しが利くと思ったんです。商船学校を卒業すれば船舶に関する免許を始めとして資格取得への優遇が多くあり、交通業界だけでなく、工業界でも仕事をし続けられるかなと。もちろん、入学当初は船に一番興味がありました。あとは、転勤関係なく同じ学校に通い続けたいと思い、寮がある学校を選びました」

堀口の興味は商船学校に進んだ後も留まるところを知らず、「海運以外の業界も知りたい」という想いから、在学中に休学し半年間アメリカに留学して航空系のパーツメーカーでのインターンも経験しました。

「進路を考えたときにいくつかの選択肢で悩んでいました。流通や情報を学ぶための大学編入、航空系のパーツメーカーへ就職、海運業界のコンサルのような会社への就職…商船学校では当然船の業界に就職する人が多いのですが、『将来ずっと船だけに関わっていくので良いのかな』というもやもやした気持ちは持っていました」

画像2(商船学校時代の実習で乗船した船)

電脳交通とのつながり

そのような中、四国の大学生と合宿形式のイベントを企画する機会があり、その場所が徳島県に決まりました。そこでゲストに招かれたのが、電脳交通の社長の近藤でした。電脳交通の事業やビジョンを見聞きし、強い興味を持ったと言います。

「こんな会社があるんだと驚いたのが率直な感想です。また、自分の関心にとても近いと感じました。近藤さんの距離感もとても近く、御礼の連絡を送るとすぐに返事をいただけ、さらに乗船実習中にインターンのオファーをいただき、実際にインターンする機会に恵まれました。それまで趣味と言いますか、好きで見ていた交通でしたが、自分の蓄えてきた交通の知識が仕事に生きるということを初めて知り、この会社で働くとおもしろいかもというワクワクした気持ちを持ちました」

「交通が好き」から一段掘り下げた堀口の興味

堀口の「交通」という分野に対しての興味の持ち方には2つの特徴があると感じています。ひとつは“好奇心の広さ”が群を抜いていること。新しいこと、興味があることには、壁をつくらず調べて体感し、交通に関して興味を持つ領域がとても広いことです。もうひとつは、交通の中でもひとつ掘り下げた、「人や物が移動することの“経済のようなもの”」に興味を持っていること。交通や移動の“仕組み”の部分に特に関心があるのだと言います。
趣味や好きなものを昇華して仕事にするとき、そのスキルを極めることがイメージしやすいかもしれません。ゲームが好きな人がプロのゲーマーになったり、スポーツが好きな人がスポーツ選手になったり。しかし、堀口の場合は少し異なります。堀口が最も興味を持ったのは、「交通に関する仕組みや経済を新しい形で社会に実装すること」で、それが電脳交通で実現できることにおもしろさを感じたのだと言います。ファッション好きな人がモデルやファッションデザイナーになるのではなく、ファッションの新しい仕組みをつくるZOZOに興味を持つようなものでしょうか。

自分が交通について考えていたことが、実際に社会に実装されることがとてもおもしろいと感じました。インターンを終えた後は、大学に編入して更に深く勉強するか、電脳交通に入社するかの二択に絞っていましたね。ただ、仮に大学に編入したとしても『将来的には電脳交通に入りたい』という想いを持っていました。それならばベンチャーで劇的に伸びている今を体感でき、まだ何の実績もない若い自分に期待してくれている今入社するのが1番だろうと思い、入社したいという想いを社長に伝えました」

画像2(配車センターの社員とコミュニケーションをとる堀口)

堀口が取り組む、地域交通分野の新しい事業

堀口は入社して、新しく立ち上がった「ビジネスディベロップメントチーム」に所属しています。地方自治体やタクシー事業者や交通事業者といっしょに、電脳交通のシステムや配車センターを活用した新しい実証事業を企画したり、地域交通の課題を解決する新しい仕組みをつくるチームです。徳島県のおもてなしタクシーの配車を一本化する実証実験や、JR西日本とのMaaSアプリでの連携やグリーンスローモビリティの実証事業、NTTドコモとの実証事業等を担当しています。その他、自治体や交通事業者からの引き合いも最近増えてきています。

「自分の担う役割は、それこそ電脳交通の集大成なんじゃないかと思っています。配車システムや配車センターのスキームを真正面から導入するだけではうまくいかない事業を実証として取り組みつつ、地域交通にも波及効果の高い化学反応を生み出すことは、電脳交通の可能性を広げるものだと思います。それこそタクシーの配車の仕組みそのものを良くすることにつながるかもしれません。電脳交通が配車システムや配車センターの事業に真摯に取り組んできて、地域の事業者の方々やドライバーの方々の熱意をたくさん感じ蓄積してきました。それを形にしてお返しすることができますし、自分の好きな交通領域で実現を目指せるというところが大きなやりがいです。配車センターでオペレーションを担っている方々との距離も近いですし、オペレーションを最適にすること、採算性を担保すること、地域交通の文脈での事業性を高めること、この3つを高い次元で実現したいと考えています。単純な配車システムの導入だけでは解決できない事案を、様々な組み合わせや過去の知識の蓄積から新しいソリューションを提供していきたいです。また、地方で生まれ育った自分としては地域交通へ恩返しをしたいという想いもあります。地域ではドライバーの高齢化や自宅での老々介護や高齢化に伴う問題が山積しています。交通の力で、安価に負担が少なく移動ができ、コンパクトに動ける仕組みをつくることができれば、仮に生産年齢人口が流出してしまったとしても、高齢の方が生まれ育った町で長く暮らすことができるようになるかもしれません。他にも交通で解決できる問題が多くあると思いますし、そのような形を実現することが、自分が地域にできる恩返しなんじゃないかと考えています」

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